無料のユニバーサルデザインフォントを使おう

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
多くの人にとって読み間違えにくい書体を
ユニバーサルデザイン書体といいます。

ユニバーサルデザイン書体の使用は
お客様や取引先、従業員にとってありがたいです。

ご自身では不都合を感じていなくても
小さい文字は読みにくい、
と感じている人はいらっしゃいます。

店舗の案内やビジネス書類で使うと良いでしょう。

ユニバーサルデザインフォント(UDフォント)は
いくつかのメーカーから発売されていますが、
モリサワからゴシック体と明朝体が無料で提供されています。

MORISAWA BIZ+(モリサワビズプラス)に会員登録すると
「BIZ UDゴシック」と「BIZ UD明朝」が
無料でダウンロードできます。
https://www.morisawa.co.jp/products/fonts/bizplus/

商用利用可です。
印刷物やwebサイトなどに使えます。
(ロゴの商標登録はできません)

小さい文字で実際に見ていきましょう。

下はゴシック体です。
「BIZ UDゴシック」は一番下です。

windowsにある書体と、
無料の源ノ角ゴシック、IPAゴシック、
私が好きなヒラギノと比べました。

bizudpgothic.jpg

同じ文字の大きさ(ポイント数)ですが、
「BIZ UDゴシック」は読みやすいと思います。

アルファベットの
大文字の「あい」、小文字の「える」、数字の「いち」を
並べましたが、一番見分けやすいです。

数字の「はち」と「さん」「ろく」の見分けも
字が開いているので区別しやすいです。
字を丸めていません。

数字の「なな」も左に縦棒(ひげ)が唯一ついています。

濁音の区別、「ブ」と「プ」、
「ば」と「ぱ」はあまり違いませんが、
総合的に一番読み間違えにくい書体だと思います。

明朝体はどうでしょう。
「BIZ UD明朝」は一番下にあります。

bizudpmintyo.jpg

明朝は横棒が細いのですが、
UD明朝では縦、横ともに少し太く、
横は特に太くしているようです。

明朝はゴシックに比べれば
全ての書体が見えづらいですが、
「BIZ UD明朝」は明朝体の比較では
優れていると思います。

アルファベットの
小文字の「える」と数字の「いち」は
どの書体も見分けにくいですね。

大きい文字で比べてみたときは
「BIZ UD明朝」も良かったですが、
「源ノ明朝」が区別しやすかったです。

数字やアルファベットの区別のしやすさは
GoogleとAdobe、イワタに軍配を上げたいです。

ただ、「源ノ明朝」はちょっと個性的です。

「BIZ UD明朝」は万人に好かれそうな形ですし、
プロポーショナルフォントとして
文字が詰まっているので、
これを使えば間違いないという感じでしょうか。

役所などのお堅い組織でも受け入れられやすそうです。

2018年をデザインで振り返る

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
今年も残り10日となりました。
2018年のデザインを振り返ります。

バーチャルユーチューバーとストローを取り上げます。

バーチャルユーチューバー(VTuber)は、
YouTubeに出演する架空のキャラクターです。

キズナアイさんが有名です。


コンピューターグラフィックで描いたキャラクターに
人が扮しています。

いろいろな作成方法があるようですが、
モーションキャプチャーを身に着けて、
人の動きと同じようにキャラクターを動かす方法を
テレビで見ました。

声の主は声優だったり、ボイスチェンジャーを使ったり、
制作者そのままだったりするそうです。

企業の活用事例としては、
一般的なユーチューバーと同じように
タイアップして商品宣伝してもらうものもありますが、
サントリーやロート製薬のように、
自社でバーチャルユーチューバーを制作する会社もでてきました。



ご紹介した動画は、しっかり広告宣伝していますが、
宣伝していない動画もあります。
宣伝が強すぎると視聴者が嫌うから、
バランスをとっているのでしょう。

単にYouTubeに動画をアップするのに比べて、
手間がかかるので、中小企業ではそれほど取り組まれていませんが、
自分ではないキャラクターを設定できる点は魅力ですし、
かわいらしいキャラクターが好きな人もいますから、
うまく運用する中小企業も近いうちに出てくると思います。

