隣りのクルマが大きく見えます

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
逗子海岸は26日(金)に海開きしました。夏ですね。

今日は自動車の話題です。

6月1日にゼネラル・モーターズ(GM)が
アメリカ連邦破産法第11条を申請しました。

一昨年まで77年連続、自動車の販売台数世界一だった
とされるGMの経営破たんは、
ブランド、デザインの失敗というより経営の失敗でしょう。

トヨタよりも販売が多いときから債務超過でした。

需要の伸び悩みに立ち向かって懸命な努力をしている
中小企業の経営を支援する者として、
GMはどんな経営をしていたのかと呆れます。

私はGMの経営の失敗の主な原因は、
組織管理やコスト管理の失敗だと思います。

しかし、トレンドに合った車を
作れなかったことも原因とも言われています。

現在のトレンドは、速くパワーのある車から燃費の良い車へ、
大型車から小型車へ、と変わっています。

燃費性能で劣り、大型で豪華で高価格な車と思われた
GMの車販売は伸び悩みました。

経営再建にあたっては、組織やコスト管理について
抜本的に改革するとともに、燃費性能や環境に配慮した
車作りに励むことも求められるでしょう。

一方、三菱自動車は6月5日に電気自動車「i-MiEV」
(アイミーブ)を7月下旬から販売すると発表しました。

環境やエネルギー効率が求められる時代の中で、
ハイブリッドとは別の提案を出しました。

デザインは外観の美しさを求めるだけものではありません。

デザインには、顧客が求める品質、機能、
便益や精神的満足と、それらに見合う価格を両立させる
商品コンセプト設計の要素があります。

技術的に優れたものを作ることより、
この商品コンセプトのデザイン力の方が
ビジネスでは重要だと私は考えています。

トヨタのプリウスやiQ、
ホンダのインサイト、フィットのデザインを見ると、

燃費や車内の居住性の追求や、
車体の大きさそのものを小さくし、価格も抑えて、
複合的なニーズを満たそうとしています。

隣りのクルマが小さく見えます

約40年前の日産のサニーのキャッチコピーです。

ライバルメーカーに「プラス100CCの余裕」と宣伝されたあとに、
サニーの排気量を大きくして宣伝しました。

しかし、今や車は小さく、同じ燃料でどれだけ長く走れるかに
顧客の関心は移りました。

「隣りのクルマが"大きく"見えます」

「プラス100"km"の余裕」

今月のGMや「i-MiEV」のニュースを見て、
そんなキャッチコピーが頭をよぎりました。