ブルーボトルコーヒーは広報のうまさが光る

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
今日から大型連休ですね。

今日はブルーボトルコーヒーについて先週からの続編記事です。

日本では以前からある喫茶店のスタイルに似たところもある
BLUE BOTTLE COFFEE(ブルーボトルコーヒー)」の
人気が続いている理由は、広報とデザインが
優れているからだと考えています。

今週は広報についてお話しします。

ブルーボトルコーヒーは、
2015年2月の清澄白河ロースタリー&カフェの
開店5か月前からプレスリリースを打っています。

開店前にはレセプションパーティーをメディア向けや
地元の住民向けにも開催したようです。

以下の点を伝えて、他の喫茶店との違いを強調して
イメージを作っています。

・焙煎して豆を一番おいしくなる良いタイミングで、
コーヒーを提供していること

・焙煎所やコーヒーを淹れているところを
積極的に見せていること
(「手打ちそば」と同じイメージ。
また、メディアが好きな「絵」になる点でも価値がある。)

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・店員が一杯ずつ淹れること
(おもてなしや物語性を強調している)

・環境やコーヒー豆産地のサステナビリティ
(持続可能性)に配慮していること

・上のようなことが投資家に評価され、
多くの資金調達に成功したこと
(シリコンバレーのようなイメージ)

・アメリカで成功していること
(「欧米で流行っている」に
日本人は興味をもちやすい)

プレスリリースを見ると
「サードウェーブコーヒー」という単語は
意外にも使っていません。

下手に流行らせると一過性で終わってしまいますし、
そうした流行やグループとして扱われるのは
店の理念と違うので避けたいのかもしれません。

旗艦店としての焙煎所は大きな魅力です。

焙煎所がある清澄白河に比べて、
青山店の方が混雑していないようです。

(青山は清澄白河より座席数が
多いからかもしれませんが)

創業地のアメリカにおいては、
丁寧に一杯ずつ淹れる日本の喫茶店の
コーヒーは目新しかったでしょう。

逆に日本ではアメリカで流行っている、
がポイントです。

どこの国でも異国で流行っているものに
興味があるのかもしれません。

従来とは違う、アメリカで流行っている
コーヒーショップを
うまくメディアにアピールできたと思います。

清澄白河の来店客には、
コーヒーの味にこだわる層もいましたが、
そうではない客層(特に若年層)もいました。

私の前に並んでいた学生のグループでは、
エスプレッソとアメリカンはどっちが苦いか
という話をしていました。

コーヒーにうるさい客の会話ではないですよね。

コーヒーにミルクや砂糖を入れる客も結構いました。
(浅煎りで酸味の効いている味がわかる?)

さきほど挙げた要素を上手にアピールしてメディアに取り上げられ、
口コミになり、話題になっているから行ってみる、
新しいから行ってみる、客層もまだ多いと言えます。

私がもうひとつの成功要因と考えるデザインは来週に。

ブルーボトルコーヒーの人気は一年経過後も続く

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。

2週前にご紹介した東京都現代美術館がある
清澄白河で話題になっている店に喫茶店
BLUE BOTTLE COFFEE(ブルーボトルコーヒー)」があります。

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ブルーボトルコーヒーは、
自家焙煎した豆で1杯ずつドリップする
「サードウェーブコーヒー」のひとつとして
よく語られます。

サードウェーブ(第3の波)の前には
第1波と第2波があります。

これらの波は、私は次のように理解しています。

ファーストウェーブコーヒーは、約100年前に
コーヒー豆の大量生産が可能となり、
大量消費できるようになった浅煎りのコーヒーの波です。

セカンドウェーブコーヒーは、
スターバックスをはじめとするシアトル系コーヒーが
起こした、深煎りで香りを重視したコーヒーの波です。
カフェラテブームも含むと思います。

清澄白河ロースタリー&カフェは
2015年2月にオープンした1号店です。

先月の日曜午後に訪問したら、
1時間30分は並ぶ行列です。
3月の寒空でも並んでいました。

上の写真の右側には店に入り切れない行列が映っています。

私は平日の夕方に行きました。
営業時間は19時までなので空いていて、
少し並んだだけでいただけました。

1階は焙煎所と喫茶スペース、2階は事務所です。

喫茶スペースには、椅子はありますが、
ゆったりできるソファーではなく、
長居するカフェの雰囲気とは少し違います。

どちらかというと、倉庫を改装した焙煎所で
コーヒーも飲めるというイメージです。

ブレンドコーヒー450円、ワッフル500円(税別)でした。

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コーヒーの量は多めです。アメリカ的ですね。
(スマートフォンの写真で実際よりカップが小さく映ってます。)
味は酸味が効いていて美味しかったです。

しかし、サードウェーブコーヒーは、
日本のコーヒー好きマスターが丁寧に淹れる
喫茶店の営業スタイルと同じに思えます。

創業者のジェームス・フリーマンも
日本の喫茶店文化の影響を受けたと語っています。

実は、日本ではそれほど目新しいスタイルでは
ないのですが、これほどの人気です。

この人気の背景を次週、考えてみたいと思います。

現美新幹線は訪日観光の目玉になる可能性を秘める

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。

JR東日本が4月29日から、
上越新幹線の越後湯沢駅と新潟駅の間で
現代アートを楽しめる特別な新幹線
現美新幹線」(げんびしんかんせん)を
運行させると発表しました。

