G展2013(2)

こんばんは。中小企業診断士の山口達也です。
G展のレポート続編です。
今年は1212件がグッドデザイン賞に選ばれました。

グッドデザイン・ベスト100の中から紹介を続けます。

マスキングカラー
壁などに描いて、乾いた後に簡単に剥がせる水性塗料です。

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安全に使え、子どもが自由にお絵描きしてもよいですし、
店などの装飾に使えます。

東京ビジネスデザインアワードで提案されていました。

もともとは工業製品の表面保護に使われていた塗料を
デザイナーの小関隆一さんが
新しい切り口で商品提案したものです。

アワードでは、最優秀賞や優秀賞は取れなかったのですが、
私にはデザインの完成度が一番高く感じられ、
一番気に入った商品でした。

STORES.jp
オンラインストアが最短2分で作れるというwebサービスです。

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商品が5つまではなら無料です。
無料でもクレジットカード決済機能などが搭載されています。
(購入金額の5%が決済手数料として発生します)

月額980円のプレミアムプランで、
掲載できる商品アイテム数が無制限となり、
メールマガジンやクーポン機能、アクセス解析機能がつきます。

その他、プロカメラマンによる商品撮影サービスや、
商品の保管・発送代行サービスなどが格安で利用できます。

webサイトのデザインの自由度も高く、
ショップオーナーにとって、とても良さそうなサービスです。

開設1年で5万店を超えたようです。

今度、私も試しにサイトを作ってみようかと思っています。
良かったらまた皆様にご紹介しますね。

P.G.C.D. ロシオン エクラ
化粧品のパッケージが評価されました。

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美しいガラス瓶と、詰め替えリフィルのパッケージです。

化粧品では容器の美しさも重要な要素ですが、
瓶を使い捨てにするのは環境に悪い意識がありました。

一方で、ユーザーが中身を詰め替えパックで
入れ替えるには衛生面で抵抗があるものでした。

そこで透明な薄いプラスチック製容器に入ったリフィルを
開発し、リフィルごと詰め変えるデザインを新たに開発しました。

使っている途中の状況が美しいのか気になりますし、
外側のガラス瓶も使い続けるうちに、
汚れがに気になるのではないかなど、
いろいろ思ったのですが、新しい試みに拍手を送りたいです。

他にベスト100に入ったデザインには、
グーグルマップ、くまモン、ロケットのイプシロン、
武雄市図書館などがありました。

ベスト100の展示以外の会場をご紹介します。
第2会場はこんな感じです。

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次は第3会場の様子です。

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第3会場で目に留まったのが、
西友の「みなさまのお墨付き」でした。

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消費者テストの支持率が70%以上のものだけを商品化した
プライベートブランドです。

支持率も88.2%のように、
それぞれの商品POPに書いてあって面白く、
買う時の参考になります。ロゴも力強くて良いです。

第4会場と第5会場です。

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第4会場は東芝やニコンなど、
第5会場はヤマハ発動機やトヨタ、ホンダなどの
展示がありました。

数回にわたってレポートすると前回お伝えしましたが、
2回でまとめきって今回で完結にします。

G展2013(1)

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。

グッドデザイン賞展「G展」、
GOOD DISIGN EXHIBITION 2013のレポートです。
数回にわたってお届けします。

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10月30日から11月4日まで東京ミッドタウンで開催されました。
東京ビッグサイトから六本木に移りました。

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展示スペースが足りないので、第1会場から第5会場に分けて
展示されました。

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今日はグッドデザイン・ベスト100から、
私が良いと思ったデザインをご紹介します。

陰翳 IN-EI ISSEY MIYAKE
三宅一生さんとリアリティラボがデザインした照明器具です。

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ペットボトル再生繊維から成る不織布をシェードに使用し、
できるだけ1枚のシートで作成し、
接合部も目立たないようにしています。

職人の溶着技術が可能にしているようです。

シェードは骨組みがないのに堅牢性を維持し、
平らに折りたたむこともできるそうです。

影が美しい照明で、その背景にある思いや技術は芸術です。

トミタディスク
コンクリートや石畳など間から生える雑草を刈る回転刃です。

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ナイロンコードを使ったナイロンカッターに比べて、
小石などの飛び跳ねが少ないそうです。
手作業での草刈りも負担になっていました。

トミタディスクは刃先を滑らすようにして、
刃を摩耗させながら使用します。

摩耗しても連続的に刃が出てくる仕掛けになっています。
むしろ研がれて切れやすくなるというのだから驚きです。

燕地域の刃物技術が可能にしたデザインです。
素晴らしいです。

楽天スマートペイ
スマートフォンとイヤホンジャックに差し込むカードリーダーが、
クレジットカード決済端末になります。

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導入費用や決済手数料などもリーズナブルで、
入金スピードも速く、よくできたサービス、プロダクトです。

