食パンとロールパンのみをずっと突き詰めるペリカン

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
10連休はいかがお過ごしでしょうか。

お客様でもリフレッシュされる方と、
稼ぎ時の方の両方がいらっしゃいます。

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今日は浅草、田原町のパン店「ペリカン」の話です。
1年前のレポートの続きです。

2018年5月4日:パンのペリカン人気に驚いた!ペリカンカフェで炭火焼トーストを食べる
http://brand-design.seesaa.net/article/459168059.html

2017年10月20日:映画「74歳のペリカンはパンを売る。」
http://brand-design.seesaa.net/article/454307215.html

映画にもなった、
食パンとロールパンだけを製造するパンのペリカンは
人気店ですが、再訪して買えました。

朝に店に行って、予約なしですが買えますか?
と尋ねたところ、食パン1斤なら買えるとの返答で買いました。

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食パンを買った後に、近くのペリカンカフェへ歩いて
朝食をとっていたところ、隣の客席の女性に
「食パンは予約したんですか」と尋ねられました。

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女性は食パンが売り切れで買えなかったそうです。
ペリカンは本当に人気があります。
買いたい人は予約がお勧めです。

ペリカンカフェでは
フレッシュサラダとハムカツサンドを食べました。

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ハムカツサンドは
厚切りの浅草ハムをペリカンのパン粉で揚げたカツの
サンドウィッチです。おいしかったです。

ペリカンで買った食パン、自宅で食べました。
そのままとトーストしたものとそれぞれ食べました。

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もっちり柔らかいパンです。みみも柔らかいです。
小麦の味わいがずっしりあるのに、あっさりしています。

近ごろは生クリームやはちみつが入った食パンが人気ですが、
ペリカンのパンは個性を主張しないパンです。

ハムカツサンドにしたり、目玉焼きと食べたり、
他のおかずと一緒に食べやすい味です。

ペリカンは毎日食べても飽きない味を追求しています。

ペリカンは、食パンとロールパンだけを
とことん突き詰めてブランドを磨き上げています。

今度はロールパンも食べたいです。

ティラミスヒーロー事件から商標権とオリジナリティの重要性を認識しよう

こんにちは。中小企業診断士の山口達也です。
今日はティラミスヒーローの商標をめぐる話です。

ティラミス専門店「HERO'S」の商標が、
シンガポールのティラミス「The Tiramisu Hero」
の商標を真似したと指摘された件です。

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株式会社HERO'Sが1月20日に
ティラミス専門店「HERO'S」を
表参道に開店させました。

この出店記念イベントは
俳優の三浦翔平さんが、女優の桐谷美玲さんと
結婚披露宴を行った後の初めての公の場でもあり、
マスコミに大きく取り上げられました。
(大きく取り上げられて宣伝効果を狙ったのでしょう。)

ただ、2012年にシンガポールで創業した
「The Tiramisu Hero」のティラミスを
日本で販売する、株式会社ティラミスヒーローは
「オリジナルブランドロゴがコピーされた」と主張し、
その困惑が1月21日あたりからテレビで取り上げられ、
ネットで真似ではないかと話題になりました。

株式会社gramが商標権を持つ商標
商標登録第6073226号
tm6073226.jpg

株式会社ティラミスヒーローの
webサイトに記されているロゴ画像
thetiramisuherojapan.jpg

騒動は大きくなり、
1月22日には株式会社HERO'Sが
「THE TIRAMISU HERO」 のロゴ(登録番号第6073226号)
の使用権をお渡しする所存である、
とwebサイトで発表しました。

株式会社gramと株式会社HERO'Sの関係は
わかりませんが、
代表取締役は同一人物のようですし、
商標権者ではない株式会社HERO'Sが
使用権を渡すと言っていますから、
おそらくグループ会社なのでしょう。

株式会社ティラミスヒーローは
2013年から日本で販売していますが、
商標権を取得していませんでした。

一方、株式会社gramは2017年に出願しています。
商標権は株式会社gramが持っています。

株式会社HERO'Sのwebサイトで見ると、
ロゴの書体や猫のイラストは、
株式会社ティラミスヒーローの画像と少し異なりますが、
キャラクターがマスクやマントをした猫である点は共通し、
登録商標は画像とかなり似ているため、
真似との批判を浴びました。

株式会社HERO'Sが謝罪して、
一件落着でもありません。

株式会社HERO'Sは商標権を譲渡するとは言っていませんし、
株式会社ティラミスヒーローに付与する
商標の使用権(ライセンス)料も高額かもしれません。

この事件から学ぶ教訓は大きく2点です。

ひとつは、商標権は事業を始める際に取得しましょう。

商標出願は原則として早い者勝ちです。
早く出願しましょう。

商標権を他社に取得されると、
ブランド(商品名、ロゴ、店名など)を
変更せざるを得なくなる可能性があります。

商標権を持つ企業は、商標権を侵害する者に
商標の使用差し止めや損害賠償請求ができます。

もうひとつは、商標権を合法に取得しても、
他社の商標に似ている商標を使って事業を行えば、
「真似をしている」と顧客から厳しい目が注がれることです。

両社ともダメージを受けました。

ブランドは重要です。
ブランド戦略の構築にあたっては
商標権の確認を必ずしましょう。

そしてブランドのオリジナリティも重要です。
他社と似ているブランドはやめましょう。
まがい物と言われれば、従業員もやる気をなくします。

2018年をブランドで振り返る(ダイナミックプライシングとブランド)

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
2018年のブランドを振り返ります。
ダイナミックプライシングとブランドを考えます。

ダイナミックプライシングとは、
需要と供給の状況に合わせて商品価格を変えていく手法です。

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旅行代金や宿泊料が直前に安くなったり、
消費期限の近い食品を値引いたりするのも
ダイナミックプライシングと言えます。

それが今年話題になったのは
AI(人工知能)を使って、
価格を細かく変動させていくことや、
需要の多い局面では価格を積極的に高くしていくこと
が見られるようになったからです。

