クラウドソーシング発注業務の首位はデザイン

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。

今日の話題は2014年版中小企業白書に取り上げられた
「クラウドソーシング」です。

クラウドソーシングとは、インターネットを通して
不特定多数の個人また企業に仕事を発注する仕組みです。

発注者と受注者を仲介するwebサイトがあり、
そのサイトを通じて取引相手を見つけます。

仕事の依頼先を見つけるwebサイトは昔からありました。
例えば「楽天ビジネス」「NCネットワーク」
「ザ・ビジネスモール」などです。

それらのサイトと比べたクラウドソーシングの特徴は、
受注者に専門業者だけでなく、主婦や定年退職したシニア層などの
一般個人が多く存在することだと思います。

白書p.381、
第3-5-9図「クラウドソーシング会員数の推移」によれば、
2013年時点でクラウドソーシング運営4社の
会員数は91.6万人に達しています。

重複して登録している方もいると思われますが相当な人数です。

クラウドソーシングの認知度も上がってきていますので、
さらに登録者は増えていると推測します。

さて、クラウドソーシングではどのような仕事が
依頼されているでしょうか。

白書p.382、第3-5-10図
「クラウドソーシングサイトで発注する仕事の内容(複数回答)」
によると、

デザイン関連 55.1%
ウェブデザイン関連 42.2%
ウェブ開発関連 28.9%
ライティング関連 22.3%
作業関連 17.8%
サーバー・システム
開発関連 10.1%
画像・動画加工関連 8.7%
上記にないその他の仕事 10.8%

となっています。
デザインとウェブデザインが1位、2位です。

専門業者のようなスキルがない一般個人は
データ入力作業などの受注が多いようですが、
腕に自信のある個人もデザインも引き受けているようです。

中小企業にとっては、
デザインの発注しやすい環境が整ってきたといえます。

次週もクラウドソーシングについて書きます。

クリエイティブコモンズは著作権フリーではない

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
桂米朝さんが亡くなりました。好きだったので残念です。

先週はマイクロソフトのクリップアート提供が
終了したことに関する記事でした。

クリップアートの提供を終了する替わりに、
マイクロソフトはBing検索を使って
イメージ(画像)検索した画像を使ってほしいと広報しています。

そのことについて私は、著作権を意識しているビジネス利用者は
現状のBing検索による画像使用を嫌がると見ていると述べました。

今日はその理由についてです。

Bing検索で表示される検索結果は、
クリエイティブコモンズによって
ライセンスされている画像です。

クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの
説明は以下のwebサイトをご覧ください。
クリエイティブ・コモンズ・ジャパンによるライセンスの説明
http://creativecommons.jp/licenses/

詳細な説明は省きますが、
おおまかに説明すると、画像の著作権者(製作者)が
条件付きで利用を認めている状態です。

著作権を放棄しているわけではないことに注意が必要です。

具体的には「改変・加工しなければ」
「営利目的でなければ」「画像の横に著作者の表記をすれば」
などといった条件の範囲内で使用を許諾している状態です。

これらの条件は画像ごとに異なります。

Bing検索者は画像が掲載されているwebサイトを
ひとつひとつ確認して、条件を確認しなければなりません。

条件がわかりやすい位置に記されていないケースもありますし、
英語のwebサイトも多いです。

著作権に配慮する健全なビジネスパーソンにとっては、
権利関係を調べる手間を面倒に感じてしまい、
どうしても使いたい画像でなければ、
Bing検索の画像使用はしないようになると想像します。

マイクロソフトはクリップアートをビジネスで用いる文書や資料の
挿絵として使用することを広い範囲で認めていましたから、
仕事ではかなり使いやすかったのですが、
日本企業は今後、素材集を買うか、別のサイトから探してくる、
といった対応をすることになりそうです。

著作権を知らない個人が勝手に自由に使うケースも出てきそうです。
その点は心配ですね。

クリップアート終了に見えるマイクロソフトの焦り

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
マイクロソフトがOffice.comのクリップアート提供を
昨年12月に終了しました。

OfficeのクリップアートはWordやPowerpointの挿絵として
ビジネス利用で重宝されてきました。
私もよく利用していましたので不便を感じています。

マイクロソフトは、Office.comのクリップアートの替わりに、
Bingによるネット検索で画像を探して使ってほしいようです。

マイクロソフトには、Bingの利用数を増やしたい
狙いがあるものとみられますが、
Bing検索は新しい機能ではないので、
利用者が喜んでいることはないと思われます。

グーグルへの対抗心によって、Officeの利用者は選択肢を失いました。

Windows8もスタートボタンがなくなり、
パソコンでは使いにくくなりました。

Windows8がタブレット端末での操作性を
重視して作られたためと思われます。
こちらもアップルなど他社に対する焦りが感じられます。

マイクロソフトは他社との競争に意識が働きすぎて、
利便性を置き去りにしていないでしょうか。

ソフトウェアに見られるネットワーク外部性
(みんなが使っているので私も同じものを使う)によって、
パソコンソフトの首位に立っているのであって、
使いやすさが断然の首位なのではないと
自らを戒めていないと、いつか足元をすくわれかねません。

挿絵のない資料は味気なく、イラストへの需要はありますので、
他社にとってはビジネスチャンスかもしれません。

競合他社がイラスト提供を始めたら、マイクロソフトは
元に戻せばよいと思っているのかもしれません。

Office.comのクリップアートでなくても
Bing検索で出てきた画像を使えればよいではないか、
と思った方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、著作権を意識しているビジネス利用者は
現状のBing検索による画像使用は嫌がると見ています。
その理由はまた次回に。

クリップアート終了の詳細はOfficeブログをご覧ください。
http://blogs.technet.com/b/microsoft_office_/archive/2014/12/05/clip-art-now-powered-bing-images.aspx

スイスデザイン展

こんにちは。中小企業診断士の山口達也です。
今日は東京オペラシティアートギャラリーで開催されている
スイスデザイン展のご紹介です。

スイスデザイン展01.jpg

日本とスイスの国交樹立150年に合わせて開催されています。

とても充実しています。
デザインの勉強には最適の展覧会です。

スイスデザイン展02.jpg

スイス国旗「スイスクロス」のデザインの解説や、
スイス航空のデザイン展開、スイスの製造業のデザイン、
グラフィック、建築デザイン、家具、タイポグラフィなど
スイスのデザインがまるごと見られます。

スイスデザイン展03.jpg

建築家のル・コルビュジエと、
バウハウス最後の巨匠とも呼ばれる、
モダンデザインの旗手マックス・ビルを特集した展示もあります。

100年以上前のデザインから
現在のスイスのデザイナーの作品もありました。

あくなき美意識と力強さを感じるデザインが多かったです。

写真撮影は本格的な展示の前の部分しか許可されなかったので、
当ブログは少しだけの掲載ですが、
webサイトには多くの写真がありますのでご覧ください。
http://www.operacity.jp/ag/exh172/

フライヤーは2種類。並べて表裏を撮影しました。
デザインの雰囲気は少し感じ取れるでしょうか。

スイスデザイン展04.jpg
スイスデザイン展05.jpg

たいへん優れたデザインがズラリと並んでいます。
お薦めの展覧会です。