おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
今日の話題は伊藤若冲ブームです。
5月24日まで東京都美術館で開催されていた
「生誕300年記念 若冲展」は大盛況でした。
伊藤若冲は18世紀の京都で活躍した絵師です。
動植物を繊細で鮮やかに描きました。
伊藤若冲は、2000年に京都国立博物館で開催された
「没後200年 若冲展」から人気が出始めました。
「生誕300年記念 若冲展」の混雑も会期前から
関係者や美術ファンの間では予測されていました。
しかし、会期初日の4月22日は、
待ち時間が最長でも20分程度で、
夕方には入場待ちの行列はなかったようです。
その後、4月24日には「NHKスペシャル」が放送され、
2回の再放送を経て、
美術ファン以外への認知も高まりました。
大型連休には、
午前中に80分から120分の待ち時間が発生しました。
私も大型連休の混雑はあらかじめ予測していて、
連休が過ぎてから見に行こうと思っていました。
ところが大誤算。人気は私の想定を超えていました。
皇太子ご夫妻や秋篠宮ご夫妻も鑑賞され、
テレビ東京の「美の巨人たち」でも特集されました。
5月18日のシルバーデーには320分待ちになりました。
5時間20分待つのですよ!気が遠くなります。
結局、私は行かないまま終わってしまいました。
主催者によると会期中の来場者は約446,000人で、
1日の平均入場者数も約14,000人と
東京都美術館の過去最高の展覧会となりました。
京都ではそれなりに身近なので意外かもしれませんが、
東京では、このように異常な人気です。
上野には他にも素敵な美術館や博物館がたくさんあるのに、
4~5時間並ぶ人気の理由はどこにあるのでしょうか。
もちろん、斬新で精密な絵の素晴らしさがあります。
宮内庁や京都の相国寺の所蔵作品も見られたこともあります。
会期が約1か月と短かったこともあります。
これらの要因だけでなく、
マスコミが取り上げたことが私は大きいと思います。
私は、約5年前に嵐の大野智さんが伊藤若冲の魅力を
テレビで語ったところで知るようになりました。
その後、雑誌、メディア、イベントで取り上げられることも
増えていったように思います。
今回の企画展に合わせた雑誌も本当に多かったです。
ちょっとした美術ファンにも広く浸透したところに、
企画展の存在が知られたのでフィーバーしたのかもしれません。
近年、人気が高まりつつあったとはいえ、
間違いなく今年のヒット商品です。
若冲の魅力を知れば、
現代の日本人が欲しているものがわかるかもしれません。
コーポレート・アイデンティティ戦略 デザインが企業経営を変える
おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
先週に続いて名著をご紹介します。
コーポレート・アイデンティティ戦略―デザインが企業経営を変える
中西 元男、誠文堂新光社
著者が取り組んできた仕事の回想録の趣きです。
しかし、コーポレート・アイデンティティ(CI)の構築が
どうあるべきか、数十年にわたる多くの実績を
もとに語っており、言葉にはかなりの重みがあります。
大企業での取り組みが多いのですが、
中小企業の実例もあります。
これらの取り組みで、
数十年前に作成されたロゴは力強く、
いまだにまったく古さを感じさせません。
デザインコンセプトがよく、
デザインの細部の調整まで丁寧にやってきた結果だと思います。
優れたCIによって、
企業業績を劇的に改善させた実例もあります。
CIによる業績改善が可能であることを
実証した記録として本書は貴重です。
社会科学の研究論文ではないので、
CI導入と業績の相関や因果関係を
定量的に示したわけではありませんが、
CIの第一人者が取り組んできた実績と証言から
学べることは多いです。
何度も読み返す価値のある一冊です。
先週に続いて名著をご紹介します。
コーポレート・アイデンティティ戦略―デザインが企業経営を変える
中西 元男、誠文堂新光社
著者が取り組んできた仕事の回想録の趣きです。
しかし、コーポレート・アイデンティティ(CI)の構築が
どうあるべきか、数十年にわたる多くの実績を
もとに語っており、言葉にはかなりの重みがあります。
大企業での取り組みが多いのですが、
中小企業の実例もあります。
これらの取り組みで、
数十年前に作成されたロゴは力強く、
いまだにまったく古さを感じさせません。
デザインコンセプトがよく、
デザインの細部の調整まで丁寧にやってきた結果だと思います。
優れたCIによって、
企業業績を劇的に改善させた実例もあります。
CIによる業績改善が可能であることを
実証した記録として本書は貴重です。
社会科学の研究論文ではないので、
CI導入と業績の相関や因果関係を
定量的に示したわけではありませんが、
CIの第一人者が取り組んできた実績と証言から
学べることは多いです。
何度も読み返す価値のある一冊です。
戦略的ブランド・マネジメント第3版
おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
書籍のご紹介です。
戦略的ブランド・マネジメント 第3版
ケビン・レーン・ケラー、東急エージェンシー
私がブランド論の教科書で
一番優れていると思うのが本書です。
本書の良いところは、
ブランド論を偏りなく網羅的に、
体系的にまとめたところにあります。
ブランド戦略に唯一の正解はなく、
世界中の企業が自社にあった
ブランド戦略に試行錯誤して取り組んでいます。
業種や時代によって変わるところもあります。
また、ブランドに関するさまざまな調査や
研究結果もたくさんあります。
著者は、それらの多くの企業の実務や研究を
もとにしながら、
体系的なブランド論としてまとめています。
800ページを超える大著です。
ビジネススクールの教科書に使われています。
学生や研究者、コンサルタント向けですが、
企業の管理者にも役立ちます。
がんばって通読したほうが好ましいのですが、
中小企業なら、自社の課題に関わるところだけを読む、