例えば、ホテルでは、
近隣でコンサートが開かれるときは人気が高まりますし、
競合ホテルの価格をチェックしても需要動向がわかります。

これらの需要に影響の与えるデータを
AIがリアルタイムで収集して判断し価格を提案します。

今までは過去の販売状況や、近隣の情報を
人間が収集して需要を予測していたのですが、
AIが大量のデータを素早く収集して、
ネット上で価格をどんどん変えていくことができます。

中小企業でも導入が見られるようになりました。

ダイナミックプライシングを実現させるAIサービスには
ネットショップ向けの「throough」、
宿泊施設向けの「メトロエンジン」「MagicPrice」の他、
さまざまな業種向けに開発する
ABEJAやアビームコンサルティングなどがあります。

株式会社 日光企画(throough)
https://throough.com/

メトロエンジン株式会社
https://metroengines.jp/

株式会社空(MagicPrice)
https://www.magicprice.co/

株式会社ABEJA
https://abejainc.com/solution/ja/

アビームコンサルティング株式会社
https://www.abeam.com/jp/ja/expertise/SL211

値札をネットワークで変えられるのであれば、
リアルタイムで価格を変えることは確かに合理的です。

価格とブランドとの関係をみると、
価格がブランドに与える影響は大きいです。

価格には品質バロメーターとしての機能があって、
価格が高いと、人は良い品質、良いブランドだと
考える傾向が見られます。

基本的には安売りしない方がブランドにはプラスです。

そのため、売れない場合でも
どんどん値下げするのではなく、
価格の下限は人間が設定するべきでしょう。

そうすると自動で最適に売りさばくAIの機能は
ブランドイメージの維持によって、
そがれることになります。

また、今後起こりうることとしては、
地震など天災が起こった時に
自動販売機のミネラルウォーターや
ホテルの宿泊料金が高騰するようなことも考えられます。

ですから、価格の上限も設けた方が良いでしょうし、
あまり顧客の足元を見るような値付けも
ブランドにはマイナスになるでしょう。

価格が頻繁に上下することで、
顧客からの信頼を失うことや
安くなるまで待つ買い控えが起こる懸念もあります。

バーゲン待ちや、競りや相場に臨むような
消費者が増えるかもしれません。

しかし、ダイナミックプライシングは良い考えだと思います。

試行錯誤をしながら、
良いものになっていくと思いますので、
まずはAIに任せきりにせず、
長期的なブランドの視点も持った人の管理下で、
試してはいかがでしょうか。

ダイナミックプライシングの実例など
詳しく知りたい方は
下のサイトを参照してください。

その価格、決めるのはAI NHK NEWS WEB
https://www3.nhk.or.jp/news/business_tokushu/2018_0411.html

Money Motto! AI(人工知能)で決まる価格、ダイナミックプライシングとは
https://news.hoken-mammoth.jp/dynamicpricing/

今日で仕事納めの方も多いと思います。
本年もありがとうございました。
良い年をお迎えくださいませ。

パンのペリカン人気に驚いた!ペリカンカフェで炭火焼トーストを食べる

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
ゴールデンウイークはいかがお過ごしですか。
先日、浅草の近く、田原町の人気パン店「ペリカン」に行きました。

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映画にもなったパン店で昨年秋に当ブログでもご紹介しました。
(参考)2017年10月20日:映画「74歳のペリカンはパンを売る。」
http://brand-design.seesaa.net/article/454307215.html

開店は朝8時です。
平日の9時に訪問したのですが、もう品切れでした。

田原町ペリカン03.jpg

予約する人が多いようです。
焼きあがったパンがあるかなと、
12時前にもう一度行きましたがダメでした。

パンは買えませんでしたが、
同じ通りの並びを3分くらい歩くと
ペリカンカフェがあります。

ペリカンカフェで朝食を食べました。

ペリカンカフェ04.jpg

写真は私が食べて店を出た後、9時40分くらいです。
朝から並んでいます。

私は9時過ぎに行きましたが並ばずに入れました。

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炭火焼トースト320円、ドリンク付き540円です。
真ん中はジャムです。

トーストは大きくありませんが、
焼きたてでバターがのったトーストは美味しかったです。

中身が詰まっていて、もっちり、淡い甘みがあります。
毎日食べても飽きない味で、
米が好きな日本人好みの食パンです。

昼食の時間帯も並んでいました。
女性からの人気は高いです。ロゴもかわいらしいです。

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ペリカンカフェ06.jpg

次は店で食パンとロールパンを買って家で食べたいです。

2017年をブランドで振り返る

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。

今年のブランドに関する話題として、
インスタグラム、ユーチューバー、品質データ改ざんの
3つ取り上げます。

今年は、写真共有アプリ
インスタグラム(Instagram)の人気が拡大し、
新語・流行語大賞にも「インスタ映え」が選ばれました。

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総務省情報通信政策研究所
「平成28年 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」によると、
インスタグラムの利用者は
10代から30代が多く、女性に人気があります。

全年代の男女では約20%の利用率でしたが、
20代女性では約57%の利用率となっています。

総務省 平成29年度 情報通信白書
SNSがスマホ利用の中心に
http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h29/html/nc111130.html


ハッシュタグを通じて「いいね!」を押す人も多く、
素敵な写真から、企業の商品・サービスを知ってもらう
流れが強まっています。

写真の世界観も含めて、
ブランド構築に適したSNSと言えます。

業種にもよりますが取り組みたいですね。

次に、ユーチューバー(YouTuber)が話題になりました。

ユーチューバーはYouTubeに動画をアップして、
多くの視聴者を集め、動画まわりに掲載される
広告収入を得ている人たちです。

今年は、小中学生のなりたい職業のランキングに
入って話題になりました。

ユーチューバーという「職業」があること、
また、ユーチューバーに憧れていることに
驚いた大人も多かったと思います。

ソニー生命保険のインターネット調査
男子中学生が将来なりたい職業の3位に「YouTuber」
http://www.sonylife.co.jp/company/news/29/nr_170425.html
(女子中学生でも10位にランクインしています)

学研教育総合研究所 小学生白書2016
http://www.gakken.co.jp/kyouikusouken/whitepaper/201609/chapter7/01.html

