21_21 DESIGN SIGHT デザインあ展

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
21_21 DESIGN SIGHTで開催中の「デザインあ展」のレポートです。

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「デザインあ」はデザイン的思考を育てる
NHKのEテレの教育番組です。

昨年のグッドデザイン大賞に選ばれています。

子供向けの体験展示が多く、写真撮影も可能な
21_21 DESIGN SIGHTでは珍しい展覧会です。

ものの分解、組み合わせ、成形、適切な大きさなどを
体感できます。

平日の昼間に行きましたが、賑わっていました。
子供連れが多く、遊べる展示で
滞在時間も長くなっているのでしょう。

休日は混雑しているようです。

多くの写真で展示内容の雰囲気をお伝えします。

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中小企業の経営に直接活かせる展覧会ではないかもしれません。

しかし、展示、表現の手法をわかりやすく学べます。
芸術的なセンスも磨かれるかもしれません。

会期は6月2日までです。

ブランド・ポートフォリオ戦略

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
先週に少し触れた書籍のご紹介です。

「ブランド・ポートフォリオ戦略」
ダイヤモンド社、デービッド・A・アーカーさんです。

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同書は、経営戦略とのつながりを考慮しつつ、
複数のブランドをどうマネジメントするかを考察しています。

ブランド・ポートフォリオ戦略とは、
企業が持つ複数のブランドの構成と
それぞれのブランドの役割を全社的な視点で最適化する
戦略と考えることができます。

インテル、マイクロソフト、ソニーなどの例が出てきます。

他社のブランドとの提携も取り上げられ、
ブランドイメージの相乗効果を追求するモデルなどは
ブランド研究として新しいものでした。

ブランドの役割範囲をどこまでに設定すべきかや、
ブランドの統廃合をどうすべきかなど、
応用的なブランド論が展開されています。

学術書というより帰納的で実務的な内容だと思います。
翻訳も読みやすいです。

大企業の事例ばかりですが、
さまざまな状況からブランドを考えることで、
ブランドの本質が浮き彫りになっていく一冊です。

なお、エピローグ「ブランド・ポートフォリオ戦略20の要点」
から読むと、結論からわかるので
私は理解しやすいと思います。

同書に限らず、アーカー教授の本はボリュームがあるので、
訳者あとがきも含めて、最終のまとめから読むのがお薦めです。

ブランド・リーダーシップ

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
書籍のご紹介です。

「ブランド・リーダーシップ」
ダイヤモンド社、デービッド・A・アーカーさんと
エーリッヒ ヨアヒムスターラーさんの共著です。

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同書は次のような問題意識から生まれたと捉えています。

ひとつのブランドが、複数の製品や市場を
対象としていることは少なくありません。
複数の国でブランドを展開する場合もあります。

また、複数のブランドを持っている企業も多いでしょう。

その状況で製品や市場、ブランド、国といった単位でそれぞれに、
バラバラに事業活動を行うと、全体として
ブランド・エクイティが損なわれる恐れがあります。

同書は長期的なブランド価値の向上のために、
それぞれの事業活動をどこまで調整・統合すべきか
という観点で書かれています。

全体をまとめるリーダシップが必要ということです。

しかし、ここまでこのように管理すべきだという解が
書いてあるわけではありません。

置かれた状況によって、解は異なりますので、
さまざまな事例や方法論を挙げています。

アーカー教授のブランド3部作の完結編とされる同書は、
中小企業よりも大企業をイメージしたブランド論です。

しかし、中小企業でも応用が効く内容はあります。

例えば、広告以外のブランド構築手法として、
スポンサー活動やwebについても述べた章は
参考になると思います。

私が考える3部作の前2作の特徴を簡単にまとめます。
3部作のどれから読もうかと迷われた方は参考にしてください。

ブランド・エクイティ戦略
ブランドが企業に価値をもたらすことを解説している。
ブランドエクイティを説明している。
どのようにブランドイメージを創るか。
名前やシンボルマークとブランドとの関わりを述べている。

ブランド優位の戦略
ブランド・イメージはすでに顧客に持たれているものだが、
ブランド・アイデンティティは、そのブランドがどうありたいか
という長期的な信念であり、その点を解説している。
情緒的便益や自己表現的便益ついて解説している。
企業組織とブランドの関係について解説している。

なお、複数のブランド間の関係をどうするかは、
「ブランド・リーダーシップ」にも記述がありますが、
その後に出版された「ブランド・ポートフォリオ戦略」の方が
記述は充実していると思います。

佐藤可士和の超整理術

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
今日は書籍のご紹介です。

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「佐藤可士和の超整理術」
日本経済新聞出版社、著者は佐藤可士和さんです。

いわゆる「片づけ本ブーム」が来る前の2007年に出版されました。
現在は文庫にもなっています。

整理術を空間、情報、思考の3段階で説いています。

最初に登場する空間の整理術は、片づけの話です。

しかし、片づけ本ブームの前に書かれており、
デザイナーが書くテーマとしても異色でした。

情報の整理術や思考の整理術は、
著者のアートディレクターとしての事例をもとに解説しています。

アートディレクターの仕事の一端を垣間見れます。

同書を読むと気付くと思いますが、
佐藤可士和さんのデザインはかなり論理的です。

なんとなくやセンスでデザインをしません。

経営者の思考回路に近く、納得を得やすいデザインです。

中小企業ではデザイナーに依頼できる資金が少なく、
自らデザインをすることも多いと思います。

デザインの進め方として参考になるところも多いはずです。

同書では「課題の設定」という表現で、
本質を見つけて磨いて光らせる
本質がネガティブな場合は発想を転換して反転させる
などの考え方を示しています。

私も戦略コンサルティングで同じ考え方をとっています。
共感できました。

台東デザイナーズビレッジ

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
今日から新しい年度のスタートです。
頑張っていきましょう!

新しいスタートにふさわしい話題として、
今日は台東デザイナーズビレッジのご紹介です。

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東京都台東区が2004年に作った
ファッションデザインの創業支援施設です。

旧小島小学校の建物を改修して作った施設で、
話題になりました。

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村長と呼ばれるインキュベーションマネージャーの
鈴木淳さんの支援もよく、
多くのデザイナーを輩出しています。

私が東京都中小企業振興公社の職員だった頃にも
お邪魔して、いろいろお話をお伺いしました。

独立してからは、2年に1回ぐらいのペースで
イベントに参加する形で行っています。

先日もセミナーに行ってきました。

今でこそ山手線の東側エリアが、
デザイナーの関心を集めるようになりましたが、
10年前はあまり注目されていませんでした。

しかし、この地域にはファッション関連の
製造業や卸売業の産業集積がもともとありました。

この強みに着目し、新たな人を呼び込む創業と
ネットワークづくりに台東区や墨田区などが
地道な努力を重ねてきたことが実を結びつつあります。

デザインに目をつけたところも良かったですね。

行政の中小企業支援には、
絞り込んで続けることがやりにくい習性があります。

行き過ぎた平等重視が特徴のない支援になったり、
新規事業の方が目立って評価されやすいので、
実績のある事業の予算がなくなったりします。

ですから、デザビレのような息の長い支援は
特に評価しています。

ソフト面での支援が充実している
インキュベーションは本当に素晴らしいです。

施設公開などのイベントを通じて
入居デザイナーと出会うこともできるので、
オリジナルグッズなどの開発につなげることもできます。

デザイナーを探す時に思い起こしたい施設です。