蔦屋家電の快適さや楽しみを提案する売り方

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。

2015年5月3日に東京の二子玉川に開店した
蔦屋家電のご紹介です。

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いわた書店、森岡書店に続いて
書店に関する記事とも言えます。

といいますのも、蔦屋家電は
「ライフスタイルを買う家電店」という
コンセプトですが、家電と同じくらい
書籍も販売しています。

書籍を通路沿いに並べて、
家電などは書棚の奥にあるゾーニングです。

書籍と他の商品を近づけた売場とする
蔦屋書店のスタイルで、
家電売場の面積を広くした感じです。

店内は撮影禁止のため、
写真がなくて残念ですが、
品揃えや陳列の仕方は参考にしたい点があります。

家電も価格を売りにしないで、
それぞれの売り場にいるコンシェルジュが
相談を受けながら、提案する接客の形は
熱烈なファンを生むかもしれません。

高機能な家電や、
個性的な家電を多く揃えています。

このライフスタイルの提案に、
コンシェルジュだけでなく書籍が活きています。

店にはソファも多く、
とにかく時間を過ごすのに心地よい
店作りを徹底しています。

店舗経営に携わる方にとっては、
売場面積がもったいなく思えるかもしれませんが、
ライフスタイルを売るには
このようなレイアウトがよいのでしょう。

安さによるものとは異なる
買い物客の高揚感が必要ですからね。

蔦屋書店については当ブログでも取り上げています。

2016年08月12日:藤沢SSTの中にある湘南T-SITE
http://brand-design.seesaa.net/article/440968050.html

2013年09月27日:歩く時間が楽しい蔦屋書店
http://brand-design.seesaa.net/article/375915023.html

販売する本は一冊だけの森岡書店

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
小さい企業のマーケティング事例をご紹介します。

銀座の森岡書店が販売する本は一冊だけです。
扱う本は一週で替わります。

一冊に焦点を当て、
著者を招いたり、イベントを開催したりして販売します。

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銀座の歴史ある建物の1階にあります。

店員と顧客との交流の場だけでなく、
著者と読者の交流の場にもなっています。

著者にも読者にも幸せなことだと思います。

店内は毎週の著書の世界が表現されています。
書店であり、ギャラリースペースです。

一冊の本だけでは
さすがに事業としては厳しいと思います。

著者が扱う作品や、
本の主題に関連する商品の展示や販売もしています。

一方で、レンタルギャラリーとしてのレンタル料は
あまり取らないようにしているみたいです。

一昨年に開店したのですが、
ネットのニュースによると一年目から黒字だそうです。

「一冊だけを販売する書店」という驚きのコンセプトは、
海外ののマスコミでも取り上げられました。

大きく報道されたことも業績に寄与したと思いますが、
コンセプト、ビジュアル、建築、じゅう器などの
総合的なデザインも優れています。

建物とショップコンセプトを大切にしています。

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店舗の入口の足下には店名の下に
「A SINGLE ROOM WITH A SINGLE BOOK」
と書かれています。

店舗面積を拡大させていく書店の
逆を行くマーケティング戦略です。

本を選ぶ店主の目利き力が鋭ければ、
リピート顧客も確保できると思います。

営業時間は13時から20時。月曜日が定休日です。

参考webサイト
Yahoo!ライフマガジン
「森岡書店」が銀座でたった一冊の本を売るワケ
http://lifemagazine.yahoo.co.jp/articles/3385

にっぽんのマーケター
マーケターの企みVol.36:森岡書店 店主 森岡督行さん
http://nipponmkt.net/2016/08/03/takurami36_moriokashoten_morioka01/

ライブドアニュース NEWSポストセブン
毎週1冊しか扱わない書店 客足絶えず開店1年目から黒字
http://news.livedoor.com/article/detail/11409339/

いわた書店「一万円選書」に小企業マーケティングを学ぶ

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
2週にわたり、小さい企業のマーケティング事例を
ご紹介します。