もうひとつはストローです。
プラスチックの海洋汚染が話題になり、
プラスチックストローを
紙のストローに置き換える動きが出てきました。

プラスチック製品はストローだけではないので、
ストローだけが話題になるのは変な気もしますが、
中小企業でもプラスチック削減の動きは強まると思います。

プラスチックストローが1円くらい、
紙ストローが3円くらいですので費用は増えます。

また、紙ストローは、耐久性や口で触った感触、
曲げられないなどの点でプラスチックに及びませんが、
レジ袋などの包装資材の削減とともに検討課題となるでしょう。

どんな体験を売るか、どんな社会を目指すか、
の象徴になってきています。

上に挙げた課題を解決するストローのデザインが期待されます。
来年のグッドデザイン賞では受賞するストローがでるでしょうか。

国際デザイン&広告賞「D&AD賞」特別レクチャー

こんばんは。中小企業診断士の山口達也です。
国際デザイン&広告賞「D&AD賞」のセミナーに行きました。

danddaawardsentry02.jpg

セミナーは、GOOD DESIGN EXHIBITION 2018の中で
国際デザイン&広告賞「D&AD賞」特別レクチャー
として開催されました。

第1部は「Creativity for Excellence - 卓越した創造力」
として、D&AD 最高執行責任者のDara Lynch氏の講演でした。

D&ADの紹介やデザイン、広告のトレンドの話がありました。

D&AD(Design & Art Direction)は、1962年にイギリスの
非営利団体として創立されました。

デザインと広告の発展、支援を目的に
創設されたD&AD賞は審査も厳しいです。

約80か国から約20,000作品の応募があり、
受賞は700作品程度です。

国別では日本は米国や英国に次いで3番目に多い受賞数のようです。
webサイトでは48の受賞がありました。

ちなみに今年の日本の受賞作品を例示として、リンクを貼ります。
ご参考まで。
https://www.dandad.org/awards/professional/2018/graphic-design/26936/laforet-grand-bazar-2017-summer/
https://www.dandad.org/awards/professional/2018/product-design/27139/cogy-wheelchair/

広告は、時代を切り取って映し出すところもあります。

今はグローバル化、難民・移民の受け入れ、
人間や文化の多様性、自国第一主義、
といったものを意識した広告やデザインが
現在のトレンドになっているようです。

第2部は「Creative Directors In Conversation-審査会から見た世界のデザイン」
として、中村至男氏(D&AD賞 グラフィックデザイン部門審査員)、
堀宏行氏(D&AD賞 デジタルデザイン部門審査員)、
Tommy Li氏(2016年D&AD賞グラフィックデザイン部門審査員/AGI中国代表)、
菅付雅信氏(モデレーター)のパネルディスカッションでした。

審査の特徴について話してくれました。

審査員も50か国から250名、男女もおよそ半々で多面的な評価をしています。
D&AD賞の審査の特徴として、審査員による議論が多いと話していました。

まるまる3日間ディスカッションするらしいです。

審査基準は次の3つですが、
An original and inspiring idea.
Exceptionally well executed.
Relevant to its context.

おおざっぱに解釈すると、
独創的であること、
丁寧に作られていること、
時代や社会・文化の流れを意識したものであること、
という感じです。

コンテクスト評価の難しさが語られていました。

その土地由来なものが外国では新鮮に映ります。

例えば、日本では魚拓になじみがあるが、
外国の審査員には刺激的に見えるようです。

世界中から審査員を集めて、
ディスカッションすることで
その地域の文化も理解しながら
審査するよう努めています。

私は最近、消費において、
文化の香りを与えることの魅力を感じます。

広告で楽しく美しい生活の提案ができるとよいですね。

11月から来年のD&AD賞のエントリーが始まっていました。
https://www.dandad.org/en/d-ad-awards/

danddaawardsentry01.jpg

審査料は応募する部門によって異なり、
数万円から10万円を超える部門もあります。

これからも日本のクリエイティブが
世界に積極的に発信されることを期待したいです。

デザイン料金の相場の目安

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。

相談を受けていると、
「デザイナーに頼むといくらかかりますか?」
という質問をよくいただきます。

おおよそのイメージはお答えしていますが、
仕事内容やデザイナーによって価格は大きく異なるのも事実です。

参考になるwebサイトをご紹介します。

名刺、ハガキ、チラシ、ポスター、ロゴの
グラフィックデザインの料金について、
平成の終わり汁さんがTwitterに投稿しています。
https://twitter.com/anmain2525/status/1014519373103443972

design-47さんがwebサイトの制作費用について
ブログ「デザインを相談してみよう」に記しています。
【料金表第2弾】Webサイト制作いくらかかるか?フリーランス・SOHOの制作代金 100社まとめ
http://design-47.hateblo.jp/entry/webdesign

多くの企業のデザイン料金表を見たうえで、
全10ページ程度の簡単なウェブサイトの場合、15万円~30万円程度くらいでしょうか。

とまとめています。

design-47さんはロゴ制作についても調べています。
【第三弾】ロゴ制作をデザイン会社に頼むといくら?73社の料金表をまとめてみた
http://design-47.hateblo.jp/entry/logo

ロゴについては
ロゴデザイン(テキスト部分)で3万円くらい、ロゴマークで5万円くらいのようです。
全て一括で依頼する場合には予算を10万円くらいに設定にしておくと良いでしょう。

とまとめています。

以前は、design-47さんのブログ「デザインを相談してみよう」で
【2015年】チラシのデザインを頼むといくらかかるか?97社の料金表を調べてまとめてみた。
という記事があって、そちらもご紹介したかったのですが、
今は残念ながら見られなくなっています。

プロダクトデザイン(製品デザイン)は、
私が12年前に東京都中小企業振興公社で
「デザイナー活用ガイド」を制作しましたので、
その内容を一部お伝えしましょう。(今は絶版で見られません)

designer活用guide.jpg

工業デザインの製品企画、基本デザイン、詳細デザイン、
デザイン修正、デザイン評価までをすべて行うと
175~1050万円と幅をもって記されています。

具体例もデザイナーに伺って、イメージとして
コンセプト提案、基本デザイン、詳細デザインを通して
270万円から340万円で行う例を3つ記しました。

これらはあくまで価格表です。
グラフィックデザインにせよ、プロダクトデザインにせよ、
依頼の仕方や、デザイナーとの関係の築き方によって
実際の価格は変わりますので、そこには工夫の余地があります。

