今日は書籍の紹介をします。
「ブランド・エクイティ戦略
競争優位をつくりだす名前、シンボル、スローガン」
ダイヤモンド社、著者はデービッド・A. アーカー教授です。

1991年に書かれた本書をきっかけに、経営において
ブランドが着目されるようになったと言ってよいでしょう。
日本のデザイン業界でも、バブル期に流行したCIから、
ブランドの時代に変わったと言われるほどです。
ブランドがCIに変わるものという考え方には賛成しませんが、
90年代以降、ブランドの重要性が認識され、
研究が進んだことは間違いありません。
「ブランド・エクイティとは、ブランド、その名前やシンボルと
結びついたブランドの資産と負債の集合である。」
本書では説いています。
ブランド・エクイティとは簡単にいえばブランド価値のことです。
このブランド・エクイティは次の5つの要素から形成されると
主張しています。
ブランド・ロイヤルティ、認知、知覚品質、ブランド連想、
その他の特許や商標、チャネルなどの資産、です。
ブランド・エクイティを増やすために、先ほど挙げた要素を
どのように捉え、どう行動すべきかを豊富な企業事例を元に
まとめています。
ブランドネームやブランド拡張、グローバルブランドまで、
書かれているテーマの幅は広いです。
当時ここまでまとめられた本はなかったと思いますし、
現在のブランド理論との違いが大きくないことを考えると、
その完成度の高さは素晴らしいです。
日本語訳がやや読みにくいのが残念ですが、
ブランド理論をしっかり学びたい方には
チャレンジする価値のある一冊です。