2018年をブランドで振り返る(ダイナミックプライシングとブランド)

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
2018年のブランドを振り返ります。
ダイナミックプライシングとブランドを考えます。

ダイナミックプライシングとは、
需要と供給の状況に合わせて商品価格を変えていく手法です。

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旅行代金や宿泊料が直前に安くなったり、
消費期限の近い食品を値引いたりするのも
ダイナミックプライシングと言えます。

それが今年話題になったのは
AI(人工知能)を使って、
価格を細かく変動させていくことや、
需要の多い局面では価格を積極的に高くしていくこと
が見られるようになったからです。

例えば、ホテルでは、
近隣でコンサートが開かれるときは人気が高まりますし、
競合ホテルの価格をチェックしても需要動向がわかります。

これらの需要に影響の与えるデータを
AIがリアルタイムで収集して判断し価格を提案します。

今までは過去の販売状況や、近隣の情報を
人間が収集して需要を予測していたのですが、
AIが大量のデータを素早く収集して、
ネット上で価格をどんどん変えていくことができます。

中小企業でも導入が見られるようになりました。

ダイナミックプライシングを実現させるAIサービスには
ネットショップ向けの「throough」、
宿泊施設向けの「メトロエンジン」「MagicPrice」の他、
さまざまな業種向けに開発する
ABEJAやアビームコンサルティングなどがあります。

株式会社 日光企画(throough)
https://throough.com/

メトロエンジン株式会社
https://metroengines.jp/

株式会社空(MagicPrice)
https://www.magicprice.co/

株式会社ABEJA
https://abejainc.com/solution/ja/

アビームコンサルティング株式会社
https://www.abeam.com/jp/ja/expertise/SL211

値札をネットワークで変えられるのであれば、
リアルタイムで価格を変えることは確かに合理的です。

価格とブランドとの関係をみると、
価格がブランドに与える影響は大きいです。

価格には品質バロメーターとしての機能があって、
価格が高いと、人は良い品質、良いブランドだと
考える傾向が見られます。

基本的には安売りしない方がブランドにはプラスです。

そのため、売れない場合でも
どんどん値下げするのではなく、
価格の下限は人間が設定するべきでしょう。

そうすると自動で最適に売りさばくAIの機能は
ブランドイメージの維持によって、
そがれることになります。

また、今後起こりうることとしては、
地震など天災が起こった時に
自動販売機のミネラルウォーターや
ホテルの宿泊料金が高騰するようなことも考えられます。

ですから、価格の上限も設けた方が良いでしょうし、
あまり顧客の足元を見るような値付けも
ブランドにはマイナスになるでしょう。

価格が頻繁に上下することで、
顧客からの信頼を失うことや
安くなるまで待つ買い控えが起こる懸念もあります。

バーゲン待ちや、競りや相場に臨むような
消費者が増えるかもしれません。

しかし、ダイナミックプライシングは良い考えだと思います。

試行錯誤をしながら、
良いものになっていくと思いますので、
まずはAIに任せきりにせず、
長期的なブランドの視点も持った人の管理下で、
試してはいかがでしょうか。

ダイナミックプライシングの実例など
詳しく知りたい方は
下のサイトを参照してください。

その価格、決めるのはAI NHK NEWS WEB
https://www3.nhk.or.jp/news/business_tokushu/2018_0411.html

Money Motto! AI(人工知能)で決まる価格、ダイナミックプライシングとは
https://news.hoken-mammoth.jp/dynamicpricing/

今日で仕事納めの方も多いと思います。
本年もありがとうございました。
良い年をお迎えくださいませ。

2018年をデザインで振り返る

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
今年も残り10日となりました。
2018年のデザインを振り返ります。

バーチャルユーチューバーとストローを取り上げます。

バーチャルユーチューバー(VTuber)は、
YouTubeに出演する架空のキャラクターです。

キズナアイさんが有名です。


コンピューターグラフィックで描いたキャラクターに
人が扮しています。

いろいろな作成方法があるようですが、
モーションキャプチャーを身に着けて、
人の動きと同じようにキャラクターを動かす方法を
テレビで見ました。

声の主は声優だったり、ボイスチェンジャーを使ったり、
制作者そのままだったりするそうです。

企業の活用事例としては、
一般的なユーチューバーと同じように
タイアップして商品宣伝してもらうものもありますが、
サントリーやロート製薬のように、
自社でバーチャルユーチューバーを制作する会社もでてきました。



ご紹介した動画は、しっかり広告宣伝していますが、
宣伝していない動画もあります。
宣伝が強すぎると視聴者が嫌うから、
バランスをとっているのでしょう。

単にYouTubeに動画をアップするのに比べて、
手間がかかるので、中小企業ではそれほど取り組まれていませんが、
自分ではないキャラクターを設定できる点は魅力ですし、
かわいらしいキャラクターが好きな人もいますから、
うまく運用する中小企業も近いうちに出てくると思います。