2016年をデザインで振り返る

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。

今年のデザインの話題としてはポケモンGOと
東京五輪・パラリンピックのエンブレムが
印象に残りました。

「ポケモンGO」は、ナイアンティックと
任天堂の関連会社のポケモンが、
共同開発したスマートフォン向けのゲームです。

拡張現実(AR)の技術が使われており、
現実の位置情報とゲームの世界が重なっています。

スマートフォンを持って街を歩くと、
ポケモンと会え、ポケモンを集めたり、
育てたりするゲームです。

移動しないとゲームが楽しめないしかけで、
ゲームによって、新しい場所へ出かける
動機を産みました。

ゲームに夢中になったまま移動する人もおり、
事故を誘発してしまう側面があることは
残念ですが、新しい技術の楽しみ方を
提示したことも事実だと思います。

もちろん、ヒットにはキャラクターや
ゲーム性の良さも大きいと思います。

ゲームはバージョンアップしていくようです。
よりよいゲームに進化することを期待します。

もうひとつの話題は、2020年東京五輪・
パラリンピックのエンブレムです。

最初に決定したエンブレムの撤回を
決めたのが昨年9月でした。

昨年の秋にエンブレムの公募を開始し、
今年の4月に最終候補4作品を発表しました。

そして4月25日に、野老朝雄(ところあさお)さん
がデザインした「組市松紋」(くみいちまつもん)
に決定しました。

tokyo2020emb.jpg

日本らしい藍色と市松模様を活かしたデザインで、
精緻な造形も日本らしく思えます。

ちなみに、最終候補4案の中で
私が一番良いと思ったデザインでした。

エンブレムにこめられたメッセージなどは、
以下のURLをご覧いただくとよいです。
https://tokyo2020.jp/jp/games/emblem/

エンブレムが、どのように使われるかも大切です。
今後注目していきましょう。

今年一年間、当ブログにお付き合いいただき、
ありがとうございました。
来年もよろしくお願いいたします。
皆様、よい年をお迎えくださいませ。

2015年をデザインで振り返る(3)東京五輪・パラリンピックのエンブレム問題(下)

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
エンブレム問題の続きです。

今回の件で、日本のトップの
グラフィックデザイナーの質に疑問符が
ついてしまいました。

佐野氏のエンブレムは、
2位以下の応募作を引き離して審査では選ばれたと
組織委員会の武藤事務総長は説明しました。

群を抜いた1位のデザインですが、
国民の多くは造形的に好んでいなかったようです。

佐野氏のエンブレムはよいので使うべきだとする声は少なく、
むしろ、招致時に使用した桜のリースのロゴが
よかったという声を多く耳にしました。

招致ロゴ.jpg

2位となった原研哉氏は、
後に応募したエンブレムを公開しましたが、
原氏のデザインが素晴らしいので採用すべきだ、
という意見も大きなうねりにはなりませんでした。

原研哉氏が公開した作品
http://www.ndc.co.jp/hara/detail/olympic2020/00.jpg
原研哉氏ロゴ.jpg

そこから透けて見えるのは
日本のトップデザイナーに限ったはずの
今回のコンペのデザインの質・数が
貧しかったのではないかという疑念です。

私は、応募資格を狭め、限られた専門家がしっかり審査する
コンペも悪くないと思っています。

国民の多数派がいつも正しいとは限りませんし、
審査員が、先見性や鋭い審美眼、責任感をもち
後世にはきっと理解されると言い切って選んでもよいと思います。

しかし、そこにはプロとしての絶対的な質の高さが必要です。

今回の件は、質に大いに問題ありとされ、
プロが国民を押し切れなかったと考えることもできます。

佐野氏は亀倉雄策賞や毎日デザイン賞などを受賞した
日本のトップデザイナーでした。

ただ、サントリーのトートバッグや羽田空港の写真を見ると、
その仕事ぶりはあまりに酷いものです。

デザイン賞の選考委員の目利き力も問われます。

一部の人の大失態で、
デザイン業界は信用を失ってしまいました。

胸を張れる仕事を続けることで、
取り返していくしかありません。

記事の本論から離れるため触れませんでしたが、
次の2点についても問題意識も持っております。

望ましいデザインができなかった原因は、
デザイナーだけでなく発注者の問題も大きいこと。

コンペにおいて選ばれなかった作品に
報酬が支払われないことに検討の余地があること。

今回はマスコミやネット、街中での会話で
数えきれないくらいの
さまざまな問題提起がなされました。

私が気づかないうちに、デザイナーに向ける
世間のまなざしは想像以上に厳しくなっていたのかもしれません。

2015年をデザインで振り返る(2)東京五輪・パラリンピックのエンブレム問題(上)

こんにちは。中小企業診断士の山口達也です。

2020年東京オリンピック・パラリンピックのエンブレム問題は、
デザイン界の今年の最大の話題となりました。

書いていたら長くなりましたので2日に分けて記します。

今年の流行語にもなった「エンブレム」(emblem)は、
辞書を見ると標章や紋章という意味です。

よく使われるロゴ(logo)やシンボル(symbol)と、
ほぼ同じ意味で使われていると考えてよいでしょう。

7月24日に佐野研二郎氏のデザインによる
エンブレムが発表されましたが、
国内で大きな話題・批判を巻き起こし、
9月1日に佐野氏が撤回に追い込まれました。

佐野氏エンブレム.jpg

現在は新たなエンブレムの審査に入っています。

時系列で私が感じていたことを記します。

私が最初に佐野氏のエンブレムを見た感想は
「黒が強く、重くて地味だな。いまひとつ。」でした。

高い評価につながったアルファベットへの展開は
美しく感じませんでしたし、
TがTokyo、Team、Tomorrowを象徴している話は、
招致時のプレゼンテーションに比べて
薄っぺらいと感じました。

