21_21DESIGN SIGHT カラーハンティング展

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。

今日は21_21DESIGN SIGHTの企画展
「カラーハンティング展 色からはじめるデザイン」のレポートです。

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企画展のディレクター藤原大さんが生み出した
デザインリサーチの手法「カラーハンティング」は、
自然や都市に存在する現実の色を
水彩絵具を調合してその場で紙片に写し取っていくものです。

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自然界にある色を採取するという
ありそうでなかった面白い試みです。

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デザインという行為は色と向き合うケースが多いわけですが、
日々刻々と変わっていく色、光の見え方を
しっかり記録していくことは、
デザインの基礎力を養うでしょう。

写真をたくさん撮りました。いくつかご紹介します。

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毎日の空の色を写し取った「スカイダイヤリー」は、
ひとつとして同じ色のない地球の姿を再認識させられます。

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写真は朱鷺の色を写し取った作品です。
美しい羽の色です。

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下の写真は「みずいろハンカチ」という作品です。

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写真では分かりにくいのですが、
それぞれの地域の水はそれぞれ成分が異なるので、
同じように青を染めても色が微妙に異なることがわかります。

「カラーボキャブラリ」は人が言葉から連想する色の関係を
図に落とし込んだ作品です。

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「ワニ」が緑色のイメージを持たれていることは、
理解しやすいのですが、
「山中伸弥」に青、「ミラノ」にも黄緑のイメージが
あるのは私にとって意外でした。

また、「甘酸っぱい」のイメージカラーを分析すると
写真のようになるそうです。面白いですよね。

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言葉には色があると考えることができるかもしれません。

カラーユニバーサルデザインに関する展示もありました。

世の中には色を認識しづらい方も結構いらっしゃいます。
認識しづらいといっても、大きくいくつかのタイプに分けられます。

赤い紙をもってタブレット端末の前に立つと、
そこには違う色の紙に見えるものがあります。

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4つのタイプの人に、それぞれどのように見えるのかが
わかる仕掛けです。

その他にも遊べる内容の展示もあり、親子連れもいました。

展覧会を通じて、人と色との関わりや歴史を学べます。
会期は10月6日までです。

LOVE展 アートにみる愛のかたち

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。

六本木ヒルズ・森美術館10周年記念展の
「LOVE展 アートにみる愛のかたち」のレポートです。

行くのがちょっと遅くなってしまいました。

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その名の通り、愛をテーマにした美術展ですが、
対象としている作品は幅広いです。

作品の制作年は江戸時代から現代までに及び、
恋愛や家族愛にとどまらず、あらゆるものへの愛を
洋の東西も問わず展示しています。

かなりの力の入れようです。

六本木ヒルズのインフォメーションコーナーまで、
LOVE展にあわせた装飾です。

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美術館の入り口近くから迫力ある作品があります。

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作家名/作品名:バーバラ・クルーガー《無題(恋とは落ちてしまうもの)》

撮影許可された作品をご紹介します。

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by-nc-nd.png作家名/作品名:草間彌生《愛が呼んでいる》
この写真は「クリエイティブ・コモンズ表示・非営利 - 改変禁止 2.1 日本」ライセンスでライセンスされています。


自己を宇宙や自然に溶け込ませていくことを
表しているのかもしれません。

力強く、愛しくも感じられる水玉模様の角の
大きなエネルギーの前に、人の姿は
かすんでしまうに思えますが、
新たな光に照らされ、笑顔が広がっていました。

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by-nc-nd.png作家名/作品名:津村耕佑《ファイナルホーム》
この写真は「クリエイティブ・コモンズ表示・非営利 - 改変禁止 2.1 日本」ライセンスでライセンスされています。


着るものが、最後の最後まで身をまとうものとして、
ファイナルホームとして表現されています。

情報や安全など、人を守るさまざまものを示しています。

ハートマークだけではない愛を表現方法を学ぶのも
デザインにプラスになると思います。

力強い表現が目立ちました。

案内のリーフレットだけを見るだけでも
多様な表現を学べます。

小さな子供には刺激的な作品もあり、
やや大人向けの展覧会です。

客層は若い女性やカップルが多かったです。

一般的に美術展には中高年も多いのですが、
今回のテーマはもしかしたら気恥ずかしいのかもしれません。

企画の切り口が面白く、意欲的で作品の幅も広かったので、
美術ファンに限らず多くの方が楽しめる展示会です。

鑑賞時間として1時間半は欲しいです。
会期は9月1日まで。

マルシェの陳列に学ぶ

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
先週に続いてディスプレイの話です。

フランスにはマルシェと呼ばれる市場があります。

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パリのアリ―グルの市場を見ていて良いと思ったのは、
植物のつるや皮でつくられた籠で野菜を並べている点です。