学研の小学生白書では、
「ユーチューバー」は調査の選択肢にありませんでしたが、
自由記述欄に書いた小学生が0.5%います。
(ちなみに18位の宇宙飛行士が1.3%です。)

UUUM(ウーム)が今年8月に
東証マザーズに上場しました。

UUUMはユーチューバーの制作サポートを行っていますが、
YouTubeから得ているアドセンス収益が
40億円であると開示しています。

企業も人気ユーチューバーとの
タイアップ広告を持ちかけています。

佐々木あさひさんの「sasakiasahi」
「進化がすごい☆髪の水分を調節できるシャンプー!!【梅雨におすすめ】」は
https://www.youtube.com/watch?v=wHLikjkAKsQ
資生堂とのタイアップ動画で、
約半年で8万回の視聴回数です。

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動画ではTSUBAKIのシャンプーの
使用感を話しています。

3年前の動画になりますが、ヒカキンさんの「HikakinTV」
「風呂で氷漬けになってみた!ロッテ爽キャンペーン!」は
視聴回数1500万回に達しています。
https://www.youtube.com/watch?v=oQSoETD63io

これらの動画はテレビCMと異なり、
能動的に視聴されます。

ブランディングの一環として取り組む
中小企業も今後増えていくと思われます。

3つ目は、神戸製鋼、三菱マテリアル、
東レなどの子会社で製品品質データの改ざんがありました。

産業の基盤となる素材産業での
顧客を欺く行為は、日本の製造業の信頼を
損なってしまいました。本当に残念です。

ひとつひとつ良い仕事をして
信頼回復につなげていくしかありません。

最後に、ブランドと直接関係はありませんが、
今年の経済ニュースの一番は
運送業の供給の限界、ヤマト運輸の業務抑制と値上げと思っております。

2017年03月10日:ヤマトの値上げは日本中の物価に影響するかもしれない
http://brand-design.seesaa.net/article/447767705.html

この記事では、ネット通販企業は
送料無料をやめないと思うと書きましたが、
送料を取るネット通販企業も出てきましたね。

消費者の意識を大きく変えるニュースだったと思います。

今年もありがとうございました。
来年が皆様にとって、よい年となりますよう願います。

「ふえピタ」がキッズデザイン賞受賞

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
横浜の企業、アイディア・パークの商品
ふえピタ」がキッズデザイン賞を受賞しました。

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「ふえピタ」はリコーダーの穴を
押さえやすくするシールです。

子どもは手が小さく、指が器用に動きにくいので、
リコーダーの穴を上手に押さえられないことがあります。

「ふえピタ」は、エラストマー
という滑りにくい素材でできていて、
笛穴に合わせて貼ると
指がすべりにくく、音漏れを防いでくれます。

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小学校3年生くらいから
リコーダーの授業があるみたいですが、
練習してもうまく吹けなくて落ち込んでいる
子どもも「ふえピタ」で
吹ける楽しさを感じているようです。

私も実際に「ふえピタ」を手にしましたが、
素材がよく、つくりがよいと感じました。

受賞したキッズデザイン賞は、
子どもに焦点を当てて、「安全・安心」
「感性や創造性」「育てやすい」を実現する
優れた製品やサービスなどを表彰する賞です。

NPOキッズデザイン協議会が主催していますが、
経済産業省、消費者庁、内閣府が後援しており、
最優秀デザインには「内閣総理大臣賞」もある賞です。

「ふえピタ」を発明して商品化したのは、
アイディア・パークの北村ゆかさんです。

起業家として、アイデアがあっても
商品化するのは大変なことです。

製造委託先や販売先も開拓しています。
その熱意と行動力は素晴らしいです。

商品化までかなり苦労されたようです。

ブランドやネーミング、工業デザイン、
リーフレットなどのグラフィックデザインも
よく考え、特許権や商標権を取得して
事業展開されています。

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価格も主婦の目線で
税抜800円と設定したのもよいと思います。

価格を抑えたので、
利益をあげるのは大変ですが、
多くの人に手に取ってほしい
という気持ちからでしょう。

北村さんは人柄もよく、
まわりから好かれる魅力の持ち主です。

見習うことは多いです。
これからますます活躍されると思います。

【神奈川ビジネスUp To Date】ビジネスのヒゲ 2016.4.11放送

小さい企業も個人情報保護法の対象に

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。

個人情報保護法20170530.jpg

5月30日から改正個人情報保護法が施行されます。

保有する個人情報の数が5000以下の事業者も
個人情報保護法の対象となります。

すべての企業が対象に改正されます。

今まで以上に、顧客名簿や
従業員名簿の管理に気をつけましょう。

法律の対象となると
個人情報を取得するときは、
使う目的をできる限り特定して、
相手に伝えることが求められます。

目的外の使用はできません。

目的外の使用をしたい場合は
本人の同意が必要です。

中小企業で起こりがちなケースとしては、
以下のような場合があります。

・イベントやアンケートなどで集めた氏名・住所に
販売目的のダイレクトメールを送るような場合

・商品の配送先の住所として取得した住所に
新商品に関するアンケートを送る場合

このような場合は、個人情報の取得時に、
使う目的を伝えていなければ
違法となる恐れがあります。

個人情報とは、
生存する個人に関する情報であって、
特定の個人を識別することができるものです。

氏名、顔写真、運転免許証番号などが
挙げられます。

生年月日、住所、電話番号、メールアドレスも
特定の個人と識別できるような状況であれば、
保護しなくてはいけません。

個人情報の取り扱いが不適切ですと、
信頼を失い、ブランドが大きく傷つきます。

個人情報が漏洩しないように名簿は
厳重に管理しましょう。

従業員教育が必要です。

個人情報保護法の詳細は、
個人情報保護委員会の
中小企業サポートページを使って学ぶとよいでしょう。
https://www.ppc.go.jp/personal/chusho_support/

