「No Museum, No Life?―これからの美術館事典」展

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。

今日は韓国のレポートをいったんお休みして、
東京国立近代美術館で開催中の
No Museum, No Life?―これからの美術館事典
国立美術館コレクションによる展覧会をご紹介します。

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美術館のない人生なんて考えられない、
という強い題名が付けられています。

ほとんどの作品が撮影可の展覧会です。

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この展覧会の面白さを2点あげます。

ひとつめは、国立美術館5館(東京国立近代美術館、
京都国立近代美術館、国立西洋美術館、国立国際美術館、
国立新美術館)の合同展であり、
国立新美術館以外の4つの美術館の収蔵品から
選りすぐった作品を見られることです。

普段は京都にある、
マルセル・デュシャン「泉」(1964年シュヴァルツ版)
が東京で見られます。

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ロダン「考える人」、藤田嗣治「横たわる裸婦(夢)」、
他にもたくさんの作品がありました。

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ルノワールや梅原龍三郎の作品数も比較的多かったです。

2点目は美術館の運営の裏側も感じられる展示形式です。
美術や経営を考える構成が私には面白かったです。

日本の国立美術館5館と、ルーブル美術館と
ニューヨーク近代美術館の収入額を比べた展示もありました。

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日本は収入が少ないと、
主催者はひょっとしたら言いたかったのかもしれませんが、
私は美術館が自力で稼ぐ知恵や工夫において
彼らから学ぶべき点が多いと感じました。

なぜ美術館はやたらと寒いのか?
といった謎も解けます。

同時開催されている
「MOMAT コレクション 誰がためにたたかう?」も
とても素晴らしかったです。

戦後70年の今年、芸術を通して戦争を考えることができます。

古沢岩美「餓鬼」からは、鋭い批判精神を感じました。

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思い出したくもないような情景を、
さらに鋭く描き出すには強い気持ちがあったのでしょう。

他にも多くの素晴らしい作品があります。
こちらの展覧会だけでも十分見ごたえがあります。

展示会場の一角には、
展覧会とは別に重要文化財コーナーもあります。
今は原田直次郎「騎龍観音」などがあります。

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真夏日が続く東京で涼をもとめて美術鑑賞もよいでしょう。
9月13日まで。

韓国国立中央博物館(2)

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
韓国の国立中央博物館のレポート続編です。

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幅広い分野の展示がありますが、
仏像の展示は特に優れていると思います。

目玉のひとつが半跏思惟像
(はんかしゆいぞう)です。

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出家前の釈迦が瞑想している姿だそうです。
気高さを漂わせながら
人間的な曲線もある美しい仏像です。

「延嘉七年」銘金銅仏立像

光背の裏の右上には「延嘉七年」と書かれており、
539年に制作されたと言われています。

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他にも制作に関することが漢字で書かれています。

インド、中国、韓国、日本の仏像写真を
並べて見せる展示の工夫も面白かったです。

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もともと中国から伝わった文化ですので、
当たり前かもしれませんが、私には
中国、韓国、日本の仏像の特徴の違いを
見つけられませんでした。

詳しい人が見たら、国による仏教信仰の違いや
当時の流行などの違いを見出せると思います。

展示のご紹介は以上ですが、
他にもレストランや喫茶店、
子供博物館もありました。

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ミュージアムショップも大きく
豊富な品ぞろえで充実していました。

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これだけ充実した施設が入場無料です。
国の意思を感じます。

今回、時間の都合で常設展しか見られなかったのは
もったいなかったです。

とはいえ、常設展だけでもかなり広いので
全部見るのが大変なくらいですが。

特別展は別に入場料がかかりますが、
複数の企画が開催されていますので、
何度来ても楽しめます。

またいつか見てみたいです。

韓国国立中央博物館(1)

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
今日は韓国の国立中央博物館のご紹介です。

東京国立博物館の約2倍の広大な博物館です。

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日本語対応も充実しています。

日本語版のwebサイトとパンフレットがあります。
http://www.museum.go.kr/site/main/index004

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さらに受付には日本語を話せる職員もいましたし、
日本語での常設展の解説プログラムもあるようです。