ただ、絶対に受け入れられない悪い作品とも思いませんでした。
私の好みはともかく、みんながよいならこんなものかなと。

似ていると指摘されたベルギーの劇場ロゴは、
佐野氏が模倣したデザインとは思いません。

それほど似ていませんし、デザインのつくり方も違うので、
裁判でもおそらく負けないと考えます。

一方で、ギンザ・グラフィック・ギャラリーで開催された
ヤン・チヒョルト展のロゴと、
修正前の佐野氏の応募した原案とは似ています。
佐野氏が影響を受けた、真似をした可能性は排除できないと思っています。

私の感想は以上です。

ここからはこの問題を通じて、
私たちが学ばねばならないことを考えます。

「類似=模倣」ではないと認識しましょう。

日本の著作権法は、創作したデザインが
他の人のデザインと偶然に同じであったとしても、
模倣していなければ著作権侵害とならないと解されています。

確かに、著作権侵害を争うケースでは、
デザインが極めて似ていると、そのデザインが
まったくの偶然で創作されたとは考えにくい
と裁判官が判断することもあります。

しかし、これはかなり慎重な判断が求められます。

今回の件では、インターネット上で似ているデザインを
探す行為が広く行われましたが、
似ている=パクリ、ではない原則を理解しましょう。

その一方で、デザイナーに創造性や独自性を期待する人が少なくない
ことも、デザイナーは知っておきたいものです。

明日はもっと大きな問題を考えます。

2015年をデザインで振り返る(1)新国立競技場の設計やり直し

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。

今年はデザイン業界に激震が走った年でした。

新国立競技場の設計やり直しと、
2020年東京オリンピック・パラリンピックの
エンブレムの白紙撤回、の2つの話題に触れます。

今日は新国立競技場の設計やり直しについてです。

新国立競技場の設計をめぐる経緯から確認します。

新国立競技場のデザインは、
東京オリンピックの開催決定前の2012年11月に、
基本構想国際デザイン・コンクールに応募された
46作品の中からザハ・ハディド氏のデザインに
決まりました。

新国立ザハハディド02.jpg

しかし、当初予算の1300億円に対し、
その後の見積もりはどんどん膨らみます。

2割規模を小さくしたり、
屋根の整備はオリンピック後に整備に変更したり、
8万人の観客席の一部を仮設としたりしながら、
費用を抑えようとしますが、
今年6月には2520億円となる見込みとなりました。

政府への批判が高まり、7月17日に安倍総理が
当初の計画を白紙にすると表明しました。

設計案の募集からやり直し、A案とB案の2案から
12月22日に建築家の隈研吾氏の設計案(A案)が
優先交渉権者として決定しました。

新たに決まったA案
新国立競技場a案.jpg

わずかな得点差で選ばれなかったB案
新国立競技場b案.jpg

ここまでが経緯です。

取り止めとなったデザインへの批判は、
「意匠や構造が適当ではない」と「費用が高すぎる」
の2つが主なものと思われます。

私は躍動感のある鋭い意匠に魅力を感じましたが、
神宮の環境になじむとは言いにくく、
街や森がこの大きな変化を受け入れるかどうかは
悩ましいところです。

また、国民の批判の多くは、
意匠や構造よりも費用面に向けられました。

批判のトーンは、ザハ案の決定時よりも、
見積もり価格が膨らんだことによって
上がっていきました。

発注を決定して、あとからコストアップは
どんどん受け入れるという公共事業のあり方が
厳しく問われたのでしょう。

物価や人件費の変動もありますから、
大規模プロジェクトの原価が当初の予定通り
いかないことは、ある程度許されると考えますが、

これまでの公共事業の中には
あえて正しく見積もりをしようとしない
不作為の罪があると思われるものも
少なくありませんでした。

例えば、東京オリンピック・パラリンピックの運営費も
当初の6倍、1.8兆円になる見込みだと、
マスコミ各社が先週末に一斉に報じています。

NHKはロンドン五輪では2.1兆円かかった、
と報じています。

そのような状況で、東京の運営費を
最初に約3千億円と見積もるほうが不自然です。

運営費の負担もこれから問題になるでしょう。

新国立競技場に話を戻します。

旧案の選定の失敗を踏まえ、
設計の見直しにおいては、
短い工期への実現性や
価格を重視して選ばれました。

再募集では、設計と施工会社が組んで
応募することが求められました。

A案は整備費が1489億円、
B案は整備費が1496億円、
と提案書にはそれぞれ記されていました。

ザハ案の見込みが2520億円になった一因に
キールアーチに765億円かかることが
報道されています。

報道の金額が正確でなかったとしても、
高額になった原因のひとつに
デザインがあることは間違いないです。

設計や建設業界の人の話を聞くと
いろいろ事情はあるようですが、

設計と施工を別に考えること、
費用の検討より挑戦的なデザインを重視したこと、
は国民の理解を
広く得るのが難しかったのかもしれません。

私は、政府や日本スポーツ振興センターの
仕事の進め方に最大の問題があったと考えますが、

費用を軽視したデザインは国民に受け入れられない
ことも再確認させられた一件だったと思います。

NHKの世論調査では、2520億円になる建設計画には
「あまり納得できない」34%、「まったく納得できない」47%で、
「納得できない」が81%でした。

もうひとつの話題、エンブレム白紙撤回は週明けに。

わびさびの龍安寺の石庭

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
今日は龍安寺の石庭の話です。
世界文化遺産登録されています。

