2011年をブランドで振り返る

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
2011年をブランドで振り返ります。話題は四つです。

なんといってもまずは東日本大震災と原発事故です。

震災と原発事故が、BCP(事業継続計画)など
災害に強い企業体制が構築されているかどうか、
本当にブランドアイデンティティが社内に浸透しているかどうか、
隠れていた企業のブランド力を浮き彫りにしました。

当日をはじめ、危機時の行動がブランドに影響を与えました。

マニュアルを超えられなかった企業や、
大きなひんしゅくを買った企業があった一方で、
感謝、感動を人々に与えた対応をした企業もありました。

また、強いサプライチェーンを持っているか否か、
製品・サービスの提供力も問われました。

放射線に対する商品の安全確認にも追われました。

食の安全、安心は以前から問われていますが、
今年は日本中のあらゆる商品の安全、安心が問われました。

次に「なでしこジャパン」です。

W杯優勝の活躍は言うまでもありませんが、
優勝後の忙しい中でも、日本女子サッカーのために
マスコミやファンを大切にしつづけた選手の皆さんは、
本当に素晴らしいと思います。

休みたかったと思いますが、メディアに出続けていました。
特に主将の澤穂希選手には次代を切り拓く思いを感じました。

三つ目はFacebook(フェイスブック)です。

既存顧客との関係を強くでき、クチコミツールにもなりうる
フェイスブックを活用しようと、中小企業もフェイスブックページ
を作成するなど、試行錯誤した一年だったと思います。

四つ目はグリーとDeNA(モバゲー)です。

携帯電話向けのゲームを手がけている両社ですが、
広告出稿は大量でしたし、株式売買代金や横浜ベイスターズの
買収などでも話題になりました。

両社がどのようなブランドとしてキャラクター色を帯びていくか、
来年も注目していきたいです。

一年間、当ブログにお付き合いいただき、ありがとうございました。
よいお年を迎えくださいませ。

2011年をデザインで振り返る(2)

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
昨日のデザインで今年を振り返る記事の続きです。

三つ目の話題は日本航空のジャンボ機の退役です。

ジャンボ機は燃費が悪いそうです。
全日空も近い将来、退役させるようです。

ジャンボ機は子供のあこがれでしたし、
何度も賞金王になったプロゴルファーの尾崎将司選手の
愛称も「ジャンボ」です。

しかし現代は、強くたくましいよりも、
颯爽のイメージが好まれるようです。

東北新幹線「はやぶさ」や、ゴルフの石川遼選手、
野球のイチロー選手のイメージでしょうか。

多様化、小回り、スピード、省エネルギー、
というキーワードは次年以降も続きそうです。

四つ目の話題はスティーブ・ジョブズ氏の死去です。

アップルはデザインを体現した企業と言えるでしょう。

製品のユーザビリティや美しさ、少種大量生産、
ビジネスモデルは革新でした。

ジョブズ氏がいないアップルが、
今後どのようなビジネスを展開するか注目です。

2011年をデザインで振り返る(1)

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
デザインで今年を振り返ります。

話題は四つです。
一つ目は東日本大震災によるデザインの変化です。

震災を受けて、
人々の暮らしが変わりました。
エネルギーに対する考え方が変わりました。
街づくりの考え方が変わりました。
ものづくりが変わりました。

生産効率の悪いデザインには逆風だったかもしれません。

しかし、人の暮らしを豊かにするデザインへの期待が
高まったのも事実でしょう。

人の暮らしを豊かにする、人の求めるものの優先順位が
変わったということです。

当然、デザインも変わらなくてはなりませんし、変わりました。

二つ目は、グッドデザイン大賞を受賞したホンダの
「カーナビゲーションシステムによる情報提供サービス」です。
http://www.g-mark.org/award/detail.html?id=38185
http://www.google.co.jp/intl/ja/crisisresponse/japanquake2011_traffic.html

