代官山デザインデパートメント

こんにちは。中小企業診断士の山口達也です。
seesaaブログの調子が悪く、朝はアップできませんでした。

今日は「代官山デザインデパートメント」のご紹介です。

10月24日から11月3日まで代官山蔦屋書店にて
開催されているデザイン見本市です。
代官山デザインデパートメント:DDD_2014


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昨年から始まったイベントです。
今年初めて行きました。

写真は屋外マーケットです。購入できるものばかりです。

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自動車BMWの展示もありました。
声もかけられましたが、買えないので会話はわずかです(笑)

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蔦屋書店の中にも展示、販売がありました。
建物内は撮影できないので写真はありません。

イベントの規模は私が事前に想像していたほど、
大きいものではありません。

通常の蔦屋書店の営業にプラスアルファされた感じです。

初めて見るデザインがたくさんあります。
デザインに関心がある方には刺激になるはずです。

代官山デザインデパートメントは無料なので、
さまざまな人が会場にいます。

蔦屋書店、代官山T-SITEの客層に向けて出展できることは、
企業やデザイナーにとって魅力でしょう。

デザイン好きとは別に、
新しいものやライフスタイルへの感度が高い層と
接点が持てるからです。

そういう意味では蔦屋書店の展示よりも
屋外マーケットの方が出展者にとって魅力的だと思いました。

ただ、イベントの全体像や会場レイアウトが
分かりにくい点は改善の余地があるかもしれません。

来年以降に期待したいところです。

今週末はマーケットの規模も広がり、
トークイベントが開催されるなど、
イベントの盛り上がりはピークに達します。

お近くの方は散歩がてらに行ってみてはいかがでしょうか。

デザインの教科書

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
今日は書籍のご紹介です。

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デザインの教科書
柏木 博、講談社現代新書

柏木さんは日本のデザイン評論の第一人者です。
本書はデザインの意味やデザインの歴史について、
たっぷり語った一冊です。

デザイン技法の解説書、ハウツー本ではありません。
デザインに関わる人に向けた教養書の趣きがあります。

章の構成は次のようになっています。

第1章 デザインって何?
第2章 20世紀はどのようなデザインを生んだか
第3章 心地良さについて
第4章 シリアスな生活環境のためのデザイン
第5章 デザインによる環境問題への処方
第6章 デザインを決める具体的要素
第7章 趣味とデザイン
第8章 デザインの百科事典─デザイン・ミュージアムの展示

私の日々の仕事の中では、目の前の商品や販促物を
どうデザインしたら企業の業績が良くなるかと
考えることに意識が行きがちなのですが、

経営にこだわらずにデザイン総論を学べたことは、
広い視野をもつことにつながり、
いつか何かの役に立つような気がします。

手のとどかない高さにあるものをとるために、
椅子の上に乗ることもデザイン。

小川を渡るのに、体を濡らさないように、
飛び石の上を選んで歩くのもデザイン。

そうした視点を与えられると、
人の生活のあらゆる行為がデザインだと考えることができます。

自らのデザインが
文化や社会にどう影響を与えるのかを考えながら
デザインすることも大切だとあらためて認識しました。

やさしい内容ではありませんが、
デザインの可能性をまとめた一冊とも言えます。

光と風と木々が芸術と響きあう清春芸術村(2)

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
台風が過ぎ去って横浜は秋が深まってきました。
今日は山梨県北杜市の清春芸術村のレポート続編です。

清春芸術村の中心的な施設である、
清春白樺美術館と光の美術館をご紹介します。

清春白樺美術館は1983年に、
「白樺派」の作家が理想としていた美術館を
吉井長三さんが具現化しようとつくられました。

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雑誌「白樺」の展示だけでなく、
ジョルジュ・ルオーのコレクションも特色です。

清春白樺美術館も前回のブログでご紹介した
ジョルジュ・ルオー礼拝堂と
同じく谷口吉生さんが設計しました。

ルオー礼拝堂は1986年竣工なので、
清春白樺美術館の方が先に開館しています。

館内は邸宅のような感じでやわらかい雰囲気です。
その中で、暗めの重厚感がある作品が多いことが
印象的でした。

企画展も行っています。19日までは東山魁夷展です。

光の美術館は安藤忠雄さんが設計した小さな美術館です。
2011年に開館しました。
アントニ・クラーべの絵が展示されています。

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照明を使わず、天井や外壁の一部からの自然光で
館内を照らす建築に特徴があります。

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館内の写真は撮影できなかったので、webサイトをご覧ください。
http://www.kiyoharu-art.com/hikari/hikari-top.html
ぜひ内観の写真もご覧ください。

日や時間によって作品の見え方が変わります。

館内に差し込む光と、歩くことで同じ作品を
上下左右、斜めから眺めて楽しめる魅力があります。

清春芸術村へのバスは休日だと1日3本なので、
車もしくはタクシーがお薦めです。

私は9月の土曜日の昼に行きましたが、
私が着いたときに駐車場に停まっていた車が15台、
ひとつは練馬ナンバーで、他は山梨ナンバーでした。

清春白樺美術館は私のほかにいたのは2人だけでした。
光の美術館は私ひとり占めで楽しみました!