もうひとつはストローです。
プラスチックの海洋汚染が話題になり、
プラスチックストローを
紙のストローに置き換える動きが出てきました。

プラスチック製品はストローだけではないので、
ストローだけが話題になるのは変な気もしますが、
中小企業でもプラスチック削減の動きは強まると思います。

プラスチックストローが1円くらい、
紙ストローが3円くらいですので費用は増えます。

また、紙ストローは、耐久性や口で触った感触、
曲げられないなどの点でプラスチックに及びませんが、
レジ袋などの包装資材の削減とともに検討課題となるでしょう。

どんな体験を売るか、どんな社会を目指すか、
の象徴になってきています。

上に挙げた課題を解決するストローのデザインが期待されます。
来年のグッドデザイン賞では受賞するストローがでるでしょうか。

年賀状による売上アップの事例

こんにちは。中小企業診断士の山口達也です。
明日から年賀状の引受が始まります。

近頃は、年賀状を書くのが面倒だ、SNSで十分、
という声を耳にしますが、もったいないです。

年賀状は売上獲得につながります。

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事例を紹介したいと思っていたところ、
年賀状を使った販売促進事例が
日本郵便のwebサイトに掲載されていました。
https://nenga.yu-bin.jp/houjin/case.html

年賀ダイレクトメールで
以下のことを実現させています。

・既存顧客のリピートを促す
・休眠顧客を再来店させる
・優良顧客のセルアップを図る
・新規顧客を獲得する

新規顧客の獲得は、
webで宛先をリストアップして郵送しています。

年賀ダイレクトメールのほかに
年賀タウンメールもあります。

宛名を記載せずに、
町丁目単位やマンション単位で、
地域を指定して戸別のポストへ郵送します。

宛名は書かないので顧客リストは要らず、
新規顧客開拓に向きます。

新聞を購読しない世帯や
チラシをポスティングできないマンションにも
届けられます。

チラシを読まずにチラシの束ごと
まとめて捨てる人もいますが、
年賀状を見ずに捨てる人は少ないと思われます。

難点は1通62円と、折り込みチラシや
ポスティングよりも高いことです。

近隣のエリアに絞って送るのがよいでしょう。

年賀状は、普通のダイレクトメールはがきと比べて、
次のメリットがあります。

・年賀状はお年玉くじが付いているので
当選番号を確認する際にもう一度見ることがある
(読んですぐに捨てられない)

・年始は時間に余裕のある人も多く、
じっくり読んでもらいやすい

一方、デメリットとしては、
年賀状が多く届くので埋もれてしまう、
ことが挙げられます。

年賀状ダイレクトメールの
業種別のテンプレートには、
多くの業種があります。

焼肉店、居酒屋、レストラン、カフェ、ベーカリー、コンビニ、ドラッグストア、スーパーマーケット、アパレル、携帯ショップ、自動車ディーラー、ガソリンスタンド、通信販売(化粧品)、スポーツクラブ、美容室、クリーニング店、引っ越しセンター、銀行、税理士事務所、学習塾、不動産販売、工務店(リフォーム)、整体院、歯科医院、幼稚園、自治体

デザインの雰囲気や訴求する内容は
参考にしてよいと思います。

テンプレートはwordファイルでダウンロードできますが、
フォントはパソコン環境に依存するので、
同じ書体にならない可能性は高いです。

年賀状ダイレクトメールの反応率を上げるには
以下のことに気を配るとよいです。

・お仕着せの文面やデザインをそのまま使わない
・クーポンをつける
・webへ誘導する(QRコードや「〇〇で検索」をつける)
・できたら手書きで一言添える
・既存顧客にはセールスモードではなく心からの新年の挨拶をすることも有効
・営業品目、メニュー、仕事の実績などを伝える

ダイレクトメールが嫌いな人であっても、
年賀状はもらって嫌な気持ちになりにくいです。
売上を上げるチャンスと考えましょう。

GOOD DESIGN EXHIBITION 2018(3)

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
GOOD DESIGN EXHIBITION 2018のレポートの最終回です。

グッドデザイン・ロングライフデザイン賞の展示もありました。
手前は日産キューブの模型です。

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朝の連続テレビ小説「まんぷく」で話題の
日清食品「チキンラーメン」も受賞しました。

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デザイナー安藤百福と記されていました。

インドネシア、インド、タイのデザイン賞の
デザインの展示もありました。

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日本デザイン振興会は
アジアのデザイン振興機関との連携も深めています。

今年のグッドデザイン賞も1353件の受賞がありますが、
そのうち278件は海外からの応募デザインです。
中国、台湾、韓国の3つの地域で191件を占めます。

グッドデザイン賞もアジアをリードするデザイン賞になれるか、
賞の運営も国際競争になりそうです。

ベスト100に選ばれた自動車の展示は会場外にありました。

軽自動車バンのホンダの「N-VAN」です。

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ひとり乗りの状況ですが、
軽自動車でも荷物がここまで積めます。
業務用で使うにはメリットがあるのでしょう。

モリタの「小型オフロード消防車レッド・レディバグ」です。

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災害時の悪路でも走れ、
後部には救助、消化、救急、映像通信の消防ユニットを積めます。

熊本地震の被災地で消防隊員から聞いた声を活かして
デザインしています。

亀裂の入った路面、土砂が流れ込んだ路面、浸水路面、
積雪路面などでも対応できる消防車はとても良いですね。

グッドデザイン賞金賞を受賞したスズキの「ジムニー」です。

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軽自動車の4WD、こちらも悪路が得意ですが、
見ている女性が「かわいい」と声に出しているのが印象的でした。

「かわいい」は、私には少し意外でしたが、
カラーや正面のライトが、
かわいく見えるのかもしれません。

通常のグッドデザイン賞の展示会場にも人はたくさんいました。

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日用品や時計などのエリアはもちろん、
建築物のためパネルによる展示のコーナーでも
来場者は多かったです。

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