ビジネスマンのための「行動観察」入門

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
また横浜に台風が接近しています。今年は当たり年ですね。

今日は、デザイン思考で重視されている
フィールドワークについて参考になる書籍のご紹介です。

ビジネスマンのための「行動観察」入門
講談社現代新書、著者は松波晴人さんです。

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行動観察は、被験者がどのような行動をしているかを
じっと観察する調査手法です。

そして、その行動の背景にある意識やニーズをつかむことで、
問題解決や商品・サービスの開発に活かそうとするものです。

人々は勝手の悪い商品・サービスでも
“その商品・サービスはそういうものだ”と思う傾向があり、
不満を不満と感じてないことがあります。

そのような場合、従来のようなアンケートやインタビューでは
不満を抽出することができません。

そのため行動観察は、従来の調査では得られない気づきや
仮説が得られるとして注目を集めつつあります。

松波晴人さんは日本における行動観察の第一人者です。

同書は豊富な実体験・実例をもとに
行動観察がどのようなしているかが記されてます。

ワーキングマザーのニーズや、
イベントでの集客・販売向上のノウハウ収集、
達人の記憶術の秘密にせまるなどの事例が書かれています。

著者の実体験をなぞるように書かれているので、
ストーリー性があって読みやすいです。

私もこの記事を書くために同書を読み返したのですが、
あらためて良書だと思いました。

気づきがとても多いです。
繰り返し読みたいお薦め本です。

コンサルタントとして、現場、現物、現実を
重視する三現主義を大切にしていますが、
行動観察も三現主義と通ずるところがあります。

虚心坦懐にお客様の行動に目を向けると、
新たな改善点が見つかると思います。

第三者の方が先入観なく観察しやすいのは事実ですが、
中小企業経営者の皆様も、行動観察で
自分の会社の現場をあらためて観察すると、
新たな気づきが得られると思います。