おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
ロンドンオリンピックが終わって仕事モードです。
先週に続いて書籍の紹介です。
「小が大を超えるマーケティングの法則」
日本経済新聞出版社、著者は岩崎邦彦さんです。
先週ご紹介した「スモールビジネス・マーケティング」の
著者である岩崎邦彦さんの最新刊です。
「スモールビジネス・マーケティング」の主張から
大きく変わっているということはありません。
今回も消費者調査や実証データに基づいた本の展開です。
こだわりや個性、専門性が大切であるとの主張は変わらず、
核となる商品「シンボル」がある企業ほど好業績であることや、
消費者は利用する前に、店舗の外観、看板、従業員の外見、
パッケージで品質を判断してしまう傾向を指摘しています。
新たに追加されている論点として、
小さな店で買物をしたい人々は地元志向が強いことや、
低価格志向ではないことを挙げています。
「値引きするならおまけをつけろ」とも言っています。
そして「顧客とのきずな」と「地域とのきずな」を
強化することが望ましいとしています。
きずなの強化では、
顧客や地元住民にモニターになってもらうことや、
顧客と協働した商品開発、地元産の素材を使った商品開発、
イベントや交流の場、顧客紹介によるプロモーション、
などの具体策をたくさん挙げています。
また、店員の提案力が企業の業況に影響しているとし、
コミュニケーションの重要性も引き続き訴えています。
こちらから一方的に伝えるだけでなく、
対面やアンケート、ウェブサイトで
顧客の声を吸い上げることも大切だとしています。
顧客への共感力では、接客を女性中心に行っている企業は
業況が良い調査結果も紹介しているのは面白いですね。
ターゲットや商品を絞り込むことは勇気がいりますが、
絞り込んだ企業の方が業況が良いという
全国の中小企業700社の調査結果は経営者の背中を押すでしょう。
経営者へのメッセージが詰まっており、
「スモールビジネス・マーケティング」よりも
さらに読みやすい一冊です。