おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
グッドデザインエキスポ2011のレポート最終回です。
デザインの領域は拡大しているのですが、
工業や建築とは違う分野のデザインをご紹介します。
昨年はAKB48がグッドデザイン金賞に選ばれ話題になりました。
これも「会いにいけるアイドル」というコンセプトの
エンターテイメントプロジェクトデザインだそうです。
今年ご紹介するのはタキイ種苗のこどもピーマンです。
苦くなくビタミンCやカロテンが豊富なピーマンです。
品種改良もデザインの領域に入っています。
もうひとつ、音のデザインとして、
ヤマハのスピーチプライバシーシステムをご紹介します。
人の話し声を第三者に聞こえにくくするために別の音を
スピーカーから出すシステムです。
医療機関や薬局などの待合室などでの利用を見込んでいます。
単に別の音を流すだけでは、音量を大きくしなくてはならない
のですが、ヤマハの技術で自然な錯乱音をつくり、
小さい音量でも不快にならずに聞こえにくくしています。
105,000円という価格ですが、徐々に広がっていくでしょう。
価格も大切なデザインの要素です。
お客様に受け入れられる価格設定の商品設計は重要です。
従来の価格イメージを壊した商品が
一条工務店の木質耐震シェルターです。
木造住宅は耐震性で鉄筋コンクリートより劣ると思いますが、
立て替えたり、木造住宅を補強するのも大変です。
その中で、もし建物が倒壊してしまうような大地震でも
身の安全を守るシェルターです。
小さい部屋のようになっていて、ベッドも2つ入る大きさです。
工期が2日間で価格が25万円というのは素晴らしいです。
お金や工期であきらめている人を救うデザインですよね。
下の写真はマスキングテーププリンターです。
テプラで有名なキングジムが開発しました。
マスキングテープには手書きしかない、
と思っていたところにこの商品が出ました。
専用のマスキングテープを使うようですが、
商品パッケージなどの封にテープを使っている企業には、
そこに同じように機械で文字が入れられるのは魅力です。
今年最後にご紹介するのは、朝倉染布の超撥水風呂敷です。
雨などを気にしてビニール袋を使うのではなく、
風呂敷でも大丈夫なことを示す、分かりやすい展示です。
技術がもちろん素晴らしいのですが、実際に水をかける
デモンストレーションやデジタルフォトフレームやパンフレット
を使った展示には見習うべきところが多いです。
さて、このグッドデザインエキスポは今回が最後のようです。
2001年にグッドデザインプレゼンテーションとして始まり、
10年行われてきたのですが、来年からは
秋にグッドデザイン賞受賞展として開催するようです。
グッドデザイン賞の2次審査会場を見られるこのイベントは
新しい商品がたくさん見られて面白かったのですが、
新イベントにも期待しましょう。