10月20日に放送されたNHKの「課外授業ようこそ先輩」に
深澤直人さんが登場していました。
今日の話題は、番組の中で取り上げられた
デザインという行為、プロセスについてです。
この番組は、社会の第一線で活躍している方が、
ご自身の母校の小学校に行き、自分の仕事のエッセンスを
子供に体験させ、伝える課外授業の番組です。
工業デザイナーが行っていることを、
小学生に体験してもらい、そのプロセスから
ものごとを学んでもらっていました。
深澤さんは、子供たちに「人が考えずにやってしまうこと」を
探す課題を出しました。
深澤さんは、例として、傘たてがない玄関で、
傘の先端をタイルの目地に合わせて、
傘を少しでも安定させて立てておこうとする
ことを挙げました。
人がなにげなく行ってしまうことを観察し、
その行為からデザインを生み出していくのです。
玄関に一本溝を掘ってあるデザインがそこから生まれました。
子供たちは、学校や街の中を観察して、
「考えずにやってしまうこと」を集めてきます。
そして、その行為のネタから、
使う人が幸せになれるデザインアイデアを考えてくるのです。
子供たちのアイデアも素晴らしいものでした。
玄関脇の下駄箱上に無造作に置かれる鍵を見て、
鍵に花の形のキーホルダーをつけ、
その花の形のチップが、たくさん置いてある
小型のプランターのようなデザインをした小物入れ(鍵入れ)
なんてデザインアイデアもあり、素敵でした。
家から帰ってきて、小物入れに鍵をポンと置く。
すると花に中に鍵がまぎれて、心も和みますよね。
キーホルダーとしてもおしゃれです。
子供たちも立派でしたが、
デザインは、使う人の行為を観察すること、
そして、使う人を幸せにすること、というポイントを
わかりやすく教えてくれる深澤さん、お見事でした。