辞書のような使い方も良いと思います。
顧客の心に何を残せているかに焦点を当てた
「顧客ベースのブランド・エクイティ」(ブランド資産)や、
「ブランド知識」という概念を学べます。
ブランド構築や、長期的な管理、
グローバルなマーケティング活動とブランドの関係などを
現在のブランド論がどのように考えているかが
この一冊で理解できます。
書籍のご紹介です。
戦略的ブランド・マネジメント 第3版
ケビン・レーン・ケラー、東急エージェンシー
私がブランド論の教科書で
一番優れていると思うのが本書です。
本書の良いところは、
ブランド論を偏りなく網羅的に、
体系的にまとめたところにあります。
ブランド戦略に唯一の正解はなく、
世界中の企業が自社にあった
ブランド戦略に試行錯誤して取り組んでいます。
業種や時代によって変わるところもあります。
また、ブランドに関するさまざまな調査や
研究結果もたくさんあります。
著者は、それらの多くの企業の実務や研究を
もとにしながら、
体系的なブランド論としてまとめています。
800ページを超える大著です。
ビジネススクールの教科書に使われています。
学生や研究者、コンサルタント向けですが、
企業の管理者にも役立ちます。
がんばって通読したほうが好ましいのですが、
中小企業なら、自社の課題に関わるところだけを読む、
辞書のような使い方も良いと思います。
顧客の心に何を残せているかに焦点を当てた
「顧客ベースのブランド・エクイティ」(ブランド資産)や、
「ブランド知識」という概念を学べます。
ブランド構築や、長期的な管理、
グローバルなマーケティング活動とブランドの関係などを
現在のブランド論がどのように考えているかが
この一冊で理解できます。
ブルーボトルコーヒーはデザインのインパクトも光る
おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
ブルーボトルコーヒーの記事の最終回です。
「BLUE BOTTLE COFFEE(ブルーボトルコーヒー)」の
人気の背景には、広報だけでなく、
デザインの良さがあると思います。
商標登録第5542190号
ブルーボトルコーヒーのロゴは水色です。
初めて見た時に、私は正直、
水色の瓶のコーヒーは美味しそうに見えませんでした。
あの水色のみの色づかいは、常識破りに思えるのですが、
競合他社とイメージカラーが重なりにくくなっています。
また、コーヒーや紙袋、木材は茶色に近いですが、
水色と茶色は色相環において反対側に位置する補色関係です。
対比が強く効いています。
(参考)色相環について、コニカミノルタのwebサイトです。
http://www.konicaminolta.jp/instruments/knowledge/color/part1/09.html
気持ちの調和があまりにも強く乱されて、
味を確かめたくなる効果をもたらしているかもしれません。
例えば、水色のパッケージの
レトルトカレーがあったら気持ちが乱されますよね。
アクセントは意識されていて、
ロゴをワンポイントで配置しています。
一度見たら忘れられないような強さがあります。
ワッフルを包んでいるのはコーヒーフィルターです。
環境配慮や、装飾をあまりしない素朴さも
意識したデザインになっています。
ただ、ブルーボトルコーヒーのデザインは
本格コーヒーには見えにいくいところもあるので、
全体のデザインをうまくまとめる技術が求められます。
この斬新さやゆるさのあるデザインが
若い人に受けていると思われます。
店員は若い人が多く、接客はとても丁寧でした。
行列ができている店で、
とても忙しいのに素晴らしいです。
先週もお話しましたが客層は、
コーヒー好きのような中年客もいましたが、
若い方の方が多かったです。
行列ができる人気は、デザインや新しさに
惹きつけられている顧客がもたらしているのでしょう。
いずれ異常な混雑は解消され、
長期的には、コーヒー通の再来店客を
どこまでつかめるかがポイントになるでしょう。
ブルーボトルコーヒーの記事の最終回です。
「BLUE BOTTLE COFFEE(ブルーボトルコーヒー)」の
人気の背景には、広報だけでなく、
デザインの良さがあると思います。
商標登録第5542190号
ブルーボトルコーヒーのロゴは水色です。
初めて見た時に、私は正直、
水色の瓶のコーヒーは美味しそうに見えませんでした。
あの水色のみの色づかいは、常識破りに思えるのですが、
競合他社とイメージカラーが重なりにくくなっています。
また、コーヒーや紙袋、木材は茶色に近いですが、
水色と茶色は色相環において反対側に位置する補色関係です。
対比が強く効いています。
(参考)色相環について、コニカミノルタのwebサイトです。
http://www.konicaminolta.jp/instruments/knowledge/color/part1/09.html
気持ちの調和があまりにも強く乱されて、
味を確かめたくなる効果をもたらしているかもしれません。
例えば、水色のパッケージの
レトルトカレーがあったら気持ちが乱されますよね。
アクセントは意識されていて、
ロゴをワンポイントで配置しています。
一度見たら忘れられないような強さがあります。
ワッフルを包んでいるのはコーヒーフィルターです。
環境配慮や、装飾をあまりしない素朴さも
意識したデザインになっています。
ただ、ブルーボトルコーヒーのデザインは
本格コーヒーには見えにいくいところもあるので、
全体のデザインをうまくまとめる技術が求められます。
この斬新さやゆるさのあるデザインが
若い人に受けていると思われます。
店員は若い人が多く、接客はとても丁寧でした。
行列ができている店で、
とても忙しいのに素晴らしいです。
先週もお話しましたが客層は、
コーヒー好きのような中年客もいましたが、
若い方の方が多かったです。
行列ができる人気は、デザインや新しさに
惹きつけられている顧客がもたらしているのでしょう。
いずれ異常な混雑は解消され、
長期的には、コーヒー通の再来店客を
どこまでつかめるかがポイントになるでしょう。