震災を受けて、カーナビ装着者の通行実績マップを
無料で提供しました。

企業の本分は、人に、社会に喜ばれる商品・サービスを
生み出し続けることだと考えます。

無料で情報提供したことが評価されたのではなく、
企業の生み出す価値が評価されたのです。

データを更新し、提供し続けることは、
その企業にしかできない尊い行動として
称賛されるべきでしょう。

データを被災地支援に活かす着想や、そのデザイン、
震災翌日から始めたスピードにも感動しました。

義援金を出した企業も尊敬しますが、
企業が持っている能力を活かすことは、
もっと重要な社会貢献だと改めて感じました。

三つ目以降はまた明日に。

携帯電話用ホームページは簡単に作ろう

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
今日は携帯電話向けのwebサイトについてです。

今年はスマートフォンの普及が進みました。
スマートフォンを略した「スマホ」は、2011年の
ユーキャン新語・流行語大賞のトップテンに入りました。

スマートフォンの向けのアプリ開発を検討している
中小企業もあるでしょう。

ただ、通常の携帯電話からのweb訪問も忘れてはいけません。

(株)MM総研の予測によると、
現時点でのスマートフォンの契約件数は2000万件と推測され、
携帯電話の契約件数の約8割は通常の携帯電話です。

MM総研の2011年7月7日のニュースリリース
スマートフォン市場規模の推移・予測(11年7月) 
http://www.m2ri.jp/newsreleases/main.php?id=010120110707500

スマートフォンの利用者と一般の携帯電話の利用者では、
web閲覧の利用度合いや、リテラシーに差があるとはいえ、
通常の携帯電話からのアクセスをまったく考慮に入れないのは
もったいないでしょう。

パソコン閲覧を前提に作られているwebサイトは、通信会社や
携帯端末の仕様の関係で、通常の携帯電話では見にくいです。

携帯電話用のwebサイトを作ることが求められます。

特に店舗のある企業や、若年層を対象としたビジネスでは、
携帯電話向けのwebサイトが求められるでしょう。

しかし、スマートフォンの普及が進んでいることを考えると、
通常の携帯電話向けのサイトを持つ重要性は低下する可能性が
高いです。

そこで、まだ携帯電話向けのサイトを作っていない中小企業には、
簡単に無料で携帯電話向けのサイトを作ることを勧めています。

例えば以下のサービスを利用すれば、
無料で携帯電話向けwebサイトを簡単に構築できます。

FC2ケータイホームページ
http://k.fc2.com/

Yahoo!ロコプレイス
http://locoplace.yahoo.co.jp/index.html

外出先で道に迷っている人には、事務所の住所と地図が
あるだけでも助かるものです。

電話番号を掲載し、パソコン向けのサイトのURLリンクを
設置しておけば、携帯電話向けのサイトには企業の詳細情報を
必ずしも多く盛り込まなくてもよいでしょう。

モバイルで販売を考えているのでなければ、
携帯電話向けサイトの内容は簡単に済ませてよいのです。

お客様を不快にさせない、逃がさないためのページとして、
スマホアプリに力を入れる前にサッと作っておきましょう。

私も以前に作成したモバイル向けwebサイトがありますので、
ご紹介します。
http://k2.fc2.com/cgi-bin/hp.cgi/brandfine/

