おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
今日の話題は、セブンイレブンのセルフ式の
ドリップコーヒー「SEVEN CAFE」(セブンカフェ)です。
写真は自宅近くのセブンイレブンにあるセブンカフェです。

セブンカフェは今年の1月から販売を開始し、
売上を順調に伸ばしているようです。
セブンイレブンジャパン2013年1月28日ニュースリリースhttp://www.sej.co.jp/dbps_data/_material_/localhost/pdf/2011/2013012802.pdfセブンカフェは客が自分でコーヒーを淹れるのですが、
コーヒーマシン(サーバー)のデザインが
話題になっています。
サーバーの使い方がわかりにくいので、
店員さんがPOPなどを独自に貼って努力しているのです。
全国のセブンカフェがどのような状況になっているかを
まとめたサイトです。
http://sevencafecoffeemakeradhocsignage.tumblr.com/それを見た人の意見の一部が、
「NAVERまとめ」に載っています。
http://matome.naver.jp/odai/2137351572553391601かなり手厳しい批判もありますが、鋭い意見もあります。
確かに、上質な雰囲気を醸し出しているサーバーです。
ボタンを押すと「豆を挽いています」と表示され、
淹れたて感が伝わりますし、
1分ぐらいで素早くできあがります。
しかし、プロデュースした佐藤可士和さんのコメントにある
狙いは実現できているでしょうか。
セブン-イレブンの店舗でコーヒーを淹れる瞬間から、
家や会社で飲む時までの毎日の時間が、豊かでホッと安らぐ
ひとときとなってほしいという願いが込められています。
私もひとつ買ってみましたが、残念ながら淹れる瞬間に
安らぐのではなく、操作はこれでよいのかストレスを感じました。
慣れていない人には、
利用方法がわかりにくいサーバーです。

まず英語表記ばかりで説明が少なすぎます。
カップをどう買って、
アイスの場合はカップの上のラベルをいつ剥がすか、
わかりません。
サーバーの前で戸惑ってしまう人が多いです。
カップの置き方を間違えたり、
ボタンを押し間違えたりしそうです。
透明のカバーケースの開け方もわかりにくいです。
セブンカフェはレギュラーサイズが100円と、
低価格も魅力のひとつですが、
セルフサービスでないと苦しくなります。
店員が入れると、
人件費やオペレーションに跳ね返ってしまいます。
(コーヒーを入れるのに1分ぐらいかかります)
しかし、コーヒーの入れ間違いや、
お客様が店員を呼んで使い方の説明を受ける場合が多いと、
やはり利益は減ってしまいます。
これらを避けるために、全国の店舗で店員さんが
ラベルやPOPを独自に貼っているのです。
その手間とコストも小さくありませんし、
美しく貼られなかったサーバーでは、
プロデューサーの狙っていた上質感が出せているでしょうか。
上に載せた自宅近くのセブンカフェの写真では、
あまりベタベタと説明書きは貼られていませんが、
左上には「コーヒーの作り方が分からない場合は
お気軽に店員におたずね下さい♪」
と吹き出しのPOPがあります。
お客様や店員さんに負担をかけてしまっている
サーバーのデザインです。
ラベルやPOPは、全国のお客様と店員さんからの
「わかりにくい」という無言のメッセージと言えるでしょう。
わかりやすさ(ユーザビリティ)の点では、
むしろ店員さんのPOPの方がデザイン面で参考になります。
私たちはこの一件を教訓にしたいものです。
ちなみに、私はセブンイレブンも佐藤可士和さんも、
嫌いではありません。
イノベーターとして尊敬しており、
よく学ばせていただいています。
コーヒーの味もよかったです。
しかし最後にもう一点、
2013年5月24日のニュースリリースに意見を。
http://www.sej.co.jp/dbps_data/_material_/localhost/pdf/2011/2013052402_2.pdfロゴや写真などの解像度を上げた方がよいです。
ネットから貼り付けたのか、画像がボケています。
日本のトップ企業のリリースとして残念です。