今年のブランドに関する話題を4つ取り上げます。
ひとつ目は、日本ブランドのステータスと商品力です。
今年は、オバマ大統領が再選しましたが、
フランス、ギリシャ、日本、韓国で政権が代わり、
中国でも指導者が代わりました。
経済、財政、為替、竹島や尖閣諸島をめぐる問題も、
これらの政権交代の影響を大きく受けました。
尖閣諸島をめぐる中国での破壊・略奪行為は、たいへん遺憾でした。
日本企業の店舗や工場、日本車などが破壊されました。
日本車の売上も一時期半減してしまいました。
自動車は人の目につくものだけに、ステータスを表す要素が
ありますが、これが裏目になってしまった印象があります。
一方で、哺乳瓶など育児用品を扱うピジョンは、
反日機運の高まりの影響は軽微であると会社は説明しています。
ユニチャームも不買運動はないそうです。
これらの商品は、高品質が評価されていることに加えて、
外から目につかないものであることも
影響を小さくした要因と思われます。
イメージは購買への意思決定に対する影響が大きく、
追い風でも向かい風でも強いものです。
イメージ戦略の実行は大切ですが、基礎となる
商品力をしっかり充実させていくことがやはり大切です。
二点目は、中小企業のブランドも、
好むと好まざるとにかかわらず、日本ブランドを背負っていることです。
企業は政治とは別にそれぞれ意思決定をして活動しています。
しかし、その企業活動は外国人から見た日本という国家への
イメージの影響を受けます。決して無関係ではいられません。
国家ほど影響は大きくありませんが、他の日本企業の活動も
自社に影響を与えます。
日本が高品質な商品・サービスのイメージを獲得しているのは、
日本企業の努力の積み重ねのおかげでもあります。
中国でたくましく事業を続ける企業を見ながら、
あらためてそのようなことを感じた年になりました。
海外展開をする日本の中小企業は、日本や日本企業の良い
イメージを活かしつつ、自分たちが日本を、日本ブランドを、
背負っていることも認識した方がよいでしょう。
良いビジネスを積み重ねていきたいものです。
三点目として、今年の印象深い言葉として
「われわれは本業で負け組になっていると言わざるを得ない」
というパナソニックの津賀一宏社長の発言がありました。
他の日本企業が勝ち組なら、まだよいのですが、
日本ブランド全体を考えると、デジタル家電メーカーの状況は深刻です。
発言への賛否もさまざまありましたが、
これからの巻き返しに期待するしかありません。
最後は、金子哲雄さんが亡くなってしまったことです。
流通ジャーナリストの肩書きで活動されていましたが、
金子さんも中小企業診断士でした。
ご病気だとも思わず、たまたま今年の企業診断5月号の特集
「セルフブランディングが診断士を変える!」で、
私は金子哲雄さんの名前を挙げて、セルフブランディングを
を解説していました。
最前線で活躍され、これからの活動も楽しみでした。
若くして亡くなられた事は本当に残念でなりません。
最後の著書「僕の死に方」も読みました。
最後の最後まで人を喜ばせようとする気持ちが
にじみ出ている一冊です。

残された者として、生かされている者として、
日本経済、世界経済、人々の暮らしのために、
頑張らなくてはならないと思いました。
本年も当ブログをご覧いただき誠にありがとうございました。
明年もよろしくお願いいたします。