また、法律の定めとは別に、
個人情報の削除を求められたときは、
可能な限り対応したいものです。

2015年をブランドで振り返る(2)地理的表示保護制度が施行

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。

「ブランドで2015年を振り返る」の後半は
地理的表示保護制度の話題です。

地理的表示保護制度は6月1日から始まりました。

おおまかに言うと、
地域特性との結びつきが認められる
農林水産物・食品の名前を
保護しようというものです。

例えば、EU(フランス)では、
「カマンベール・ドゥ・ノルマンディー」
としてチーズの名前を登録・保護しています。

日本では、地理的表示法
(特定農林水産物等の名称の保護に関する法律)
として6月から施行されました。

地理的表示(GI: Geographical Indication)とは、
農林水産物・食品等の名称であって、
その名称から当該産品の産地を特定でき、
品質、社会的評価その他の確立した特性が
その産地と結び付いていることを特定できるものです。

地理的表示保護制度は、
地域団体商標と似ていますが、
主な違いとして次のような点が挙げられます。

・不正使用は政府が取り締まる
・生産・加工業者は品質基準を守らなくてはならない
・地理的表示であることを示すGI(ジーアイ)マークをつける
・同制度を持つ他国と相互保護が実現すればその国でも保護される
・地名を含まない名称でも地域との結びつきが特定できれば登録できる

日本のGIマークです。
gimark.jpg

商標権では、権利を侵害された場合に
権利者が差止請求や裁判を起こして、
ブランドを保護しなければいけませんが、
地理的表示保護では政府が保護しますので、
生産・加工者団体の負担は大きく減ります。

一方で、生産・加工者団体は品質の保護が求められます。

また、地理的表示は、すでに100カ国を超える国で
制度が取り入れられていますので、
相互保護の協定もこれから結ばれていくと期待されます。

良い制度だと思います。
これから期待したいです。

しかし、名称の保護はともかく、マークの保護は
商標権での保護が有効となりそうですので、
うまく使い分けたいです。

地理的表示の登録手続は農林水産省へ申請します。

現時点で20件くらい申請されているようですが、
審査中で登録されたものはまだありません。

来週の12月22日に初めての登録が発表されるようです。

制度の詳細は、農林水産省のwebサイトをご覧ください。
http://www.maff.go.jp/j/shokusan/gi_act/index.html

(12月24日追記)
12月22日に農林水産省は
次の7品の地理的表示(GI)を登録したと発表しました。
http://www.maff.go.jp/j/press/shokusan/chizai/151222.html

あおもりカシス、但馬牛、神戸ビーフ、
夕張メロン、八女(やめ)伝統本玉露、
江戸崎かぼちゃ、鹿児島の壺造り黒酢、の7品

事前の予想通り、12月15日に開催された
学識経験者委員会で議論された
7件すべてが登録されました。

知名度ではなく、地域で長年培ってきた品質管理の力が求められそうです。

ソニーの「格安スマホ」はギリギリの選択か?

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。

4月20日からソニーモバイルコミュニケーションズの
スマートフォン「Xperia J1 Compact」が
イオンにて販売されています。

ソニーモバイルコミュニケーションズの3月19日のニュースリリース
http://www.sonymobile.co.jp/company/press/entry/2015/0319_1_xperia_j1-compact.html
イオンの3月19日のニュースリリース
http://www.aeon.info/news/2015_1/pdf/150319R_1.pdf

今年1月に、ソニーが格安スマホ市場に参入する、
という見出しのニュースが流れました。

旧モデルの端末をSIMフリーで販売する
というような内容でした。

ソニーブランドは、
人のやらないことをやる、つねに一歩先んずることを
掲げてきましたから、私は気になっていました。

今回発売された「Xperia J1 Compact」は
webの「週アスPLUS」の記事によると、
2014年夏モデルと同等のスペックのようです。
http://weekly.ascii.jp/elem/000/000/316/316605/

最新とは言えませんが、性能が著しく劣る印象はありません。
また、端末の価格は税抜で54,800円と安くはありません。

データ通信料は確かに安いのですが、それは通信会社の話です。

私が見る限りでは、今回の端末は、
「格安スマホ」の分類の中においては
トップクラスの価格設定、性能のようです。

ソニーもイオンも「格安スマホ」の宣伝文句は避けているようです。

通信費を抑えながら、今までの「格安スマホ」端末よりも
性能の良い端末を発売したと言えるでしょう。

今回の機種に先進性は感じられませんが、その一方で
「旧モデル」「安売り」というイメージは持たれないように
できるだけ意識されたのではないでしょうか。

ソニーの携帯電話事業は業績があまり良くないようです。
持っている経営資源を生かした業績回復のため、
苦しい中でのギリギリの決断だったのかもしれません。

ソニーとしては当然売れてほしいのでしょうが、
売れれば売れるほど、
ソニーブランドには痛しかゆしになるかもしれません。

サブブランドをつける、
Xperiaをオーサーとして別ブランドにする、
などの戦術もあったと私は思いますが、
ソニーの判断がどうなるか見守りたいと思います。

2014年をブランドで振り返る(2)

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
ブランドで2014年を振り返る続編です。

話題の3つ目は「値上げと向き合う」年でした。

消費者物価指数は昨年から上昇しはじめ、
4月には消費税率が8%に引き上げられました。

値上げについて、久しぶりに考えた中小企業も
少なくなかったと思います。

価格の安さで支持されているブランドも変わってきています。

ユニクロやニトリ、吉野家も価格帯を引き上げました。

足下では原油安になっているものの、円安は続いています。
来年も値上げを検討する状況が続くかもしれません。

価格戦略がブランドに与える影響は大きく、
企業の損益に与える影響も大きいので、
慎重な判断が求めらます。

4つ目はスコットランドです。

スコットランドの独立を問う国民投票、
NHK朝の連続テレビ小説「マッサン」でのスコッチウイスキー、
は話題となりました。

当ブログで伊勢丹のショッピングバッグを取り上げます。

昨年秋に伊勢丹がショッピングバッグを一新したことが
話題となりました。

伊勢丹ニュースリリース
http://pdf.irpocket.com/C3099/YWWN/W2Ib/gz0g.pdf

伊勢丹バッグ.jpg

長年親しまれていたタータンチェックの柄を変えたのですが、
良い評価が多いようです。

グッドデザイン賞の応募に際して、
伊勢丹がコメントしている内容や審査委員の評価は、
ブランド・デザインのリニューアルの参考になります。
http://www.g-mark.org/award/describe/41719

