アンディ・ウォーホル展 永遠の15分

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
明日からゴールデンウィークです。

今日は、連休に近場のアートに触れたい方に
ぴったりの話題です。

森美術館の「アンディ・ウォーホル展 永遠の15分」のレポートです。

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アメリカに生まれ、現代の大量生産、大量消費などを
題材にとりこみ、ビジネスや大衆を意識したアーティスト
といえるアンディ・ウォーホルの回顧展です。

館内は撮影禁止なので、写真でご紹介できないのは残念です。

ウォーホルの幼少期から晩年まで、
制作物や関心の移り変わりを堪能できます。

私は2時間以上じっくり見て回りました。

クライアントの要望を聞くデザインであったり、
商業的なアート作品もたくさんあります。

初期の商業デザイナーの頃の作品や注文肖像画などです。

シルクスクリーンを用いて、
工場で大量生産が可能な作品も現代的です。

また、芸術家として、大量に出回るもの、
反復される社会を切り取った作品もあります。

ケネディ大統領夫人の写真やドル記号、
毛沢東を題材にした作品などが、
それにあたると思います。

新しい色使い、ヘリウムガスを用いた銀の雲、
キャンベルスープ缶、実験映画、写真ボックスなど、
タブーを恐れず前衛的に挑戦し続けた芸術家でもあると感じました。

それでいながら、世界の政治家、一流の文化人との交流など、
ビジネス的な巧みさも感じます。

「お金を稼ぐことは芸術、働くことも芸術、
うまくいっているビジネスは最高のアートだよ」
という言葉も残したそうですから、

ウォーホルにとっては、労働も錬金術も、
さまざまな人との交流も芸術なのかもしれません。

刺激に満ちた展覧会です。

展覧会会場入口手前にあった
BMWのアート・カーは撮影できましたのでご紹介します。

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また、展覧会を見終わった後に、
隣接のアンディ・ウォーホル・カフェで
一休みするのもいいでしょう。

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ホットドッグセットです。
キャンベルスープ缶のクラムチャウダーを私は食べました。

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カフェには、レイン・マシンという作品も展示されています。

話は展覧会に戻りますが、ウォーホルの作品の意図は、
本人によって語らなかったものが多いので、わからないままです。

見る人によって受け取り方はさまざまだと思いますが、
現代社会を切り取った作品が、社会の一面を
いつもとは違って形で映し出しています。

会期は5月6日まで。
知的刺激を求めて出掛けてみてはいかがしょうか。

目次(0421~0440)

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
今日は目次をお届けします。

2013年12月13日~2014年4月22日分
記事ナンバーとタイトル

440 目次(0421~0440)

436、437、439は書籍、雑誌の紹介です。

439 発想する会社!
438 木造の大型商業施設「サウスウッド」
437 日経デザイン「経営をトガらせるデザイン活用術」
436 知識デザイン企業

435 デザイン費用に使える小規模事業者持続化補助金

432~434は、消費税率の引き上げへの対応について書きました。

434 消費税増税後、4月から企業はどうすべきか?
433 消費税率アップによる節約意識と消費減はどの程度か?
432 消費税増税前の駆け込み需要を取り込もう

431 昭島市商工会でデザイン・販売促進の講演をします
430 かわさき産業デザインコンペ2013
429 社長のデザイン
428 日本のデザインミュージアム実現にむけて展
427 Tokyo Midtown Award 2013
426 東京ミッドタウン デザインタッチ2013
425 講演:西東京商工会「アベノミクス時代の経営の新常識」
424 謹賀新年2014 76万ページビュー突破!
423 2013年をブランドで振り返る
422 2013年をデザインで振り返る
421 講演「自分で作るチラシデザインのイロハ」

420 目次(0400~0420)

今後ともよろしくお願いいたします。

発想する会社!

こんにちは。中小企業診断士の山口達也です。
今日は書籍のご紹介です。

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発想する会社!
世界最高のデザイン・ファームIDEOに学ぶイノベーションの技法
トム・ケリー 早川書房

今さら紹介するのも、はばかられるくらい、
デザイン思考を学ぶのに欠かせない基本の一冊です。
2002年の出版です。

アメリカのデザインコンサルティング会社である
IDEO(アイディオ)のデザインプロセスを
ゼネラルマネジャーのトム・ケリーが語っています。

先日、日本経済新聞の電子版でも記事になりました。

「日本人よ、創造力を解き放て」
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK0903H_Z00C14A4000000/
(日経電子版の会員でないと全文を読めません)

