今日の話題は2019年度の
グッドデザイン・ロングライフデザイン賞です。

グッドデザイン・ロングライフデザイン賞は、
10年以上、使用者から支持を得ている商品やサービスで、
時代と共に変化する価値観を超えて、
スタンダードであり続ける力を持ったデザインを顕彰する賞です。
2019年度のロングライフデザイン賞は15件が受賞しました。
123件の審査から選ばれているので、
グッドデザイン賞よりも狭き門です。

受賞したデザインを展示する
ロングライフデザイン賞受賞展は、
グッドデザイン賞受賞展と時を同じくして
2019年10月31日から11月4日にかけて、
21_21 DESIGN SIGHT ギャラリー3で開催されました。
受賞したデザインをいくつかご紹介します。
三越の包装紙「華ひらく」です。
猪熊弦一郎さんと、やなせたかしさんのデザインです。

三越の包装紙
https://mitsukoshi.mistore.jp/sogogift/wrapping/index.html
私は「華ひらく」が好きです。
折りたたまれていない包装紙だけを見ると、
いまひとつに見えるのですが、
商品を包むと上品で華があります。
さまざまなものを包んでも美しく見えるよう
デザインされていて、本当に素晴らしいデザインです。
大きさの異なる包装品を重ねたりすると、
同じ模様がただ繰り返されて、
下に置いた商品と同化して見えてしまうようなる
他店の包装紙とは違う、圧倒的な魅力があります。
続いて、ファミリアの新生児用肌着です。

デザインのポイントは、
肌を刺激しないようタグや縫い目を外側にしたことや、
脇下のひもで身幅を調整できる打合せ型で
生後4か月頃まで着用できることです。
これらの点は、多くのメーカーが今では追随していて、
新生児用肌着のスタンダードになりました。
当然の受賞でしょう。
次は、アルネ・ヤコブセンがデザインした
「アリンコチェア」です。

1952年にデザインされましたが、
座面と背を一枚の板で成形された最初のデザインです。
軽くてスタッキングでき、
座り心地や大量生産が考慮されています。
デンマークの有名なデザインのひとつです。
次は、フォント「Neue Frutiger(ノイエ ・フルティガー)」
1970年代に作られたフォント「Frutiger」の改刻版です。

安心感のあるデザインです。
誰からも好かれるロングセラーでしょう。
こんなものも受賞しています。
「キューピー3分クッキング」です。
50年以上続く長寿番組です。

最後にご紹介するのはこちらです。

何も展示されていないと思われるでしょうが、
「ラジオ体操」です。
展示ケースは空で音が流れていました。