今日は北海道砂川市のいわた書店
一万円選書」をご紹介します。

「一万円選書」は、
お客様ひとりひとりにあった本を
店主の岩田さんが一万円分選んで
送ってくれるサービスです。

顧客はカルテと呼ばれるアンケートに答えます。

岩田さんがそのカルテを読んで、
その人に薦めたい本を選びます。

カルテには、印象に残っている本BEST20や、
人生で嬉しかった、苦しかったことなどの
質問が並んでいます。

じっくり考えて選んでいるので、
1日に数人分しか対応できないそうです。

ベストセラーを避け、
なるべく多くの本を読んで欲しいと
文庫を中心に選んでくれます。

その人の生い立ちや価値観をもとに、
普段の自分が選ばない分野や、
自分の知らない世界も提示してくれるのです。

手紙を添えて送ってくださるのも素晴らしいですね。

オーダーメイド型のセレクトショップです。

顧客へのサービス精神と豊富な商品知識が
このサービスを支えています。

店主と顧客の心が通ったサービスであることも
人気の要因でしょう。

たくさんの注文が届いているため、
現在は抽選でサービスを提供しているようです。

小規模な書店をとりまく経営環境は厳しいです。

雑誌の販売部数が減少しているだけでなく、
Amazonなどのネット企業の
利便性や品揃えに押されています。

電子書籍も脅威になっています。

どの書店で買っても
商品である書籍や雑誌は同じですし、
再販売価格維持制度のため価格も同じです。

そんな中で、商品や価格は同じでも、
資金量が大手に及ばなくても、
商売のやり方があることを
示してくれているのではないでしょうか。

次回は銀座の森岡書店を取り上げます。

参考webサイト
ライブドアニュース NEWSポストセブン
「北海道の書店店主が個別に対応 「1万円選書」に注文殺到」
http://news.livedoor.com/article/detail/11423548/

キナリノ「vol.48 いわた書店・岩田徹さん」
http://urx.mobi/AQuj
(URLが長いので短縮URLサービスを利用しています)

Tokyo Midtown Award 2016

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
今日は「東京ミッドタウンアワード2016」のご紹介です。

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10月から11月にかけて東京ミッドタウンで
受賞作品が展示されていました。

デザインコンペとアートコンペがありますが、
今日はデザインコンペについて取り上げます。

今年のデザインコンペのテーマは
「Anniversary」でした。

1249件の応募の中から選ばれた
受賞作をいくつかご紹介します。

グランプリは「おつかれさま通帳」でした。

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会社が個人に給料を振り込む際に、
取引内容欄に「今月もお疲れ様でした。」などの
文章を入れられるサービスの提案です。

単純なアイデアですが、喜ばれると思います。

あんまりひどい言葉を入れられると、
通帳記入をする気持ちがなくなるので、
前向きな言葉の定型文から選ぶ形が良いかもしれません。

準グランプリは「おめでたい紙コップ」です。

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紅白幕を柄にした紙コップです。

こちらも単純なアイデアに見えますが、
赤と白の太さの細かい調整などが
施されています。

華やかですから、商品化されそうです。

意匠権や著作権で類似品を防げるのか
知財専門家の意見も聞いてみたいです。

小山薫堂賞の「THE BIRTH」も良かったです。

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子どもが生まれた年に醸造された
ウイスキーと樽です。

ウイスキーの量は子どもの出生時体重と同じです。

子どもの生まれた命の重さと、
20歳になってウイスキーを飲む楽しみを
感じられるデザインです。

お米などでも赤ちゃんの体重と同じにする商品が
ありますが、ウイスキーは熟成させるものなので、
(実際にこの樽で熟成させて
美味しくなるのかわかりませんが)
実現できたら素敵な商品になると思います。

最後にご紹介するのは、
佐藤卓賞の「MIZUHIKI PEN」です。

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水引きを簡単に描けるペンです。

水引き以外にも単に装飾するために描く
需要もあるので、
もしかしたら売れるかもしれません。

他にも良い作品が展示されていました。
アートコンペと合わせて楽しく拝見しました。

謹賀新年2017 124万ページビュー突破!

あけましておめでとうございます。
中小企業診断士の山口達也です。

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ありがとうございます。

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