枯山水石庭01.jpg

龍安寺は1450年に建てられました。
枯山水の有名な石庭は1499年につくられたとされています。

東西25メートル、南北10メートルの
石庭の作者は不明で、石庭の狙いも不明です。

砂に15個の石が配置されているだけですが、
見る者によって、空や海、山、宇宙などの
想像をかきたてる究極の豊かな庭です。

わびの世界です。

雨の日に行きました。

広大な世界を小さく閉じた簡素な庭で
表現したことで、心が自らに向くような気がします。

諸行無常であったり、豊かさが問われたり
しているような気がします。

私は物心の本質に迫る庭だと受け止めました。

枯山水石庭03.jpg

設計もかなり練られた作庭です。

排水を考えたわずかな高低や、
錯覚で奥行きを感じさせるように壁にも工夫が
施されています。

詳しくは「石庭の謎」のページをご覧ください。
http://www.ryoanji.jp/smph/garden/index.html

菜種油を混ぜた土で造られた油土塀によって囲まれ、
配置された石には苔が生えています。

枯山水石庭02.jpg

時間が流れることによって変化した塀や石からは、
さびが感じられます。

龍安寺の石庭からは、
わびさびの美意識、世界観が味えます。

日本のブランド、デザインを考えるうえで、
理解しておくべき世界観です。

源光庵の「迷いの窓」と「悟りの窓」は最高のデザイン

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
先日、京都の源光庵に行って来ました。

源光庵は、もともと1346年に臨済宗のお寺として
創建されましたが、
1694年に曹洞宗のお寺して再興されています。

本堂は曹洞宗のお寺となったときに建てられています。

本堂には、禅の教えが込められた
「迷いの窓」と「悟りの窓」があります。

迷いの窓と悟りの窓.jpg

右の角窓が「迷いの窓」です。

「迷いの窓」は4つの角に人間の生涯、
生老病死の四苦を表しているそうです。

迷いの窓.jpg

四苦八苦も含めて、
自らの思うようにならないことへの自らの心を
見つめるための窓です。

丸窓の「悟りの窓」は、円型に「禅と円通」の心、
円は大宇宙を表現しています。

悟りの窓.jpg

「悟りの窓」の前にじっと座っていると、
とても清らかな気持ちになれます。

無心になるもよし、宇宙を感じるもよし、
焦点を絞った庭の景色を見つめるのもよいです。

ひらめきや気づき、悟りの境地が
もたらされるかもしれません。

見事なデザインです。見事な芸術です。

論理付けた造形を良いデザインとして
ありがたがる傾向もありますが、

この窓は、そのような文脈、背景(コンテクスト)を
知らなくても、見る者の心を打つ窓だと思います。

感性と論理がともに優れているデザインこそ、
本当に優れたデザインだと思います。

源光庵は、京都の他の人気の観光地に比べると、
ずっと観光客は少なめでした。

たまたまでしょうが、外国人も見かけませんでした。

タクシーの運転手さんに聞いたところ、
JR東海のTVCMで最近は人気が出てきて、
紅葉の時期は混雑するそうです。

紅葉の眺めも美しいと思います。

しかし、自らの心を見つめるには
じっと静かに窓を眺められる、
空いている時期に行くのが私のお勧めです。

2014年をデザインで振り返る

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
全国的に冬の嵐です。
横浜も寒いですが、大雪の地域よりは恵まれています。

