上質な日本庭園から金沢を知る

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。

今回は野村家武家屋敷跡と兼六園についてです。
金沢の紹介は今日で一区切りです。

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野村家武家屋敷跡の庭の美しさは絶景です。

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それほど大きい庭ではありませんが、
屋敷と調和がとれており、コンパクトですが存在感もある庭です。

さまざまな様式の日本庭園がありますが、
コンパクトな個人の庭としては最高の庭と言えるでしょう。

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植物や光の種類も豊富でとても凝った造りです。
季節、天候、見る角度によって味わいが異なります。

庭の手入れも含めて、見事な芸術だと思います。

次は兼六園です。

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当ブログの読者には兼六園の説明は不要だと思います。

私が取り上げたいのは兼六園にある噴水です。

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この噴水は兼六園の中心にある霞ヶ池との
水面との高低差による自然の水圧であがっています。
水の高さは約3.5mあるそうです。

金沢城の二の丸に水を引くために試作されたようですが、
19世紀中頃につくられた日本最古の噴水だそうです。

噴水のある日本庭園は珍しいです。

兼六園は高台にありますが、10km上流から用水路で水を引き、
それから金沢城へつながっているんですね。

こうして学んでみると、金沢は単なる伝統文化の街ではなく、
昔からもともと新しい独自の文化を
創造していく気風をもった街だと思いました。

だから金沢21世紀美術館という新しいコンセプトの美術館を
街の中心部につくることができたのだと思います。

街を歩きながら、哲学や文化そして進取の気風を感じました。
大阪や京都や東京とは違うものを作っていく魅力があります。

企業も街のカラーと合わせて文化創造していくことが重要です。
それがアイデンティティにもなります。

華と穏の表現技法事例

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。

今日は金沢ひがし廓「志摩」と鈴木大拙館についてです。

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金沢ひがし廓「志摩」は、ひがし茶屋街にあるお茶屋で、
国の指定重要文化財になっています。

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お茶屋ですから遊ぶ場所としての華や粋があります。

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壁や襖も日常世界と違うことを感じさせます。

伝統芸能の美意識と合わせて、
ひとつひとつのデザインで学べる点は多いです。

鈴木大拙館は開館して1年の新しい施設です。
仏教哲学者の鈴木大拙の思想や足跡を伝える記念館です。

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MoMAも設計した谷口吉生さんの建築です。

建物の中は撮影しておりませんが、外からの眺めだけでも
静かに思索にふけることができるのではないでしょうか。

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明鏡止水を具現化したデザインで、すっと心が落ち着き、
風や光をより感じられる庭です。

建物内は明るさが押さえられていて、
落ち着いて展示を見られます。

単に現代的とかシンプルとは違う絶妙なデザインです。
自然や日本庭園に通じるところがあります。

華と穏の対照的な歴史建築と現代建築をご紹介しました。
背景となる思想や文化、その世界観の表現に
触発される方は少なくないでしょう。

地域と伝統と革新が融合する「茶房一笑」

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。

今日も金沢のお店「茶房一笑(さぼういっしょう)」をご紹介します。
ひがし茶屋街にある旧茶屋「舟橋屋」の外観を残した喫茶店です。

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丸八製茶場が運営しています。
プロが丁寧に日本茶をお茶をいれてくれます。

緩すぎず、堅すぎない適度な空気が店にあり、
落ち着きと品のある調度品や茶器もよい空間を作っています。

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歴史・伝統に、少し現代を取り入れるバランスが
秀逸だからこそ、この雰囲気が生まれます。

加賀棒茶という茎のほうじ茶が味わえます。
豊かな香ばしさがあって、さわやかなお茶です。

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和菓子とのセットを注文したのですが、
さまざまな種類のお茶を楽しむことができました。
水だしの棒茶も美味しかったです。

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1階には物販のコーナーや箱庭があり、
2階にはギャラリーがあります。

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茶房一笑は地域と伝統と革新が見事に融合しています。
そのさじ加減や世界観の表現は参考になると思います。

LE MUSEE DE H KANAZAWAの“おもてなし”と“たたずまい”

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
石川県金沢市で目にとまったものをご紹介します。

金沢21世紀美術館の他にも参考になる
素晴らしい場所がたくさんあります。

今日は「ル ミュゼ ドゥ アッシュ KANAZAWA」を紹介します。
石川県美術館内にあるパティシエの辻口博啓さんのお店です。

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普通に持ち帰りや喫茶コーナーもあるのですが、
「コンセプトG」というコースもあります。

このコースは最大5人までの茶室でお菓子とお茶がいただけます。
http://www.kagaya.co.jp/le_musee_de_h/contents/kanazawaConcept.html

モダンで洋風な茶室です。

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1時間弱で3000円のコースを私一人でいただくのは、
かなり気恥ずかしいので、1000円のコンセプトG(銀)という
小さめのコースをいただきました。

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コンセプトG(銀)も茶室でいただくことに変わりません。
入口でオーダーすると茶室の準備で少々待ちました。

準備が整ったところで茶室に通され、
2種類のお茶を入れていただき、スイーツもいただきました。

茶室ですから、もてなしてくださる店員さんがいて、
金沢に関するいろいろ興味深い話を聞けました。

MoMAも設計した谷口吉生さんが手がけた鈴木大拙館が
近くにオープンしたことなども教えてもらいました。

鈴木大拙館については当ブログでも後日ご紹介します。

美人店員で接客も素晴らしく、楽しいひとときを過ごせました。
もちろんお茶もお菓子もおいしかったです。

美術館内にあり店内も美しいのですが、審美面だけでなく、
“おもてなし”の面も優れていました。

美術館という立地環境や有名パティシエの看板に寄りかかって
いるのではなく、お店が持つ“想い”を強く感じました。

表層的にブランドやデザインのテクニックを
入れているのではありません。やはり“想い”ですね。

経営視点でも参考になる点が多いお店です。