今年はイセタンメンズでもリニューアルしました。
http://pdf.irpocket.com/C3099/XN1V/luTq/fssP.pdf

さて、最後にご挨拶を。

今年の私の年明けは、
高倉健さんの映画「八甲田山」を見て始まりました。

当ブログにも新年早々にそのことを書きました。
高倉健さんが亡くなってしまったのは寂しいです。

南極物語、鉄道員もそうでしたが、
厳しい寒さの中で「思い」を感じさせる役が多かった気がします。

私も見習って来年も頑張ります。
今年一年、当ブログにお付き合いいただきありがとうございました。
来年もよろしくお願いいたします。

2013年をブランドで振り返る

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
今年の話題は2つです。

ひとつ目は食品偽装の問題です。

今年もホテルなどでの食事メニューに
誤表記、偽装表示があった問題が大きく取り上げられました。

あらためて論評するまでもなく、許しがたいことです。

私が気になったのは、優良ブランドとして名前が挙がる
東京ディズニーリゾート内のレストランや、
ザ・リッツ・カールトン大阪、ホテルオークラでも
この問題が発生したということです。

誰がどう判断して、偽装表示に至ったのか、
止めようとする者がいなかったのか、
それぞれのケースで異なるとは思いますが、

経営者としては、ブランドを守っていくことの
難しさをを考えなければなりません。

経営陣が自ら偽装を指示したのなら論外ですが、
従業員の誰かが間違った利益追求で行うこともありえます。

ブランドをつくり、守るには、
ブランドアイデンティティ(理念)をつくり、
日頃からスタッフ全員に徹底して浸透させなくてはなりません。

これらの企業では、偽装の発覚によって
お客様の信頼を失ったことでしょう。

それだけではありません。
これらの企業は気付いていなかったのでしょうが、
偽装が発覚する前から、実は大きなものを失っていたのです。

スタッフが仕事に対する誇りを失い、
サービス意欲の低下、会社への帰属意識の低下を招きました。
長年にわたって企業の力を大きく劣化させていたのです。

サービス業にとって、特に重要な従業員満足を
下げてしまったのです。

数字に夢中になりすぎて、一番大切なもののマネジメントが
おろそかになってしまったのでしょうか。

もう一度書きますが、これはブランド構築が
よくできているとされる企業で起こったことです。

徹底したブランドアイデンティティの浸透が
重要であることにあらためて気付かされる年となりました。


もうひとつの話題は、雑誌「広告批評」を創刊した
天野祐吉さんが10月20日に亡くなったことです。

天野さんは私が大好きな批評家、コラムニストでした。

学生時代は朝日新聞の連載コラム「CM天気図」を
毎週読んでいました。

亡くなる直前まで書き続け、
29年も続いた人気連載コラムだったそうです。

朝日新聞デジタルには、山田佳奈さんが、
以下のように書かれています。的確に表現されていると思います。

「軽妙洒脱(しゃだつ)な中にも、
さらりと核心をつくトゲをしのばす語りが特徴だった。」
http://www.asahi.com/articles/TKY201310200289.html

決して、居丈高ではなく、
広告や権力者、マスコミに“こんな考え方はどうだろうか”と
投げかけ続けていました。

粋で人間臭くて、教養がありました。
でも説教臭くない、魅力あふれる方でした。

NHKの追悼番組
「天野祐吉さん 時代に野次(やじ)を飛ばし続けて」
も拝見しました。

天野さんの生い立ちや人生観の源流をたどる場面もありました。

若い時に、わかりやすく短い言葉で野次を飛ばす人を見て、
ご自身も「野次リスト」になろうと思ったそうです。

多面的に見る、人間的に見る、そしてやさしい言葉で伝えていく、
どんどん流されて進んでいきがちな私達に、
常に立ち止まって物事を考えさせてくれました。

希望や愛情、深い洞察なしには書けない批評ばかりでした。

当ブログでもコラムを一部引用させていただいたことがありました。
http://brand-design.seesaa.net/article/126353097.html

天野さんの最後の著書「成長から成熟へ さよなら経済大国
(集英社新書)も読みました。
http://www.amazon.co.jp/dp/4087207137

成長から成熟へ.jpg

私の好きな映画、チャップリンの「モダンタイムス」の
ワンシーンと思われる写真も載っています。

モダンタイムス.jpg

同書の「おわりに」には、こう書いてあります。

日本は一位とか二位とかを争う野暮な国じゃなくていい。
「別品」の国でありたいと思うのです。

天野さん自身が別品の生き方を体現されていらっしゃったように思います。

経営コンサルタントとして、耳の痛いこともありましたが、
もうお叱りを受けられないことを悲しんでいるのは
私だけではないでしょう。

12月20日には朝日新聞出版から
天野祐吉のCM天気図 傑作選―経済大国から「別品」の国へ
も発売されたようです。
http://www.amazon.co.jp/dp/4022511540