楽天スマートペイのデザイナーは佐藤可士和さんです。

セブンカフェの件を取り上げてから、すっかり私に
アンチ佐藤可士和さんのイメージがついているようですが、
そんなことはありません(笑)。

よいと思うものはよい、やや不満であれば改善の余地あり、
と素直に今後も書きます。

Paper glass」(ペーパーグラス)
一目瞭然、薄さ2mmになる老眼鏡です。

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かけた形も美しく、収納しやすいです。
堅牢性や掛け心地もキープしています。

デザイナーは河井謙治さんと景山直恵さんです。

まだ他にも素晴らしいものが沢山ありました。
次回以降、ご紹介します。

東京デザイナーズウィーク2013

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
東京デザイナーズウィーク2013のレポートです。

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デザイン、アート、ミュージックの3つのテーマで
10月26日から11月4日まで10日間、開催されました。

いくつか特徴をお伝えします。

写真撮影ができるところが増えました。
以前、屋内はほとんど禁止だったのが変わってきました。

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各社とも見せるだけでなく、
体験型の展示が増えてきました。

ドコモやサムスンは今年も力を入れていました。

写真ではお伝えできないのですが、ドコモは
来場者が自由に手を動かして光の映像が動かす体験が
できる展示でした。

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こちらのサイトに詳しく説明が載っています。
http://www.fashion-headline.com/article/2013/10/29/3802.html

サムスンは3Dプロジェクションマッピング体験が
できる展示でした。

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こちらも、さまざまな映像作品が楽しめました。

Rough展(ラフ展)は、プロダクト、インテリア、
ファッション、グラフィックなど、さまざまなデザイナーの
ラフスケッチが展示されていました。

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プロの思考回路がのぞけるようで楽しめました。

「アートを買おう」と題して、
アーティストと話をしながら作品を買える
コーナーも刺激的でした。

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数万円から数十万円の価格帯がほとんどでしたが、
近頃は若い方でも芸術作品を購入される方がいるようです。

TRY!Marketというコーナーでは、
ハンドメイド雑貨などを展示販売していました。

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こちらもクリエイターが自ら販売しています。
かなり賑わっていました。

音楽ライブもさかんに行われたようです。

いつものコンテナ展や学生の展示もありました。

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新しい企画が次々に出て、デザインやアートを
気軽に楽しめるイベントになっていました。
来年も楽しみです。

特許庁のデザイン・意匠専門家派遣

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。

今日は特許庁の知財総合支援窓口で行われている
デザイン・意匠専門家派遣をご紹介します。

特許庁が全国の発明協会などに委託して実施している
知財総合支援窓口」では、特許権や意匠権、商標権などの
知的財産権の相談に無料で応じています。
http://chizai-portal.jp/about/index.html

知財総合支援窓口では、窓口相談だけでは解決が難しい課題は、
弁理士やデザイナーなどの派遣を行っています。

この専門家派遣は、あまりネットでも周知されておらず、
広報も弱いので、特にデザイン分野については、
どのような支援が行われるのか、
一般にはほとんど知られていません。

しかし、特許庁広報誌10・11月号で特集記事が組まれました。
http://www.jpo.go.jp/cgi/link.cgi?url=/torikumi/hiroba/kohoshi_tokkyo.htm

読むと、かなりイメージしやすくなると思います。

専門家が応じるのは相談なので、デザイン制作や
知的財産権の出願書類の作成は依頼できませんが、
無料で専門家が事務所に来てくれるありがたい制度です。

商品開発を行っている中小企業に特にお勧めします。
デザイン開発や意匠出願のタイミングなどの
アドバイスが受けられます。

また、マーケティング戦略や事業展開のヒントが
得られる可能性もあります。

国立と私立の初の共同展覧会「モネ、風景をみる眼」

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。

箱根のポーラ美術館と上野の国立西洋美術館が共同で企画した
「モネ、風景を見る眼―19世紀フランス風景画の革新」
が開催されています。

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クロード・モネの作品を中心とした展覧会です。
作品の良さについてのコメントは他の専門家に任せます。

今回、私がお伝えしたいのは、私立と国立の美術館が
初めて共同企画し、それぞれの収蔵作品を相互に貸し出して、
それぞれで開催するという企画内容です。

2013年7月13日から11月24日まではポーラ美術館で、
12月7日から2014年3月9日までは国立西洋美術館で開催されます。

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展示作品は当然同じものが多くなるようですが、
一部は異なるみたいです。

今回をきっかけに、国立、私立に主体にとらわれず、
学芸員同士でどんどん連携して、
運営者を動かすようになるといいです。

近頃はキュレーターという言葉をよく聞くようになりました。

人々の関心を呼び起こしたり、気づきを与えたりするような
企画や展示の仕方を期待したいです。

熱心なファンにとっては、同じ作品を2館がどう並べて見せるかも、
見どころになるでしょう。

他と連携して、どう面白い企画を考えるか、
ビジネスチャンスはたくさんありそうです。