デザインで2014年を振り返ります。
今年はロボットを取り上げます。

サイバーダインというベンチャー企業があります。

ロボットスーツ「HAL」を開発、レンタルしています。
今年3月26日に東証マザーズに上場しました。

身体の不自由な方や大きな力を出すことを
助けてくれるロボットです。

医療や介護など現場で使われ始めています。

力を出しやすくなるだけでなく、
うまく動かせたことを脳が学習するシステムになっています。

身体の一部となって助けてくれる製品は、
豊かな着想や、技術への知見、人間工学や見た目も
考慮した総合的で高度なデザイン力が求められます。

クボタの農業用アシストスーツ「ラクベスト」は、
腕を支えて、腕を上げたままの作業負担を軽減します。

椅子の肘かけのような役割を果たします。

腕を下ろしたいときには簡単に下ろせるよう、
単三電池で駆動する電磁弁で
腕を支持する部分の固定と解除をします。

モーターを使わず軽量化し、12万9600円と廉価です。

昨年秋から発売されたようですが、
今年、メディアに多く取り上げられました。

菊池製作所の介護ロボットも注目されました。
ものづくりメカトロ研究所や
マッスルスーツのwebページに詳しく載っています。

「マッスルスーツ」は、
圧縮空気やゴムチューブなどによる人工筋肉で
介護の負担を軽減します。
11月から本格的に発売されます。

力強そうなスーツですが、美しさやカッコよさ、
安全面では、デザインとして
いろいろ考えられるポイントがありそうです。

ソフトバンクの「Pepper」(ペッパー)
人の感情を認識するロボットです。

ソフトバンクが6月に新製品発表しました。
一般販売は来年の予定です。

こちらは力を貸してくれるのではなく、
表情や声から人の感情を認識して、
会話で楽しませてくれるようです。

インターネットに接続されていて、
データもクラウドで蓄積して学習もするそうです。
価格は198,000円。一般家庭でも買える金額です。

Pepperは日本人が考える、
いかにもロボットらしい素材感ながら、
人形のような顔やスタイルでもあります。

顔や体型が人間そっくりだとかえって気味が悪く、
ロボットらしさがあった方が
愛嬌を感じるのかもしれません。

このあたりの心理の研究も
デザインの進歩に求められそうです。

ロボットのどこかに人間に寄りそう部分や
人間らしさがある限り、ロボットの発展には
技術だけなく、優れたデザインも求められます。

人型のロボットは、日本が優位とされている分野です。
これからのロボットの進歩にも期待しましょう。

2013年をデザインで振り返る

こんばんは。中小企業診断士の山口達也です。
デザインで2013年を振り返ります。

話題はグーグルマップと3Dプリンターの2つです。

グーグルマップが、
グッドデザイン大賞(内閣総理大臣賞)とならず、
グローバルデザイン2013(日本デザイン振興会会長賞)に
なりました。

審査員や来場者投票で最も評価を受けたのですが、
政府が内閣総理大臣賞の授与を拒否をしたため、
該当なしとなり、急きょ新設した賞が授与されました。

政府が拒否した理由は明らかになっていませんが、
グーグルマップの利便性や見やすさ、
操作性は優れていると私は思います。

日本全体に与えた影響度も
他のデザインより大きいでしょう。

グーグルマップは従来からありましたが、
スマートフォン(スマホ)向けの
モバイルアプリが今年の受賞対象です。

スマホアプリは、端末の大きさや文字入力などで
制約がある一方、通信やセンサー技術などの
活用可能性は高く、デザイン性が特に求められます。

今後もプロダクトデザイン、グラフィックデザイン、
webデザイン、ライフスタイルデザインなどが融合された
新たなデザインが生まれていくでしょう。

3Dプリンターも今年は話題になりました。

3Dプリンターそのものは以前からあったのですが、
価格が数万円のものが発売されるなど
かなり安くなり、身近になってきました。

ただ、3Dプリンターに入力するデータを作るのが難しく、
一般の生活者が使いこなすところまでは
まだなっていないと思います。

しかし、小ロットのものづくりや、
モックアップ制作に利用しやすくなりました。

今年の話題となったデータサイエンティストと同様、
設計エンジニアの需要も近い将来高まると考えます。

来年はどんなデザインが出てくるでしょうか。
楽しみですね。

CasaBRUTUSの特集がルーブルランスを取り上げる

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。

昨日発売の雑誌CasaBRUTUS(カーサブルータス)、
創刊15周年の記念特集は「美術館」です。

カーサブルータス01.jpg

「いま行くべき美術館はどこだ?」と題して、
ルーブルランスを筆頭に、豊島横尾館、
世界の最新ミュージアムなどをたくさん掲載しています。

カーサブルータスは家、建築、デザインを中心に扱う
ライフデザインマガジンです。

建築の専門家向けというより、一般の人が楽しめる
誌面にしているところが人気の雑誌です。

ルーブルランスをトップに、しかも記事の量も多くとって
掲載されていたことに少し驚きました。

カーサブルータス02.jpg

誌面はルーブルランスの夜の写真です。

今春、私が行ったときには、
日本人らしき人はひとりしか見かけませんでしたし、
場所もパリからTGVで1時間かかる地方の街です。

ルーブルランスは、フランス旅行のガイド本にも
載っておらず、行くのにちょっと苦労した場所です。

そのあたりの話は当ブログでも以前に書きました。
http://brand-design.seesaa.net/article/362463100.html

関心を持つ人は少ないのかと思ったら、
そうではなかったのです。

カーサブルータスは、
おそらく数万部は売れている雑誌でしょう。

専門誌とはいえ、少し行きにくい美術館の情報を積極的に
伝えようとするということは、建築物をアートやデザイン
として楽しむ人が日本に相当数いることを示します。

美術館内に展示される芸術作品の話は、ほとんどなく、
建築物だけに焦点を当てています。

海外の情報や国内でも地方の美術館の情報が多いです。

カーサブルータスは前からこのような特集を行っていますが、
世界のどこでも出かけて建築物を見てみたい層がいることは、
店づくりや街づくりの際に知っておいた方がよいでしょう。

今月号には新しい東京の国立競技場を設計する
ザハ・ハディッドに関する記事や、
今秋のデザインイベントの展望も載っていました。

デザインイベントも楽しみです。

NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」梅原真

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。

2月20日に放送されたNHK「プロフェッショナル仕事の流儀」、
デザイナー梅原真さんの録画を見ました。

私は梅原真さんを「やんばるふんばる国頭村」の
ポスターで知り、それから気になっているので見ました。

「やんばるふんばる国頭村」のポスター
http://www.kunigami-shoko.jp/?p=782

番組では、卵や栗のパッケージデザインに取り組む姿を
紹介していました。

デザインするものの良さを徹底的に探し、考え、
ネーミングやグラフィックに落とし込んでいく姿は
素晴らしかったです。

デザインの世界も数やスピードに追われがちで、
ひとつのものをそこまで丁寧にデザインすることは、
なかなかできなくなっているように感じています。

商業的に致しかたない面もあるでしょうが、
どこまで深く考えるかが、デザイナーにもクライアントにも、
そしてコンサルタントにも求められています。

私はデザイナーの作品集・ポートフォリオを拝見する時に
デザインの幅を見ています。

デザイナーのタイプとして、
デザイナーの色が強く、デザインテイストが近いタイプと、
相手に合わせるデザインで、デザインテイストの違いが大きい
タイプがあります。

デザイナーの色が強いタイプは、ピタッと合えば最高ですし、
どちらが良いというのではありませんが、
相手の良さを引き出すタイプや、相手の要望に合わせて
変幻自在にデザインできる方は魅力的だと思っています。