CM天気図も読み直して、胸に刻み、
いい社会を作れるようバトンを受け継いでいきます。

企業は何のためにあるのか、うちのブランドは何のためにあるのか、
自問自答するのに生活者や文化の視点は大切です。

広告を見つめ続けた天野さんの言葉は、格好の教科書になります。


読者の皆様に支えられて、今年一年も執筆を続けられました。
ありがとうございました。
来年もお付き合いのほど、よろしくお願いいたします。

ブランド拡張するスターバックス

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
スターバックスがコーヒー以外の分野を強化しています。

フラペチーノ(細かい氷の飲料)が好調で
スターバックスコーヒージャパンの業績も
過去最高になりそうです。

フラペチーノも夏に人気の飲料ですが、
今夏は「スターバックスリフレッシャーズ」という
飲料も発売されました。
同社のプレスリリース

「スターバックスリフレッシャーズ」は、
グリーンコーヒー(生豆)のカフェインと果実が入った飲料です。

ライムとオレンジの2種類があります。
写真はオレンジです。

リフレッシャーズ.jpg

夏季限定ということでしたが、今月も買えました。
なくなり次第、終了するのでしょう。

先週までは暑かったので、ちょうど良かったです。

たくさん売れている感じではなく、
店員さんもすこし不慣れそうでしたし、
店内で飲んでいる人も見かけませんでした。

さわやかな味と香りで元気も出ました。
来年も発売されたら、また飲みたいです。

このようにスターバックスは、売上や顧客の拡大にむけて、
コーヒー以外の分野を強化しています。

「スターバックス」ブランドをコーヒー以外の分野でも
使うことを「ブランド拡張」と言います。

店や店員、飲料を通じて人々にくつろぎ、安らぎを
提供する思いは変えずに、
ブランドの対象を拡大させています。

すべてを変えるのではなく、変えないポイントが
あることはブランド拡張の絶対条件です。

コーヒーとの結びつきは弱くなりますが、
新たな顧客開拓や商品ラインナップの拡大が
進みやすくなります。

その一環として、2011年からロゴも変えています。

スターバックス.jpgスターバックス2.jpg

商標登録4806987と商願2013―23186

左が旧のロゴ、右が新しいロゴです。
「STARBUCKS COFFEE」の文字がなくなり、
人魚だけになっています。

アメリカでもサンドイッチなどの食品分野を強化するそうです。

スターバックスのブランド拡張がどのような結果となるか、
スターバックスがどのようにブランドマネジメントを行うか、
今後も注目していきたいです。

修理やアフターサービスでブランド力を強化しよう

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
3月は暖かい日が続きますね。
16日には東京の桜が観測史上最も早く開花しました。

ブランドの強さを表すものにブランドロイヤリティがあります。

ロイヤリティは愛着や忠誠などと訳されます。
ブランドロイヤリティが高いとは、
ブランドに対する熱烈なファンが多いことを意味します。

顧客にブランドを愛してもらうには、
修理やアフターサービスに力を入れたいものです。

修理やアフターサービスをしっかり行うことは、
企業が顧客だけでなく、
その商品も愛していることを示します。

顧客も気に入った商品を使うことで、
愛着が増していきます。

例として、リーガルの靴の修理をご紹介します。
修理に力を入れている企業です。

私も数年履いて、すり減った靴底と
スベリ(かかとの内側)などを修理に出しました。

買ったお店で修理をお願いしたのですが、
とても気持ちよく対応していただき、
2週間あまりで戻ってきました。

REGAL.jpg

想像以上にピカピカになって帰ってきました。
新品を買うよりもずっと安く、とても満足しています。

ちなみに修理の価格例は以下のリンクをご参照ください。
http://www.regalshoes.jp/service/repair/regalrepair_price.pdf

大量生産・大量消費からの転換が言われて久しいですし、
販売して終わりではなく、
顧客との関係性マーケティングを重視する観点でも、
アフターサービスの重要性は高まっています。

建設機械のコマツのようにアフターサービスも
大きな収益の柱にしている企業もあります。

ブランディングとして、ビジネスモデルとして、
修理・アフターサービスへの積極的な取り組みを検討しましょう。

小規模企業の非常持ち出し袋は何を入れたらよいか?

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
今日は東日本大震災から2年です。

被災された方、企業、復興に向けて
懸命に努力されている方に、
あらためて私も思いをいたしております。

昨年は事業継続計画(BCP)について
お話しする機会が多くありました。

BCPについては以前のブログ記事をご覧ください。

事業継続計画(BCP)と防災計画の違い
http://brand-design.seesaa.net/article/256551145.html

事業継続計画を考えた企業も少なくないと思いますが、
計画を立てて終わりではなく、計画の見直しや、
準備の実行も少しずつしなくてはいけません。

手近なところでは、備品の転倒防止や
データのバックアップ、
非常用持ち出し袋の準備が挙げられます。

私は外出が多く、自宅・事務所にいる時間は少ないですが、
まずは第一歩と考えて用意しています。

お粗末ですが、私が用意した非常用持ち出し袋も
お見せします。

非常用持ち出し袋.jpg

非常用トイレやレインコート、サランラップ、
マスクやウェットティッシュなども
役に立ちそうなので入れています。

大型の家電量販店や東急ハンズ、ホームセンター、
100円ショップなどで買い揃えています。

携帯電話が充電できて、ラジオも受信できる発電式懐中電灯など、
優れた商品が今は多いです。

写真はアイリスオーヤマの「手回し充電ラジオライトJTL-23」です。

手回し充電ラジオライト.jpg

以前、グッドデザインプレゼンテーションで目に留まった
タタメット防災ずきんも買っています。

タタメットズキン.jpg

グッドデザインプレゼンテーション2007
http://brand-design.seesaa.net/article/52723771.html
タタメットずきん
http://yellow-inc.com/prod_tatazukin.html

小規模な企業の非常用持ち出し袋の中身は、
一般家庭とあまり変わりません。

政府広報オンラインや消防庁のwebサイトの内容を
基本に考えるとよいでしょう。

政府広報オンライン
http://www.gov-online.go.jp/useful/article/201108/6.html
消防庁
http://www.fdma.go.jp/html/life/sack.html

これに社員や取引先のアドレス帳があれば、
持ち出し袋としては十分だと思います。

逆に企業の印鑑や通帳を袋に入れるのは、
やめた方がよいでしょう。

過去の例でも、手形決済や銀行取引なども、
大災害では多少遅れても柔軟に対応してくれていますので、
業務面や防犯を考えると、
持ち出し袋に入れるデメリットの方が大きいでしょう。

あとは、持ち出し袋に入れるものとは別に、
帰宅困難に備えて、水、食料、防寒品、
非常用トイレを多めに用意すればよいと考えます。

中小企業の防災グッズでは、
コクヨのwebサイトも参考になります。
http://www.kokuyo-st.co.jp/solution/bousai/bousai-tatsujin/index.html

