グッドデザインプレゼンテーション2007

グッドデザインプレゼンテーション2007が開催されています。

私は本日、昨年に続き2度目の訪問をしました。

グッドデザインプレゼンテーション2007.jpg

このグッドデザインプレゼンテーションは、
日本産業デザイン振興会が主催しており、
グッドデザイン賞の2次審査の対象となっている
商品1200社、2500点の展示会です。

GDP2007会場.JPG
     多くの人が来場しています。

東京ビッグサイトで行われており、会場はとても広く、
すべてをじっくり見られないのですが、商品を一通り見ました。


日用品から建設機械、住宅、WEBサイトまで
あらゆるデザインがあります。

デザイナー、商品開発担当者、バイヤーは必見です。
一般の方も入場できます。


その中で、私の目を引いたのは、
あっという間に防災用ヘルメットになる、こちらの商品でした。

タタメット.JPG

「タタメット」という名前の商品で、
普段は折りたたんでいて収納しているのですが、
必要な時には、1秒で組み立てられ、繰り返し使えます。

デザイン・構造の良さが光っている商品です。


開催は8月24日~26日、つまり明日までですが、
見に行かれることをお勧めします!


(参考)
グッドデザイン賞のページ
グッドデザイン賞主催者公式ウェブログ


目次(0026~0040)

今日は目次をお届けします。

当初は、25号単位の目次を考えていたのですが、

このブログが1ページに20までの記事掲載という仕組みなので、
20号単位で目次をこれから作ることにしました。

そのため今回は、26~40号という変則的な目次です。


2007年6月28日~2007年8月23日分

記事ナンバーとタイトル


40 目次(0026~0040)


 39と28、29は、立体商標に関する記事です。

39 立体商標を認める判決(2)

 36~38は、ロゴの記事です。

38 ロゴの効果
37 ロゴは安ければいい?
36 安くロゴをつくる方法

35 LG電子のデザイン優先経営
34 映画「選挙」


 31~33は、CIと中西元男さんの本の紹介です。

33 CI創りとロゴマーク
32 CI(コーポレート・アイデンティティ)
31 創る魅せる超える

30 知的財産権の存続期間
29 意匠だけではなく立体商標も考える
28 立体商標を認める判決
27 JAPANブランドエキジビジョン
26 商標登録更新料を引き下げへ

25 目次(0001~0025)


興味のある記事がありましたら、読んでくださいね。

立体商標を認める判決(2)

今日は、以前このブログで取り上げた
懐中電灯「ミニマグライト」の立体商標が知的財産高裁の判決で
認められたというニュースに関連した雑誌記事の紹介です。

(このブログの以前の記事)
2007年7月4日「立体商標を認める判決」
2007年7月7日「意匠だけではなく立体商標も考える」


7月24日に発売された雑誌「NIKKEI DESIGN」8月号の
112ページに「弁理士・渡邉知子の知財ショートセミナー」
というコーナーがあり、解説が載っています。


記事では、商品の形状について広告が行われていたことに
着目し、裁判所に評価されたポイントのひとつとして
解説しています。

詳細は、ここでは紹介できませんので、
「NIKKEI DESIGN」をご覧になってください。

独創的なデザインで他のものと識別可能というだけでは、
立体商標登録は難しいようです。

ロゴの効果

今日はロゴの意義、ロゴの効果をお話します。

ロゴの効果、メリットとして以下の点が挙げられるでしょう。


ロゴは、あるだけで一般的に人に格式がある企業という印象
をもたせることができます。

「この企業はしっかりしていて、
それなりの企業規模はあるのではないか」
というようなイメージを潜在的に与えられます。

中小企業にとって、営業面で意外と大きなメリットです。



ロゴをホームページの上に置くと、WEBサイトの
レイアウトデザインとしても美しく、また、トップページへの
リンクとして使えます。

ロゴのトップページリンクは、サイト内のページからトップページ
に戻るときに、よく使われています。

(サイト使用例)
「goo」   http://www.goo.ne.jp/
「biglobe」 http://www.biglobe.ne.jp/



ロゴから発せられるイメージ、理念、考えなどが、
社内の事業活動や、外部(顧客、取引先、地域・・)の方がもつ
自社へのイメージ形成に影響を与えます。

また、ロゴから経営に対する意志を
感じとってもらうこともできます。

ロゴマークには意味があることがほとんどです。
意味が企業の内外に、よく伝わる方が好ましいでしょう。

(ロゴの意味の例)
コニカミノルタ
http://konicaminolta.jp/about/corporate/symbol_logo.html
ニフティ
http://www.nifty.co.jp/service/logo.htm


