おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
今日は書籍のご紹介です。
ブランド論
デービッド・アーカー、ダイヤモンド社
アーカー教授の著書はいくつかご紹介してきましたが、
本書は昨年9月に発売された一冊です
これまでのブランド論の集大成です。
特に新しい主張があるという印象は受けませんでしたが、
ブランディング、ブランドマネジメントに関する
基本原則を20項目にまとめています。
本書では、これまでブランド・アイデンティティ、
と呼んでいたものをブランド・ビジョンと呼び換えています。
どうもCI(コーポレートアイデンティティ)と
イメージが混同されることがあるようで、
誤解を減らすため呼び方を変えました。
内容は変わっておらず、
お客様にブランドをどう思われたいかや、
そのブランド(自分たち)が目指すもの、
を示すと思っていただいてよいです。
これまでの本に比べると学術的な要素が少なめで、
コンパクトにエッセンスをまとめています。
ブランドマネージャーをはじめとした実務家にとっては、
課題に直面したときに、その項目だけを読む使い方もできます。
(しかし、まずは第4章までは通読することをお薦めします。)
事業戦略、イノベーション、組織などとブランドの関わり方や、
ブランド・ポートフォリオをどうするかなど、
幅広くポイントは網羅されていますので、
何冊も分厚い本を読みこなす苦労はしなくてもよくなりました。
多くの企業の実情を多く見てきたアーカー教授らしく、
世界市場に展開する大企業を中心にさまざまな業種に適応する、
柔軟性のある実務的なブランド論です。
きちんと勉強したい人向けの入門編として使える一冊です。