私も用意したものの、いざというときに
ちゃんと動けるよう、防災訓練への
参加もしなくてはいけないと思っています。

2012年をブランドで振り返る

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
今年のブランドに関する話題を4つ取り上げます。

ひとつ目は、日本ブランドのステータスと商品力です。

今年は、オバマ大統領が再選しましたが、
フランス、ギリシャ、日本、韓国で政権が代わり、
中国でも指導者が代わりました。

経済、財政、為替、竹島や尖閣諸島をめぐる問題も、
これらの政権交代の影響を大きく受けました。

尖閣諸島をめぐる中国での破壊・略奪行為は、たいへん遺憾でした。
日本企業の店舗や工場、日本車などが破壊されました。

日本車の売上も一時期半減してしまいました。

自動車は人の目につくものだけに、ステータスを表す要素が
ありますが、これが裏目になってしまった印象があります。

一方で、哺乳瓶など育児用品を扱うピジョンは、
反日機運の高まりの影響は軽微であると会社は説明しています。

ユニチャームも不買運動はないそうです。

これらの商品は、高品質が評価されていることに加えて、
外から目につかないものであることも
影響を小さくした要因と思われます。

イメージは購買への意思決定に対する影響が大きく、
追い風でも向かい風でも強いものです。

イメージ戦略の実行は大切ですが、基礎となる
商品力をしっかり充実させていくことがやはり大切です。


二点目は、中小企業のブランドも、
好むと好まざるとにかかわらず、日本ブランドを背負っていることです。

企業は政治とは別にそれぞれ意思決定をして活動しています。

しかし、その企業活動は外国人から見た日本という国家への
イメージの影響を受けます。決して無関係ではいられません。

国家ほど影響は大きくありませんが、他の日本企業の活動も
自社に影響を与えます。

日本が高品質な商品・サービスのイメージを獲得しているのは、
日本企業の努力の積み重ねのおかげでもあります。

中国でたくましく事業を続ける企業を見ながら、
あらためてそのようなことを感じた年になりました。

海外展開をする日本の中小企業は、日本や日本企業の良い
イメージを活かしつつ、自分たちが日本を、日本ブランドを、
背負っていることも認識した方がよいでしょう。

良いビジネスを積み重ねていきたいものです。


三点目として、今年の印象深い言葉として
「われわれは本業で負け組になっていると言わざるを得ない」
というパナソニックの津賀一宏社長の発言がありました。

他の日本企業が勝ち組なら、まだよいのですが、
日本ブランド全体を考えると、デジタル家電メーカーの状況は深刻です。

発言への賛否もさまざまありましたが、
これからの巻き返しに期待するしかありません。


最後は、金子哲雄さんが亡くなってしまったことです。

流通ジャーナリストの肩書きで活動されていましたが、
金子さんも中小企業診断士でした。

ご病気だとも思わず、たまたま今年の企業診断5月号の特集
「セルフブランディングが診断士を変える!」で、
私は金子哲雄さんの名前を挙げて、セルフブランディングを
を解説していました。

最前線で活躍され、これからの活動も楽しみでした。
若くして亡くなられた事は本当に残念でなりません。

最後の著書「僕の死に方」も読みました。
最後の最後まで人を喜ばせようとする気持ちが
にじみ出ている一冊です。

僕の死に方.jpg

残された者として、生かされている者として、
日本経済、世界経済、人々の暮らしのために、
頑張らなくてはならないと思いました。

本年も当ブログをご覧いただき誠にありがとうございました。
明年もよろしくお願いいたします。

地域と伝統と革新が融合する「茶房一笑」

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。

今日も金沢のお店「茶房一笑(さぼういっしょう)」をご紹介します。
ひがし茶屋街にある旧茶屋「舟橋屋」の外観を残した喫茶店です。

茶房一笑.jpg

丸八製茶場が運営しています。
プロが丁寧に日本茶をお茶をいれてくれます。

緩すぎず、堅すぎない適度な空気が店にあり、
落ち着きと品のある調度品や茶器もよい空間を作っています。

茶房一笑3.jpg

歴史・伝統に、少し現代を取り入れるバランスが
秀逸だからこそ、この雰囲気が生まれます。

加賀棒茶という茎のほうじ茶が味わえます。
豊かな香ばしさがあって、さわやかなお茶です。

茶房一笑2.jpg

和菓子とのセットを注文したのですが、
さまざまな種類のお茶を楽しむことができました。
水だしの棒茶も美味しかったです。

茶房一笑4.jpg

1階には物販のコーナーや箱庭があり、
2階にはギャラリーがあります。

茶房一笑5.jpg
茶房一笑6.jpg

茶房一笑は地域と伝統と革新が見事に融合しています。
そのさじ加減や世界観の表現は参考になると思います。

LE MUSEE DE H KANAZAWAの“おもてなし”と“たたずまい”

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
石川県金沢市で目にとまったものをご紹介します。

金沢21世紀美術館の他にも参考になる
素晴らしい場所がたくさんあります。

今日は「ル ミュゼ ドゥ アッシュ KANAZAWA」を紹介します。
石川県美術館内にあるパティシエの辻口博啓さんのお店です。

ルミュゼドゥアッシュKANAZAW.jpg

普通に持ち帰りや喫茶コーナーもあるのですが、
「コンセプトG」というコースもあります。

このコースは最大5人までの茶室でお菓子とお茶がいただけます。
http://www.kagaya.co.jp/le_musee_de_h/contents/kanazawaConcept.html