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日本では、段ボールやプラスチック製の籠が
使われることも多く、
意外と自然素材の陳列容器は少ないです。

陳列の手間や什器の管理などを考えると、
段ボールやプラスチック籠は効率面で優れており、
価格競争が厳しい中では悪くない選択だと思います。

ただ、私は皮やつるで作られた籠の方が
自然な印象や農家から直接買うような感じがして、
買ってみたい気になりました。
(旅先では調理しないので、実際に買いませんでしたが)

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木の箱にたくさん積み上げている、上の写真も良いですね。

自然素材の容器は野菜との相性がよいのでしょう。

また、量感陳列と言って山盛りに積むことで、
お客様の購買意欲を刺激しています。

八百屋でも籠での陳列がなされていました。
段ボールでの陳列と両方使っています。

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店や商品によっては、自然素材を使ったディスプレイを
試してみてはいかがでしょうか。

演出効果は高いですし、
効率重視の大企業より中小企業に向く戦術です。

フランスの菓子店のディスプレイに学ぶ

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
残暑お見舞い申し上げます。東北以南は猛暑ですね。

今日のテーマは色を使ったディスプレイです。
写真はパリのモンマルトルにある
Biscuiterie de Montmartreというお店です。

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ビスケットやマカロンを売っています。

このマカロン、買いたくなりませんか。
お菓子の楽しさが感じられます。

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リーフレットなどもきちんと作られています。

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フランス語と英語が併記されています。

視覚でお客様に訴求するディスプレイは、
ビジュアルマーチャンダイジング(VMD)の中心的なテーマです。

豊富な色彩バリエーションを揃え、上手に並べることで、
単品を見せるよりも購買意欲がぐっと高まります。

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マカロンの味もひとつひとつ異なっているので、
色が異なるのは当然ですが、もし同じ味だとしても、
カラーバリエーションは豊富な方がよいですね。

日本にも似たものに紅白まんじゅうがあります。
和菓子の世界も色彩や造形にとても力を入れています。

また、パッケージのデザインには高級感があります。

買う時も、どの味のマカロンを買うかを尋ねるだけでなく、
箱の色を何色にするかまで尋ねられました。

ひとつひとつ目の前で詰めてくれましたが、
マカロンを箱に並べていく様子は、
配色による芸術の制作にも見え、買う楽しさがありました。

別の菓子店の店頭ディスプレイも以下の通りです。
パッケージ箱も含めて、楽しく気持ちが高揚します。

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皆さんの会社も商品のカラーバリエーションや並べ方で
もっと売上が伸ばせるか考えてみてはいかがでしょうか。

装飾芸術美術館

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。

この2日間はfacebookの私のメッセージ機能に
トラブルがあって対応に追われました。
悪質なメッセージが届いてしまった方にお詫びいたします。
申し訳ありませんでした。

さて、今日のテーマはパリの装飾芸術美術館です。
ルーブル美術館と同じ並びにあります。

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モードとテキスタイルの美術館と広告博物館も
装飾芸術美術館と併設されています。

共通チケットで3館見ることができます。

実質的にひとつの美術館として運営されていて、
3館に境界がある感じではないです。

しかし、残念なことに私が見たかった広告博物館は
訪れた時に改装しており、入れませんでした。

装飾芸術美術館の展示室内は撮影禁止で、
写真はロビーや階段の踊り場からのものです。

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日本語の館内案内パンフレットはなく、
フランス語版や英語版のみです。

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デザイン関係者など、
やや玄人好みの美術館と言えるでしょう。

入場者もそれほど多くはありません。

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時代によって変わっていく
家具・インテリアの装飾がよくわかります。

しかし、昔の流行でも
しっかり美意識が貫かれたデザインはみどころがあります。

またいつか流行るかもしれません。

以下のサイトはとてもわかりやすいのでお薦めです。
メゾン・デ・ミュゼ・モンド
http://www.mmm-ginza.org/museum/special/backnumber/0701/special01.html