イメージ形成には、さまざまな方法が採られますが、
ロゴタイプ、マーク、図形からの情報というのは、
文章などに比べて、はるかに伝わりやすいのです。

形の方が、短時間で、感覚的に、遠くから見ても伝わるのです。
人間の視覚に強く訴えることができます。

これは、道路にある交通標識などを思い出していただければ、
ご理解いただけるのではないでしょうか。

CI、VIについては、以前ご説明しましたが、
CI、VIを行うのにロゴの力は大きいです。
(参考)CI、VIの解説記事



ここまでロゴの効果についてお話しました。

結論です。

ロゴは、あるだけでも、
(特に中小企業にとっては)価値があります。

そして、ロゴから発せられるイメージが、
企業の内外に伝わっていくことを考えると、
やはり自社にふさわしい、
よく考えられたロゴマーク、ロゴタイプが欲しいところです。

だから「ロゴは安く作れればよい」のではないのです。

ブランド戦略、イメージ戦略として、
ロゴデザインに適切な投資をしましょう。

個々の企業において、
いくら投資すべきか、どう投資すべきかは、経営の専門家である
中小企業診断士に相談することをお勧めします。


ロゴは安ければいい?

今日はロゴマーク、ロゴタイプへの投資の考え方についてです。

前回、私はロゴマークを安く作りさえすればよいという
コスト的な考えには賛成できない、と書きました。


安いロゴは、期待できる効果にも、
限界があると考えているからです。

これはもちろん、お金をかければ必ず効果が高い
ということではありませんので、誤解しないでください。

また、安いロゴには効果も限られるというのは、
あくまでも傾向としての一般論であり、
安くても優れているロゴや、
良心価格のデザイン事務所も存在すると思います。

費用対効果が優れていることは良いことですから、
「安いイコール悪い」わけではありません。


ただ、ロゴを安く作れるということは、それなりの理由があるのが
普通で、次のようなことが考えられます。


・デザイナーの実績が少ない
・インターネットだけの受注・制作体制である
・すでにあるロゴデザインを選ばせ、そのバリエーションで作る


言い換えると、優れた実績をもつデザイナーが、
自社を訪問して、よく話を聴いた上で、
ゼロから作ってくれるのは、
安くしようとすると難しいということです。

以前に解説したとおり、ロゴは、VI、CIの構築に
重要な役割を担っていることを考えると、
上記の状況は、決して好ましくないと思うのです。

(参考)以前の記事
2007年7月16日「CI(コーポレート・アイデンティティ)」
2007年7月22日「CI創りとロゴマーク」



本来ならデザインへの投資は、情報システムへの投資と同様、
適切に行うのが理想です。
ロゴへの金額が数万円というのは少ないと思います。

しかし、他に資金を投資すべき状況で、
ロゴに多くの資金を振り向けるのは間違っています。


企業の状況に比べて、安すぎてもダメ、高すぎてもダメ、なのです。

デザインについて、デザイナーの力を借りるのはよいですが、
ロゴへの投資についても、デザイナー任せではいけません。
経営として考えるべきことです。



私が大切だと考えるのは、
ロゴの意義を知っていることや、
ロゴの発注の仕方を間違えないこと、
そして、企業の状況に合わせた投資の仕方です。


それではなぜ、前回、ロゴマークを安く作る話をしたかというと、
数十万、百万円以上かかるというと、それだけで興味をなくしてしまう中小企業の経営者も多いと思ったからです。