強みを的確にとらえる努力と、それを絶妙のバランスで表現
できることが梅原さんの人気の秘密なのでしょう。

私も強みを磨いて、伸ばして伝えるコンサルティングを
していますが、とても共感でき、参考になる内容でした。

2011年をデザインで振り返る(2)

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
昨日のデザインで今年を振り返る記事の続きです。

三つ目の話題は日本航空のジャンボ機の退役です。

ジャンボ機は燃費が悪いそうです。
全日空も近い将来、退役させるようです。

ジャンボ機は子供のあこがれでしたし、
何度も賞金王になったプロゴルファーの尾崎将司選手の
愛称も「ジャンボ」です。

しかし現代は、強くたくましいよりも、
颯爽のイメージが好まれるようです。

東北新幹線「はやぶさ」や、ゴルフの石川遼選手、
野球のイチロー選手のイメージでしょうか。

多様化、小回り、スピード、省エネルギー、
というキーワードは次年以降も続きそうです。

四つ目の話題はスティーブ・ジョブズ氏の死去です。

アップルはデザインを体現した企業と言えるでしょう。

製品のユーザビリティや美しさ、少種大量生産、
ビジネスモデルは革新でした。

ジョブズ氏がいないアップルが、
今後どのようなビジネスを展開するか注目です。

2010年をデザインで振り返る(2)

こんにちは。中小企業診断士の山口達也です。
デザインで今年を振り返る昨日の続きです。

三つ目はBOPビジネス向けデザインです。

BOP(Base of the Economic Pyramid)とは、
一人当たり年間所得が3000ドル以下の世帯に属する人たちと
言われています。世界で40億人いらっしゃるようです。

今年は、BOP層の社会課題を解決するビジネスへの関心が高まりました。

企業の社会的責任や、日本国内市場の縮小を見越して、
企業の海外展開はどんどん進んでいくでしょう。

中間所得層向けの先にあるビジネスという見方もあります。

そんな中、5月、6月に開催された
世界を変えるデザイン展」は大きな反響を呼びました。

QDrum.jpg

社会問題一般に関心のある方が多く来場していました。

受け手のニーズを満たす「ものづくり設計」「ことづくり設計」
としてのデザインの役割に、デザイン分野に日頃から
関わっていない方から大きな期待が寄せられた年だと思います。

松下幸之助さんが話した「水道哲学」と
「これからはデザインの時代や」が結び付き、
商人の本分を再認識します。

四つ目は目に見えないものと家族愛への共感です。

NHKのドラマ「ゲゲゲの女房」と、
植村花菜さんの歌「トイレの神様」がヒットしました。

見えないものと家族愛への共感がニーズとして存在するから
デザインした、というわけではないでしょうが、
両作品とも作った人の感謝や感受性が表現されていました。

ドラマも歌も「私」は一見、不遇とも受け取れる環境にありながら、
妖怪や神様といった目に見えないものを説く
家族に支えられて暮らします。

日常の何気ない暮らしの中で、
見えないものをおもんぱかり、家族を愛することが、
支持されました。

それは、見る人、聴く人が、自身を振り返った時に
「良いとわかっていたけれども、あらためて良いと認識できた」
からなのかもしれません。

私も目先のこと、目に見えることだけを追いかけてしまう
時があります。あらためなくてはいけません。

人には、家族や知人、友人、地域や環境への感謝が
必要だと伝えてくれた作品でした。

次週は今年をブランドで振り返ります。

2010年をデザインで振り返る(1)