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当面は土日や大型連休に運行するようです。

「世界最速で移動する芸術」と銘打って、
新幹線の外装も内装も特別仕様で、
カフェのある車両もあります。

動画はこちらです。
http://grapee.jp/166199

しばらくはツアーによる販売が多いようですが、
一般発売のきっぷで追加料金なしでも楽しめるようです。

鉄道ファンと芸術ファンが関心を持つでしょうし、
新幹線や芸術に関心を持つ外国人も多いので、
作品を充実させると、現美新幹線に乗るために
来日する外国人も出てきそうです。

新潟は「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」など
芸術による地域振興の先進地ですが、
さらに注目を集めそうですね。

1時間で終着駅に着いてしまうのが
惜しく感じるかもしれません。

大規模改修工事前に東京都現代美術館に行こう

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
今日は東京都現代美術館のご紹介です。

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5月30日から大規模改修工事に入ります。
長期休館前の最後の展覧会が3月から開催されています。

3つの展覧会が開催中ですが、そのうち2つに行きました。
「MOTアニュアル2016 キセイノセイキ」
「MOTコレクション コレクション・オンゴーイング」

もうひとつの「ピクサー展」には行きませんでした。

私が訪れたのは3月の日曜日でしたが、
ピクサー展は入場に1時間待ちの人気でした。

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「MOTアニュアル2016 キセイノセイキ」は、
今の時代は(過剰な)規制が多すぎるとして、
タブーとされているテーマに切り込む作品が並んでいます。

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確かに、いさかいを起こすより、
無難にやり過ごそうとする風潮が
日本では強まっていると感じますので、
他者からの批判を恐れて
自主規制が増えていると思います。

規制をかけて、きわどい事を見せないことで、
私たちはそのきわどい事象や面倒な現実を
考えないようになってしまったところがあります。

作品はその現実を切り取って問題提起しています。

子供が見られないような作品もあります。

美術館の判断で、作品の展示の仕方を変えたものや
展示を留保していている作品もあります。
なにしろタブーに挑戦していますからね。

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自らに手錠をかけることを促す作品もありました。

私も自ら手錠をかけましたが、
不自由さと初体験への興味と不思議な気持ちになりました。

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今の日本や世界をとりまく環境や現実を知ることや
それらの切り取り方、見せ方を学ぶのに良いと思います。

「MOTコレクション コレクション・オンゴーイング」は
常設展示室で行われています。
今回はポップアートと紙作品を中心に展示されています。

レコードなしのプレーヤーを動かしたり止めたりして、
プレーヤーの針がこすれる音を
組み合わせて聞く作品などが展示されています。

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紙の作品は、湿度や光などで状態が悪くなりやすく、
長期間の展示を避ける傾向にあるので、
今回の公開はチャンスです。

東京都はこの数年、東京都美術館、東京都庭園美術館、
東京都写真美術館と立て続けに大規模改修をしていますが、
今年は現代美術館の改修に踏み切ります。

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改修後の現代美術館にも期待したいです。

マツダのロードスターが2016年ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー受賞

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
今日から新年度です。横浜の桜ももうすぐ満開になりそうです。

マツダのスポーツカー「ロードスター」が、
ワールド・カー・アワーズが主催する
2016年「ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー」と
「ワールド・カー・デザイン・オブ・ザ・イヤー」を
ダブル受賞しました。

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ワールド・カー・アワーズのwebサイト
および2016年の表彰結果(日本語版)
http://www.wcoty.com/web/
http://www.wcoty.com/web/japan/2016_Winners_jp.pdf

マツダのニュースリリースによると、
「ワールド・カー・デザイン・オブ・ザ・イヤー」は
日本車として初めて受賞しました。
http://www2.mazda.com/ja/publicity/release/2016/201603/160325a.html

さらに、「ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー」との
ダブル受賞は同賞創設以来初めてだそうです。

2015-2016「日本カー・オブ・ザ・イヤー」
2015年グッドデザイン・ベスト100、も
受賞しています。

上の写真はGOOD DESIGN EXHIBITION 2015の展示時の写真です。
老若男女問わず注目を集めていました。
トヨタのミライと並んでいました。

数値よりも感性を重視し、
「誰もが一瞬で心ときめくデザイン」や
「誰もが夢中になるドライビング体験」、
「誰もが開放的でリフレッシュできる気持ちよさ」を
追い求めたようです。

軽量化や安全性を大切にしながら、
運転をする喜びを与える車づくりが評価されました。

小さいスポーツカーとしての価格や
バランスなども考慮されたと思います。

デザインは野性的なのに洗練されていて
赤い車体は色気も感じられます。

日本の自動車メーカーが、
デザインで世界を制したことや、
デザインに優れた車がカー・オブ・ザ・イヤーに
選ばれたこと、は大きな価値がありますね。

運転してみたいですね。

さらに、自動運転の研究が進むなかで、
車に求められる価値も変わりつつあることを
示唆する受賞だったように思います。

自動運転が行われるようになるほど、
運転する楽しさを重視する人も増えるでしょう。

これから、操作性や適度な反応、爽快感など
運転による五感への刺激がますます重視されそうです。

なお、トヨタの「ミライ」も「ワールド・グリーン・カー」を受賞しました。
こちらもお見事です。