モダンで洋風な茶室です。

lemuzeedeh.jpg

1時間弱で3000円のコースを私一人でいただくのは、
かなり気恥ずかしいので、1000円のコンセプトG(銀)という
小さめのコースをいただきました。

コンセプトG銀.jpg

コンセプトG(銀)も茶室でいただくことに変わりません。
入口でオーダーすると茶室の準備で少々待ちました。

準備が整ったところで茶室に通され、
2種類のお茶を入れていただき、スイーツもいただきました。

茶室ですから、もてなしてくださる店員さんがいて、
金沢に関するいろいろ興味深い話を聞けました。

MoMAも設計した谷口吉生さんが手がけた鈴木大拙館が
近くにオープンしたことなども教えてもらいました。

鈴木大拙館については当ブログでも後日ご紹介します。

美人店員で接客も素晴らしく、楽しいひとときを過ごせました。
もちろんお茶もお菓子もおいしかったです。

美術館内にあり店内も美しいのですが、審美面だけでなく、
“おもてなし”の面も優れていました。

美術館という立地環境や有名パティシエの看板に寄りかかって
いるのではなく、お店が持つ“想い”を強く感じました。

表層的にブランドやデザインのテクニックを
入れているのではありません。やはり“想い”ですね。

経営視点でも参考になる点が多いお店です。

地域グルメの2つのタイプ「ほうとう」と「甲府鳥もつ煮」

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
先週に続いて、山梨県の地域グルメの話題です。

甲府駅前の小作のほうとうです。

ほうとう.jpg

鍋が熱く、ぐつぐつ煮えた状態で出てきます。
かぼちゃをはじめ野菜がたっぷりで、おなかいっぱいになります。

ほうとうは昔、お米を食べることが難しかった
山梨の人たちの御馳走なんだそうです。

山の幸が豊富で山間部の寒い気候が生んだ郷土料理ですね。
地域が長い時間をかけて育んでいます。

私はほうとうが好きです。山梨に行くとよく食べます。

もうひとつご紹介するのが、甲府鳥もつ煮です。
2010年のB-1グランプリで優勝して、一躍有名になりました。

甲府鳥もつ煮.jpg

甲府駅前の奥藤本店でいただきました。
こちらのお店で始めたようです。

甘辛くて、見た目はきんかんの彩りがきいています。
きんかんは卵です。かんきつ類のきんかんではありません。

酒のつまみにぴったりです。
串に刺してある焼き鳥よりも好きです。

こちらは昭和になってからできた料理です。
努力して広めてきたグルメです。

B-1グランプリで優勝してからは観光客も増えたようです。

しかし、その人気に便乗した料理も出回って、
お客様を戸惑わせるケースもあるようです。

そのため「みなさまの縁をとりもつ隊」では
調理方法などの基準を作り、その基準をクリアした
認定店制度やのぼり旗を作っています。

以上、地域グルメ、地域ブランドの2つの大きな流れをご紹介しました。

ブランドではストーリーや差別化などがキーワードになるのですが、
このように風土や文化がつくった料理というのは強い魅力を持ち、
これからも愛され続けるでしょう。

事業継続計画(BCP)と防災計画の違い

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
東日本大震災から1年が経とうとしています。

今を生かされている身として、震災から学び、
よりよい社会にしていく義務があると思っています。

診断士としては、この1年で
事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)
に関する話題をよく耳にました。

ブランドの存続のみならず、危機への対応はブランドに
大きく影響するためBCPは重要です。

BCPには大きく2つの機能があります。

災害などの危機へ備える「防災」としての機能と、
災害などにあってしまっても
「中核的な事業を早期に復旧・継続」させる機能です。

さまざまな事業から早期に復旧させるべき事業の優先順位を決め、
そのための対策をあらかじめ考えて、打っておくことが
BCPと単なる防災計画との違いです。

ところが、BCPを策定しても東日本大震災のような大災害に
あってはどうしようもないではないか、
という経営者の声も実際に聞きます。

確かに、町全体があれほどの被害を受けてしまうと、
早期復旧は極めて困難です。

しかし、例えば震度5強や6の地震を受けて、
周りの企業は早期に通常営業しているのに、
自社だけ営業再開できない事態はどうでしょうか。

このときに顧客はどう思うでしょうか。

東日本大震災でも、東京や横浜の一部地域で液状化現象や
建物損壊が見られました。停電や交通麻痺も起きました。

東京や神奈川の企業の多くは、早期に営業再開できましたが、
あなたの会社だけ再開できないことを考えると、
信頼を大きく損なう恐れがあります。

もちろん大災害にあったとしても、BCPを考えておけば、
そのまま使えなかったとしても方針を立てる時に応用できます。
ゼロからいろいろ考えるのとは違うのです。

BCPは地震だけではありません。火災や水害、感染症など
あらゆるリスクを考えなくてはなりません。

計画策定の努力はそれなりに必要ですが、
従業員を守り、顧客を守り、自社を守るために
ぜひ考えていただきたいです。

中小企業庁のBCP策定のヒントは、中小企業向けに分かりやすく
BCP策定の考え方を教えてくれる冊子ですのでお勧めです。

中小企業庁 BCP策定のヒント
http://www.chusho.meti.go.jp/bcp/guidebook/hint.html

2011年をブランドで振り返る

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
2011年をブランドで振り返ります。話題は四つです。

なんといってもまずは東日本大震災と原発事故です。

震災と原発事故が、BCP(事業継続計画)など
災害に強い企業体制が構築されているかどうか、
本当にブランドアイデンティティが社内に浸透しているかどうか、
隠れていた企業のブランド力を浮き彫りにしました。

当日をはじめ、危機時の行動がブランドに影響を与えました。

マニュアルを超えられなかった企業や、
大きなひんしゅくを買った企業があった一方で、
感謝、感動を人々に与えた対応をした企業もありました。

また、強いサプライチェーンを持っているか否か、
製品・サービスの提供力も問われました。

放射線に対する商品の安全確認にも追われました。

食の安全、安心は以前から問われていますが、
今年は日本中のあらゆる商品の安全、安心が問われました。

次に「なでしこジャパン」です。

W杯優勝の活躍は言うまでもありませんが、
優勝後の忙しい中でも、日本女子サッカーのために
マスコミやファンを大切にしつづけた選手の皆さんは、
本当に素晴らしいと思います。

休みたかったと思いますが、メディアに出続けていました。
特に主将の澤穂希選手には次代を切り拓く思いを感じました。

三つ目はFacebook(フェイスブック)です。

既存顧客との関係を強くでき、クチコミツールにもなりうる
フェイスブックを活用しようと、中小企業もフェイスブックページ
を作成するなど、試行錯誤した一年だったと思います。

四つ目はグリーとDeNA(モバゲー)です。

携帯電話向けのゲームを手がけている両社ですが、
広告出稿は大量でしたし、株式売買代金や横浜ベイスターズの
買収などでも話題になりました。

両社がどのようなブランドとしてキャラクター色を帯びていくか、
来年も注目していきたいです。

一年間、当ブログにお付き合いいただき、ありがとうございました。
よいお年を迎えくださいませ。