こんばんは。中小企業診断士の山口達也です。
デザインで今年を振り返ります。

話題は四つです。

一つ目は、グッドデザイン大賞を受賞したダイソンの「エアマルチプライアー」です。

エアマルチプライアー.jpg

一見して扇風機とは思えない、あっと驚く形状です。
しかし、奇をてらったデザインではありません。
機能性を追求した扇風機です。

ムラのないスムーズな風と機械の安定性や安全性で優れています。

扇風機は長い間大きな変化がなかった製品と言えるでしょう。

市場規模の観点や経営資源の集中によって、
製品開発への投入資源が小さくなっていたのでしょう。

しかし、ダイソンに技術とデザインの力を見せつけられました。

あらゆる製品に、技術とデザインでビジネスチャンスが
まだあることを再認識しました。

エアマルチプライアーはロングセラー商品になるでしょう。
ダイソンのブランド力も上がります。

ニつ目は、3D画像が話題になりました。

映画「アバター」が火付け役となり、
3Dテレビが発売されるようになりました。

今年の日経MJのヒット商品番付でも西大関になりました。

テレビ電話と結び付くと、人と会っているような感覚が
もうすぐ体験できるのかもしれません。

人の感覚に技術を近づけていく競争です。

残りの二つは明日書きます。お楽しみに。

ロングライフデザインは企業の姿勢を問う

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。

お盆休みが近いので、今日は東京に来られる方や
贈り物をする方に合わせた話題です。

世田谷区にD&DEPARTMENT PROJECT東京店があります。

D&DEPARTMENT_PROJECT.jpg

D&DEPARTMENTは普遍的なデザイン性を持つ商品を
取り扱うセレクトショップです。

品揃えは家具や生活雑貨が中心です。長期にわたって
支持されるロングライフデザインの商品があります。

現代は、新しいデザインが次々に生み出され、
そしてデザインがどんどん消費されていっています。

デザイン性を“売り”にしながら1年で
モデルチェンジし、廃番になっていく商品も見られます。

私は本当に優れたデザインだったのか、
疑問に思うことが多いです。

企業活動として、新商品を出す重要性も
理解しているつもりですが、使い捨てデザインには
やはり違和感を禁じえません。

ただ、ロングライフデザインは
単なるエコやシンプルとも違うと思います。

D&DEPARTMENTは本当に優れたデザインを求める店であり、
こうしたデザインへのまなざしが、作り手や買い手に
届くことで、日本のデザイン力が上がっていくと思います。

また、ロングライフデザインに積極的なのは中小企業です。
ロングライフデザインを応援したいです。

D&DEPARTMENT_TOKYO.jpg

東京店1階にはカフェもあります。
一度足を運ばれてみてはいかがでしょうか。

東京のほかにも全国に数店舗あるようですが、
ネットショッピングもできます。

D&DEPARTMENT(ディアンドデパートメント)
http://www.d-department.com/jp/

50周年リクルートのメディアに詰まっているノウハウ

暑中お見舞い申し上げます。中小企業診断士の山口達也です。

横浜でも35度に達する日が続いています。
今年は猛暑のようです。お体を大切になさってください。

今日はリクルートの情報編集技術についてです。

1960年に大学新聞広告社として創業したリクルートは、
今年の3月に50周年を迎えたそうです。おめでとうございます。

時代と、人と、情報。展.jpg

50周年を記念した企画として、「時代と、人と、情報。」展を
4月1日から5月21日までリクルートGINZA8ビルで開催していました。

リクルートの「情報と広告」を集めた展示でした。

1962年創刊の「企業への招待」をはじめとして、
「とらばーゆ」「abroad」「カーセンサー」など、
さまざまな情報誌が展示されていました。

展示の中には、リクルート社の「情報編集」の技術について
紹介するコーナーがあり、とても秀逸なものでした。

時代と人と情報展.jpg

「集める」→「編集する」→「届ける」

という三段階におけるノウハウが示されていました。

大きくまとめると、以下のようになります。

1.多くの新鮮な生の情報を集める。

2.利用者がたどり着きやすく、比べやすい情報に編集する。

3.編集した情報を紙やwebなどで届ける

私は紙媒体での編集力に強く魅了されました。

白黒かカラー印刷にするか、紙質によっても
見え方が異なり、重さもコストも変わってきます。

利用者の視座に立ったインデックスの設け方や、
一目でわかりやすく比較しやすいアイコンの活用、
情報の並べ方など、エディトリアルデザインの粋が見られました。

学生時代は何気なく読んでいたのですが、
あらためて見てみると、本当に素晴らしいです。

近年はwebに移管してしまった情報が多いですが、休刊した
情報誌の高いデザイン技術からは学べるものは多いです。

家に残っている雑誌も良く読んでみてください。
面白い発見があるはずです。

50周年を記念したwebサイトもあります。
一部の展示内容は載っています。ご覧ください。

リクルート50周年記念サイト
(来年3月まで)
http://50th.recruit.co.jp/

デザインの開発・管理・保護・出願戦略に関する調査

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。

参院選にW杯決勝、大相撲にゴルフ全米女子オープンと、
昨夜からニュース続きでテレビにくぎ付けになりますね。

今日は平成19年3月にまとめられた
「デザインの開発・管理・保護・出願戦略に関する調査」
のご紹介です。

いつかご紹介しようと思いつつ、月日が経ってしまいました。

同調査は平成18年度の「意匠・出願動向調査」の一部として
特許庁が実施したものです。

特徴的なデザインを行った企業や、意匠出願が多い企業を
対象にアンケート調査を行っています。

この調査によると、デザイン開発のアウトソーシングについて
「よく行っている」17.5%、「ときどき行っている」40.9%、
「ほとんど行っていない」41.6%、
という数値が読み取れます。

デザイン開発に積極的に取り組んでいる企業の中には、
ほぼ自前だけでデザインしている企業が4割もあるのですね。

他にもデータを見ていきましょう。

デザインの開発開始から製品発売の期間はおおよそ1年である。
意匠出願は製品発売の3カ月~5か月前である。

意匠審査の期間は、出願から一次審査結果の通知まで
(ファーストアクション期間)で平均6~7ヶ月である。

一次審査結果の内訳として、即登録が全体の60%、
拒絶理由通知の後、意見書等を提出し登録になるものが20%、
拒絶査定になるものが20%である。

意匠権の平均的な維持期間は4年から10年が7割程度。
11年以上は約25%、となっています。

4分の1はロングライフ商品になるということでしょうか。

詳しい調査結果については以下のページをご参照ください。
http://www.jpo.go.jp/shiryou/isyou_syouhyou-houkoku.htm