IDEOのデザインプロセスは次の5段階を経ます。
理解→観察→視覚化→評価とブラッシュアップ→実現

このデザインプロセスは、
物のデザイン以外の課題解決にも応用されており、
この10年あまり、デザイン思考(Design Thinking)と呼ばれ
注目されてきました。

デザイン思考では、消費者へのインタビューより、
現場の観察を重視しています。

観察の項にある小見出しには以下のような言葉があります。

・左利きの人の身になる
・無茶な使い方をするユーザーにも対応する
・ルールを破る人びとを見つける

これらにイノベーションを見つけるヒントがあるのです。

そして見つけた事象の問題解決に
ブレーンストーミングが使われています。

「IDEOではブレーンストーミングはほとんど宗教みたいなもので、
ほぼ毎日、まるで礼拝のように行なっている。」

と書かれていますから、その実践度は世界最高のレベルでしょう。

有効なブレーンストーミングの進め方も書かれています。
このブレーンストーミングの項だけでも
買う価値のあると思います。

同書には職場風景が多く語られており、
チャレンジングでチームワーク重視、
主体的でありながら自由を尊重する文化が感じられます。

ページ数は多めで、理論的にまとめた感じではないので、
ちょっと冗長さを感じるところもあるのですが、
生の臨場感、現場の雰囲気が残ったIDEOらしい一冊です。

優れたアイデアがほしい企業や、
商品開発する方、クリエイティビティを追求したい方に
お薦めの本です。

手法をそのまま真似するだけでも、
いろいろとアイデアが生まれるはずです。

木造の大型商業施設「サウスウッド」

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。

今日の話題は、横浜のセンター南駅に昨年10月に
オープンした商業施設「サウスウッド」です。

それほど大きな商業施設ではありません。

「グリーン・ネイバーフッド」というコンセプトを
掲げています。珍しいお店が多いわけでもなく、
駅前の地元の商店街に近いです。

この施設の特徴は建築にあります。

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木造での大規模建築は、建築基準法が定める耐火性を
クリアすることが難しかったのですが、
竹中工務店の「燃エンウッド」という技術で、
柱の外側に木材が露出した大規模建築が実現しました。

天井の梁も木で、いたるところに木が感じられる造りです。

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また、1階は外から通り抜ける大きな通路があり、
開放感があります。
アーケードの中にいるような気分です。

現在の商業施設の良さと地域密着、木材の良さが
日常的に人を吸い寄せる魅力を放っています。

ショッピングセンターとは異なる、
外の世界や自然とつながったサウスウッドのような
タイプの商業施設は、さまざまな街にできるかもしれません。

日経デザイン「経営をトガらせるデザイン活用術」

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
横浜も昨日、桜が満開になりました。

昨日で「笑っていいとも」が終わりました。
私が人生で一番見たバラエティ番組だと思います。

32年間、月曜から金曜日まで
毎日笑いを届け続けたことは偉業ですね。
いつも大いに楽しませていただきました。
感謝しております。

さて、今日は日経デザイン3月号の話題です。
特集は「経営をトガらせるデザイン活用術」でした。

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中小企業の事例が特に多い特集で、
興味深く読みました。
いくつかご紹介します。

ハリオの商品開発システムは
「FMS」(ファザー&マザーシステム)と呼んでいる
仕組みで、Fatherである営業とMotherである商品企画者が
協力してSonである製品を世に送り出していくものです。

営業、デザイナーの担当を一人ずつ決め、
両者が責任をもって商品を世に送り出しています。

このシステムは20年間運用しているそうですから、
かなり実践的なノウハウです。

リサーチも社内デザイナーが行い、
デザイナーがパッケージやコピーまで手掛けるそうです。

意見の対立があっても、その克服する策を一緒に考えることが
商品開発の失敗確率を減らすことができるのだと思います。

担当が一人ずつであることも良いと思います。
人数が多すぎるとエッジの効いた商品が作りにくくなりそうです。

「かみの工作所」の福永紙工の
デザイナーの活用システムも初期費用を抑えたい
中小企業にはとても参考になるはずです。

中堅中小はDesignで輝くの記事では、
「営業できる社内デザイナーを育て 下請けから提案型企業へ脱皮」
という題名で、樹脂製品の成形メーカー、本多プラスを
紹介していました。

デザイナーに実際に工場での製造現場に配属し、
その後、営業をさせることで、提案型企業として
業績を伸ばしています。

特集は、経営者がデザインを理解、活用し、
またデザイナーも経営リテラシーを上げることが
成功率を上げるためには必要というまとめでした。

私も同感です。
経営とデザイン、両方を良く学ぶことがやはり重要です。