数万円のロゴマークにも、しっかり価値はあります。
企業規模が小さければ、価格を抑えることにウエイトを
置いた方が適切な場合もあります。

やはり、ロゴへの費用と効果、両方を知らなくていけません。

その効果にあたるロゴの意義については、次回書きます。


安くロゴをつくる方法

夏らしい日が続いていますね。

今日は、以前に約束したロゴマークを安く作る話です。

一般的に、ロゴマークはグラフィックデザイナーに
作ってもらうことが多いです。


この価格も、仕事の内容やデザイナーによって
大きな違いがありますが、

安いところでは数万円
普通のデザイン事務所15~30万円
CI展開のコンサルティングも含むと100万円以上

というような状況だと思います。


価格の安さを求めるなら、
インターネットで「ロゴ」と検索し、
検索連動型の広告や、検索結果上位の企業を見るのが
一番でしょう。

安さで数多く受注している企業が多いです。



そしてまず、ロゴマークを作る前に、
ロゴマークへのストーリー性や、自社の経営理念、事業分野、
他社との違い、顧客へ訴えたいことなどを考えておきましょう。



安くて気に入ったロゴを作ってもらうための
注文のポイントは以下のとおりです。


作成者がイメージを持てるよう、
2~3つの実際のロゴマークを

サンプルもしくは他社のマークから提示する。

提示するものの中でも1位、2位、3位と順位付けをしておくと、
望むイメージにより近づいたものになるかもしれません。



ロゴに持たせたいイメージを表す言葉を2~3つ提示する。
(例えば、親しみやすい、若い、落ち着いた・・など。)

正反対の概念を提示しないように注意しましょう。
例えば「伝統がある」と「若々しい」など。
イメージがまとめにくくなります。

実は、この言葉選びが結構難しいのです。

まずたくさんの言葉を集めなくてはいけません。
そこから自社に合う言葉を選んでいきます。
コンサルタントなどの力を借りるのもひとつでしょう。



ロゴマークを依頼せず、
ロゴタイプ
(社名などを字体などを装飾したもの)だけにする。

一般的に、ロゴマークだけでは会社名がわからないことも多く、
ロゴタイプも併せて頼むことになりますが、
ロゴタイプだけの企業は、それだけ済ませることも可能だからです。



イメージの元になるロゴマークや言葉は、多く提示しすぎると、
かえって、うまく作れなくなりますので、注意が必要です。


また、安く作るところでは、ロゴのイメージを1つ選ばせて
Webサイトの申込フォームにより注文を受けるものも多いです。

その場合は、2~3つの実際のロゴのイメージを
提示するのは難しい場合もあるでしょう。

このあたりを押さえれば、価格を抑えても
ロゴデザインを依頼することはできると思います。


しかし、私はロゴマークを安く作りさえすればよいという
コスト的な考えには賛成できません。

可能であれば、ロゴへ適切な投資をした方がよいと考えています。

この理由については、また次回にします。


LG電子のデザイン優先経営

こんにちは。夏本番ですね。

今日は、7月23日(月)にNHKで放送された
「NHKスペシャル デザインウォーズ ケータイ開発の舞台裏」
の感想です。

番組では、LG電子やNEC、ソニー・エリクソンの
携帯電話の開発現場の様子が放送されていました。


携帯電話は、機能面での競争から、
次のような要素にウエイトを置いた競争に変わりつつある
という印象を持ちました。

見た目の美しさ
使い心地の良さ
身に着けるものとしての美しさ
持つ人に新しさを与える刺激的なしかけ

これらの競争ポイントは、
アクセサリーや時計、メガネなどにも
通じるものがあるように思います。


LG電子は韓国の電気メーカーですが、世界中でヒットした
携帯電話の機種「チョコレートフォン」の日本発売への
舞台裏も放送されていました。

携帯電話は世界中で開発され、販売されているものですが、
やはり国ごとに好まれるものが異なるため、
モデルの修正を行っていることが、紹介されています。

例えば日本では、他の国に比べ、
携帯電話のメールがよく使われ、かつメールの文章も長いようです。

そのため、携帯電話のボタンは、
文字を大きく、見やすく、打ちやすく作られています。


LG電子の開発現場を見て、印象に残った点が3点ありました。


1点目は、デザイン優先経営を標榜し、
開発におけるすべての要素をデザインに合わせています。

これは、機能を下げてもデザインを優先するということです。
できそうでいて、なかなかできないことです。

2点目は、担当者が話した「スピードのLG電子」という言葉です。
やはり今のビジネスではスピード感覚が、
絶対的に求められていることを感じました。
そしてそれをキャッチフレーズのように使っています。


3点目は、学生からのデザイン提案を集めたものを、単なる
アイデアのひとつとせず、消費者のニーズとしても受け止めて、
取り入れていこうとする点です。


私は、デザイン開発において重要なことを再確認でき、
学ぶものも多くありました。

またこれらは、中小企業でも実行可能だと思いましたが、
みなさまはいかがお考えでしょうか?