SEOや他のサイトを上位から締め出すことにも、
少しは効果があるでしょう。

東京ミッドタウンアワード2011

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。

東京ミッドタウンアワードのレポートです。
先週ご紹介したデザインタッチの期間に、
コンペ受賞作が展示されていました。

ミッドタウンアワード2011_01.jpg

デザインコンペの今年のテーマは「5」です。
東京ミッドタウンが開業5周年だからだそうです。

今年も1,161作品の応募があったそうです。
入賞作品を3つご紹介します。

私が一番気に入ったのが「縁起のいい豚貯金」です。
グランプリを受賞しました。

豚貯金.jpg

五円玉を通す「きんとん」と五十円玉を通す「ぎんとん」。
使用感のある硬貨の味わいが魅力となる貯金用品です。

5円玉を50枚通すことができるそうです。
「五重」の「ご縁」と縁起を担いでいるようです。

全部貯めても250円。
貯金よりも装飾・縁起ものとしての商品になりそうです。

あと面白いと思ったのが、優秀賞となった「5の抱きまくら」と、
水野学賞となった「4+ ~子どものための包帯~」です。

5の抱きまくら.jpg
4+.jpg

「抱きまくら」は、他の数字よりも抱き枕に向いていそうで、
お題にあったデザインでしょう。

「4+」は、四肢のケアに心のケアを加えるをコンセプトに
子供の心に寄り添うデザインです。

ともに商品化されるかは微妙だと私は思いますが、
人の気持ちを明るくするデザインの良さが表れた作品だと思います。

ミッドタウンアワードにはアートコンペもあります。
アートコンペのテーマは「都市」。309件の応募がありました。

今年は展示場所がガラスショーケースから通路に変わり、
作品の制約が少なくなりました。

グランプリを獲得した「frames of emptiness」は
不動産の間取りが描かれたチラシを切り抜き貼り合わせた作品です。

frames-of-emptiness.jpg

美しくあり、もろくもあり、つながっていて直線的、
そして一見すると中身が詰まっているようですが、
実は鏡で反射して見えていて、外枠の中に中身は詰まっていない
ところが、都市のあり方を表し、問いかけているのでしょう。

アート作品も気づきを与えてくれる作品が多く面白かったです。

デザインコンペも含めて来年も期待したいです。

(参考)過去の東京ミッドタウンアワードの記事

東京ミッドタウンアワードデザインコンペ2010
http://brand-design.seesaa.net/article/173286571.html

2009年の東京ミッドタウンアワード
日本のおみやげデザインから学ぶ(1)
http://brand-design.seesaa.net/article/109831946.html
日本のおみやげデザインから学ぶ(2)
http://brand-design.seesaa.net/article/109881387.html

Tokyo Midtown Award 2008
http://brand-design.seesaa.net/article/109780180.html

デザインタッチ2011

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
今日はデザインタッチのレポートです。

「デザインを五感で楽しむ」をコンセプトに
子供も大人も気軽に楽しめるデザインイベントです。

今年で5回目を迎え、東京ミッドタウンで
10月28日から11月6日まで開催されました。
http://www.tokyo-midtown.com/jp/designtouch/2011/

デザインタッチ2011.jpg

さまざまなワークショップやセミナー、展示がありましたが、
展示のひとつに「ちゃんと使えるデザイン」がありました。

アートディレクターの平林奈緒美さんが選んだ、
使い心地が良いデザイン、機能性に優れたデザイン商品の展示です。

ちゃんと使えるデザイン.jpg

美しいだけでは良いデザインとは言えません。
機能性とのバランスは大切です。

展示されていた商品のひとつ
「plain&simple アポセカリーキャンドル」をご紹介します。

アロマキャンドル.jpg

アポセカリー(Apothecary)とは薬剤師のことだそうです。
薬の瓶のような形をしています。

使わない時は蓋をしておけば、ホコリがロウの上にたまらない
というものです。雰囲気と機能性が両立していますね。

あと、展示で目をひいたのが「エルメスの家」でした。
紙管で出来た家の中に家具やインテリアがあります。
http://www.tokyo-midtown.com/jp/event/2011/5588.html

エルメスの家.jpg

生活空間の美と細部にこだわった職人の技を見られました。

もちろん会場には、エルメスの人がいました。
私には、じっくりさわって見る勇気がありませんでした。

何十万から何百万円するようなインテリア家具ばかりですので・・。

東京ミッドタウンには、デザイン性の高い商品を扱う店が
多いのですが、他の各店でも面白い企画展示がありました。

コンセプト通り、老若男女が楽しめるイベントになっていました。
「ミッドタウンアワード」の受賞作は次回お伝えします。