今日は書籍の紹介です。
「スモールビジネス・マーケティング」
中央経済社、著者は岩崎邦彦さんです。

岩崎邦彦さんは静岡県立大学の教授で、
中小企業診断士試験の試験委員でもあります。
この本は調査結果を元に、
小さな小売店のマーケティングのあり方を示しており、
学術書でもあり、実践的でもある良書です。
その主張について、私は次のような理解をしています。
消費者ニーズは多様化・分散化している。
大規模小売業が対応しやすい大量生産、大量消費のスタイルに
合わない(=ボリュームゾーンではない)消費者が存在し、
小規模小売業がそれらのニーズをすくい取れるチャンスが
広がっている。
大きな店でなく小さな店で買物をしたい人々には、
本格(こだわり、個性、専門性)志向、
人的コミュニケーション(店員のアドバイス、
店員とのコミュニケーション)志向、
関係性(気に入った店は長く利用したい)志向がある。
したがって、小規模小売店は次のようなことをすべきである。
・コア商品を中心としたアイテム数の充実(品揃えの深さで勝負)
・小売にサービス、情報、学び、体験の要素を加える
・顧客との双方向のコミュニケーションを大切にする
・くちコミの影響力を認識し、くちコミとうまく付き合う
・販売員満足や顧客維持活動の重要性
あくまで私の理解ですので、
著者の主張と異なる部分もあると思います。ご注意ください。
これらの考え方は小売店だけでなく、
中小企業全般にあてはまると私は思います。
2004年の出版ですが、特にコミュニケーションや体験、
くちコミの重要性はさらに強まっていると感じます。
中小企業経営者にお勧めできる一冊です。