マーケティング力を感じる「午前十時の映画祭」

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
今日は「午前十時の映画祭」をご紹介します。

午前十時の映画祭.jpg

「午前十時の映画祭」は、映画の黄金時代(1950~70年)
を中心に外国の傑作娯楽映画50本を選んで
全国の劇場で1年間にわたり連続上映する企画です。

午前十時の映画祭
http://asa10.eiga.com/

「一度、スクリーンで見たかった。
もう一度、スクリーンで見たかった。」

というキャッチコピーも素敵ですね。

名作は繰り返し見ても面白いものです。

まだ見たことのない名作や、かつて映画館で見た作品を、
自宅ではなく映画館で見たいというニーズに応えています。

昔の名作を上映する「名画座」も各地にありますが、
今回の企画は以下の点が優れています。

午前10時はおそらく映画館が空いている時間です。

サービス供給側は、余裕のある時間を提供し、
強い来場動機を持つ映画ファン(消費者)を呼ぶという
バランスの良い企画である点です。

映画は上映開始時間が分かりにくいこともあるので、
一律に設定して、それをタイトルにした点も技ありです。

新聞やwebの広告など、PRもしっかりしていました。

私はイベント初日の2月6日に
TOHOシネマズ六本木ヒルズに行きました。

「ショーシャンクの空に」を見ましたが満席でした。
午後から追加上映をしていました。大好評のようです。

tohocinemas.jpg

中小企業にも昔の商品・サービスで優れたものがあると思います。

期間限定で復刻させてみてはいかがでしょうか。

食品などでも復刻版が良く発売されています。
ブランドの原点を見つめ直すきっかけにもなるはずですよ。

「午前十時の映画祭」の料金は大人1,000円、学生・子供500円です。
来年の1月21日までの予定です。

iPadとブランドネームの注意点

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。

昨日はモーグルの上村愛子さんを応援していました。
素晴らしかったですが、メダルまであと一歩でした。
本当に悔しいです。

今日の話題は、アメリカのアップルが先日発表した
新型携帯端末「iPad(アイパッド)」についてです。

「iPad」はモバイルパソコンと携帯電話の中間のような端末で、
「iPhone」のようにタッチパネルでの操作ができるそうです。

「iPad(アイパッド)」の詳細は以下のURLをご覧ください。
http://www.apple.com/jp/ipad/

ところが、報道によれば、
「iPad」は他社の商標権に触れる可能性があるようです。

富士通がアメリカで同名の商標申請を2003年にしていたようです。

さらに別の企業が欧州でも申請をしていたとする報道がありました。

日本でもIPDL(特許電子図書館)を見たら
商願2009-58254で「iPad」の商標出願があります。

出願しているのは「スレートコンピューティング」という会社で、
アップルのダミー会社ではないかと憶測が流れています。

アップルのダミー会社であれば良いのですが、
そうでなければ問題になりそうです。

この件を踏まえて、中小企業が
ブランドネームを決める時の注意点を2点挙げます。

ブランドネームの決定前に発売国の商標権を確認するべきである。


短くて良い名前ほど、すでに商標登録されている場合が多い。


かつて、松下電器産業が「National」ブランドを海外展開しようと
計画した時に、その国での商標権が取れなかったため
「Panasonic」ブランドを使用しました。

良いネーミングと商標登録は難しい問題です。
世界規模で考えると、さらに難しくなります。

これらの点を考慮せずに、一度発売してしまうと、
結果として多大なコストがかかってしまいます。

ブランディングの初期段階ですが、
音感なども含めて多角的、総合的な判断が求められる箇所です。
注意しましょう。

かわさき産業デザインコンペ2009

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。

先週はトヨタ、民主党小沢氏、朝青龍関の問題が取り上げられました。
まさに「信無くば立たず」。他山の石としなくてはいけません。

さて、本題です。かわさきデザインコンペ2009の公開審査会が
2月3日にかながわサイエンスパークで行われました。

かわさきデザインコンペ2009.jpg

川崎市内にある中小企業がデザインの課題を出し、
デザイナーがその課題にあわせた提案をします。

審査は来場者の目の前で行われ、毎年楽しく拝見しています。

コンペの審査は、製品化を念頭に製造・流通・販売コストを
考慮しているか、現実的であるかが強く問われます。

そのため、実際にビジネスを行っている
課題提供企業から出る話は重要です。

今年のグランプリは、清水修さんが提案した
風と光の環境型発電機になりました。

グランプリ賞金は100万円です!

風と光の環境型発電機.jpg

かなり現場的、現実的なデザインで、
パッと見た感じでは渋いかもしれません。

今年は産業デザインらしいグランプリと言えます。

グランプリの他にも商品化できそうな提案が
いくつかありました。今後が楽しみです。

昨年のコンペも当ブログでレポートしています。
かわさき産業デザインコンペ2008
http://brand-design.seesaa.net/article/113920432.html

かわさき産業デザインコンペの公開審査会の後は、
かわさきデザインフォーラムが行われました。

「ソフトバンク携帯のデザインとマーケティング」と題して、
ソフトバンクモバイルの方による講演が行われました。

フォーラムはコンペよりもさらに来場者が多く大盛況でした。

ユーキャンTVCFの変化が映し出す不安心理

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
今日から2月ですね。

正月は「生涯学習のユーキャン」の
CF(コマーシャルフィルム)をTVや電車で多く見ました。

ユーキャンは広告宣伝に力を入れており、
新年に新たな挑戦をしようという消費者をつかまえています。

今年のユーキャンのTVCFのキャラクターは、蒼井優さん、
貫地谷しほりさん、はんにゃさん、佐藤隆太さん、富田靖子さんです。

起用されている方は、20代半ばの方が多いです。

そしてCF内容には、就職や転職、現在の生活への危機感を
訴えるものが目立ちます。

かつては年齢がもっと上のタレントを起用していました。

内容もボールペン字講座や書道などの実用講座の宣伝が
多かったように記憶しています。

実用講座でも、申し込む動機には趣味的な気持ちが
半分くらいあったのではないでしょうか。

多少ゆとりがある人が申し込む実用・趣味講座から、
危機感・不安感をやわらげる資格取得講座へ、
宣伝する内容が変化しています。

そして今年のCFキャラクターは、高校生や大学生にも
とても人気があります。

ユーキャンのメインターゲットが中高年から20~30代、
さらに高校生や大学生へにシフトしていると考えられます。

ここ数年CFを見る限り、実用・趣味講座から資格講座へ、
そして受講生の低年齢化という傾向は続いています。

おそらく消費者ニーズが変化しているのでしょう。

若年層の不安心理が高まっていることを
ユーキャンのTVCFの変化は映し出しています。

中小企業経営者の皆様、広告宣伝のターゲットや
コンセプトは明確になっているでしょうか。

資金的にTVは無理かもしれませんが、実施する広告では
ターゲットやコンセプトを大企業よりも明快に伝えましょう。

大企業との競争に勝つためには必要なことです。