旧石器時代から近世まで、
書画、彫刻、仏像、青磁、白磁の逸品が
展示されています。

韓国の文化財、芸術品だけでなく、
日本や中国、インドなど、
アジアの芸術品も展示されています。

夜に訪問したので来館者は少なかったのですが、
静かにゆったり見てきました。

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フラッシュを使わなければ写真撮影は認められています。
展示の様子をご紹介します。

たくさんの青磁と白磁の作品がありました。

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時代や陶芸家によって作風は異なりますが、
東アジア美術の研ぎ澄まされた感性を楽しめます。

次は新羅時代の金冠と金製の腰帯です。
5世紀の作品だそうです。
金の加工宝飾技術がここまで発達していたのですね。

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展示の見せ方も良いのだと思いますが、
ツタンカーメンの黄金のマスクを彷彿とさせます。
王の権威の象徴です。

博物館の1階通路の突き当たりにある、
高麗時代の1348年につくられた「敬天寺十層石塔」。

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石の塔は日本には少ないですし、
荘厳さもあってじっくり見てしまいました。

仏像などはまた次週にご紹介します。

東大門デザインプラザ(3)

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
東大門デザインプラザ(DDP)のレポート最終回です。

博物館棟は4階建てです。
4階入口のガラスも斜めに据え付けられており、自動ドアも斜めです。
とにかくお金がかかっています。

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4階は子供向けのデザイン遊び場や
企画展のスペースがありました。

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2階から4階にかけては、デザインの遊歩道があります。
歩くだけでも新鮮な気分になります。

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2階にはデザイン博物館とデザイン展示館があります。

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それぞれ韓国のデザインが展示されていて、
内容はきちんとしたものでした。

しかし、私がひいき目なのかもしれませんが、
日本では見られないようなレベルや雰囲気の展示とまでは感じません。

私が見たのは企画展なので、
常設展や永久収蔵品のような深みを求めるのは、
もともと期待しすぎかもしれません。

展示品の撮影はしなかったので、お見せできずに残念です。
機会があればぜひ皆さんの目でも見比べてください。

デザインマーケットには、
街中で見かけるような一般的な商品や飲食店もあります。

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「デザイングッズ」として思い浮かべるもの以外も
多く売られていて、ちょっときれいな商業施設のイメージです。

デザイングッズは前回ご紹介したデザインラボの店で買う方がよいです。

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オウルリムスクウェアは駅直結の入り口広場(中庭)です。
六本木ヒルズや東京ミッドタウンにもある広場と
同じイメージで構いません。

DDPは完成して1年あまり。開館して間もないです。

建築と、施設のコンセプトは世界トップレベルですが、
展示品の充実はこれから時間をかけて
世界トップレベルへ向かっていくと思います。

東大門デザインプラザ(2)

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
東大門デザインプラザ(DDP)のレポート第2編です。

DDPにはアートホール、デザインラボ、博物館、展示館、
オウルリムスクウェア、デザインマーケットなどがあります。

アートホールは大きな展示場という感じです。
東京国際フォーラムみたいな感じでしょうか。
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私の訪問時にはイベントがなく閉館していました。

デザインラボには、デザイン製品のショップや
企画展示、セミナー室があります。
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大小あわせて20~30店ありますので、
デザイングッズのお土産を買うのにお勧めです。

日本にないグッズがたくさんあります。

2階への階段を上がるとコンクリート打ちっぱなしで
曲線と斜めに傾いた壁があるフロアにでます。

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写真を見ていると平衡感覚がおかしくなりそうです。

訪問時はわずかな展示だけでした。
その先の部屋には1回同様にショップや工房がありました。
第3月曜日は休館しているのでご注意ください。

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東大門デザインプラザは
東大門デザインプラザ&パークとも呼ばれます。

同じ敷地内にトンデムン歴史文化公園や
トンデムン歴史館があります。

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東大門デザインプラザになる前は東大門運動場として野球場や
陸上競技場だった場所の名残りでしょうか。
建築だけでなくストーリーも日本の神宮外苑に似たものを感じさせます。

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博物館や展示館などは次週にお伝えします。