都会では味わえない贅沢です。
ぜひ静かにじっくり好きなだけ鑑賞してください。

たくさんの芸術家、作家、建築家から刺激が得られます。

光と風と木々が芸術と響きあう清春芸術村(1)

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
今日は山梨県北杜市の清春芸術村のレポートです。

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清春芸術村とは、清春白樺美術館など
いくつかの芸術関連の施設を集めた場所です。

清春小学校の跡地につくられました。

吉井画廊会長の吉井長三さんが、
1980年に私財を投じてつくったそうです。

桜の名所でもあり、清春の桜を見た評論家の小林秀雄が
芸術村をつくることを薦めたそうです。

のどかで、静かで、美しい場所です。
桜の季節は本当に美しいでしょうね。

芸術村に入ると入口正面に
「ラ・リューシュ」というアトリエ兼住宅があります。

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フランス、パリのモンパルナスに実際にある
建物を模して造られました。

残念ながら中に入ることはできません。
入口から中を写した写真です。

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清春芸術村の特徴は建築の面白さにもあります。
さまざまな有名建築家の建築物があります。

美術だけでなく、建築が好きな方が
多く来ていると思われます。

藤森照信さんが設計した
樹齢80年の木の上の茶室「徹」(てつ)です。

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谷口吉生さんが設計したジョルジュ・ルオー礼拝堂です。

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コンクリート打ち放しの礼拝堂ですが、建物内には
宗教画家ルオーの絵画やステンドグラスがあります。
雨の日には入れないようです。

面白い彫刻などもあります。

エッフェル塔のらせん階段、改修前の本物を運んできました。
塔の左にある像はセザールの像です。

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セザールは親指の像をつくっています。いいね?!

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清春芸術村は30年以上前からつくり始められています。
いまも理想の芸術村へ進化を続けています。

屋外の自然と芸術が一体となった美しさを
見せた点では日本の先駆けといえるでしょう。

額縁ではありませんが、
自然が美術作品をより豊かに見せてくれます。

またその逆に、芸術には自然の美しさを
より感じさせる力ももっていると思います。

芸術と組み合わせることで、都会にはない、
その土地、自然風景の魅力を示してくれました。

光や風や植物も含めた空間の良さを
心と体で感じて楽しむ場所です。

次回は清春芸術村の現在の中心的な施設である
清春白樺美術館と光の美術館をご紹介します。

小さな会社を強くするブランド作りの教科書

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
書籍のご紹介です。

小さな会社を強くするブランド作りの教科書
岩崎邦彦、日本経済新聞社

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著者は、静岡県立大学の教授ですが、
静岡県でつくられる高糖度トマト「アメーラ」
を生産するサンファーマーズとともに、
社外ブレーンとしてアメーラのブランドづくりに
取り組んできました。

本書の特徴はブランド論で語られる内容について、
全国の消費者1000人、東京都の消費者1000人、
全国の中小企業経営者1000人を対象に調査し、
統計的に検証した点です。

さまざまな分析から、強いブランドをつくるために
決定的に重要な次の二つの要因を導き出しています。

・明確なコンセプトがあり、消費者の心の中に明快なイメージが形成されている
・売り手のセンスやデザイン力などによって、消費者の感性に訴えている

単に機能や品質が優れているだけでは、
強いブランドにならないとも主張しています。

また、強いブランドに見られる特徴も抽出しています。
あまりブログに書くと良くないので、
その特徴が気になる方は同書をご覧ください。

ブランド論ではおなじみのブランド・アイデンティティの
設定に求められる条件や、
プロモーション、訴求方法について著者の主張もあります。

著者は、実際にブランドづくりを手掛けたうえで、
さまざまな人の意見、考えを統計的にまとめています。

実践や個人の感覚だけに偏らず、
理論としてまとめている点は同書の一番の良さです。

ところどころの説明は、わかりやすさ優先で、
全ての説明が論理的・実証的ではないのですが、

語りかける文体で、経営者をやる気にさせる
本の構成は著者らしいですね。

同書は一般の経営者に向けて書かれたものですが、
ブランド論の実証に関心のある方にもお薦めします。