ウイスキー「トリス」のリニューアル(2)

こんにちは。中小企業診断士の山口達也です。
「トリス」リニューアルの話の続きです。

昔のトリスと新しいトリスを飲み比べました。
以下、私が酔いながら感じたことです。

トリスポケット瓶.jpg

アルコール度数が37%から40%に上がりましたが、
新しい方が飲みやすくなってます。

前の方はピリピリする感じで、強く主張する味でした。

新しい方は果物のようなさわやかな香りが前よりも強くなり、
口当たりが良くなったように感じました。

次にブランドポジショニングを考えます。

内容量も増えましたが、増えた量を考慮しても
実質価格が2~3割上がりました。

トリスには安いウイスキーのイメージが強いですが、
今回、サントリーは安さよりハイボールイメージを強く訴求しました。

もともとトリスは元祖ハイボールブームを作り、
そのハイボールは「トリハイ」と呼ばれた商品です。

「角瓶」原酒が不足する恐れがある中で、
トリスをほぼハイボール専用として訴求する戦略は、
経営環境を踏まえた適切な判断です。

ただ、安いウイスキーを望む昔からのファンには、
ウイスキー最大手として何かの対応をするではないかと予想します。

今回は良い原酒を使っているそうですが、
遠くないうちに、手軽な原酒を基にしたハイボール向けの
トリスの再リニューアルもありうると思っています。

ウイスキーは製造に時間がかかりますから、
今度のリニューアルは暫定措置の可能性があると考えています。

ハイボールブームにとりあえず対応した面もあるのではないでしょうか。

ただ、トリスはこのままハイボールブランドで進めて、
安さを求めるファンには、新ブランドで対応する可能性もあるでしょう。

いずれにせよ、複数のブランドイメージをどう活かすか、
ブランドリポジショニング(ブランドポジショニングの修正)
のよい参考事例になると思います。注目しましょう。