「行動観察」の基本

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
今日は書籍のご紹介です。

行動観察の基本.jpg

「行動観察」の基本
松波晴人、ダイヤモンド社

デザイン思考はだいぶビジネスに広まってきました。
デザイン思考では観察や共感が重視されますが、
行動観察はたいへん有用です。

「場」を観察して本質をとらえ、ソリューション(問題解決策)を
発想する方法論が、本書で提案する「行動観察」である。

と「はじめに」で著者は述べています。

行動観察の解説や事例はもちろん、観察した事実を、
新しい視点・発想で見直す「リフレーム」の重要性や、
収集した事実を深く掘り下げて抽象化してインサイト(洞察)を
得ることの重要性を訴えています。

2013年に同じ著者の行動観察に関する本を
当ブログで取り上げました。

ビジネスマンのための「行動観察」入門
https://brand-design.seesaa.net/article/378486013.html

今回の本はさらに詳しく書いた本です。

行動観察から仮説を生み出し、
イノベーションに取り組むことは中小企業に向いています。

マーケティングではデータがよく用いられますが、
中小企業ではデータの数をたくさん集めるのが難しいです。

行動観察は、少数の対象者をじっくり観察して
仮説を生み出すことに注力します。

人の何気ない行動から、ニーズを探る行動観察を
私もコンサルティングの現場で大切にしています。

中小企業のブランド経営の見本、ロイヤルブルーティージャパン

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
今日はロイヤルブルーティージャパンという企業のご紹介です。

横浜や東京では現在、飲食店で酒類を提供することを
終日、停止するように要請されています。

そんな中で料理に合うお茶が注目されています。

royalbluetea_chaen.jpg

写真は下のURLのページから引用しています。
https://online.royalbluetea.com/?mode=f3

ロイヤルブルーティージャパンは、
手摘みの高級茶葉を使い、
3~6日かけて水出ししてワインボトルに詰めたお茶です。

クリーンルームで製造し、
除菌フィルターで何回もろ過して無菌に近づけるという、
たいへんこだわったお茶です。

天皇皇后両陛下ご臨席の全国植樹祭、APEC、
JALファーストクラス、加賀屋などで採用されています。

安い製品で5000円、高いお茶は3万円くらいします。

単に良いお茶というだけでなく、
料理とのマリアージュ(取り合わせ)を意識されているので、
和食やフランス料理に選ばれるお茶として圧倒的な強みがあります。

吉本社長には昔、お目にかかったことがあります。

情熱があり、志高く、ブランドを大切に
仕事に取り組まれてきて、
掲げているビジョンに近づかれていると思います。

食文化やお茶文化に貢献されています。

ブランドをどうつくるか、どう守るか、
中小企業のブランド経営の教科書に載せられる会社です。

ご興味ある方は、吉本社長の著書
わが社のお茶が1本30万円でも売れる理由 ロイヤルブルーティー成功の秘密
をお読みください。
https://online.royalbluetea.com/?pid=152898774

ブランド戦略の実践において、とても参考になる一冊です。

一時支援金の登録確認機関に登録しました

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。

先週の記事「一時支援金の登録確認機関にいまだ登録できません」
は反響が大きく、その日の夕方に事態が大きく動きました。

その一時支援金の登録確認機関への登録について書きます。

先週「一時支援金の登録確認機関にいまだ登録できません
と書き、中小企業診断士がやりとりするSNSでも投稿したところ、
「私も同じように2か月かかっても登録できません」
という声が相次いで寄せられました。

行政書士や弁護士など他の資格も含めると、
私以外に少なくとも12名の方が同じように、
いつまでたっても登録されない状況でした。

私が直接知る範囲だけなので、
実際の未登録者はもっと多数です。

そのため経済産業省にその日の15時ごろ電話をかけ、
事業を所管している中小企業庁総務課につないでもらい、
一時支援金の登録確認機関の登録に問題があるので
制度運用を見直すよう再度強く要望しました。抗議に近いです。

私の電話に効果があったかどうかはわかりませんが、
18時過ぎから、
私のもとに「登録できました」の声が次々と寄せられ、
未登録者が一斉に登録されたようです。

なにかしらの見直しが行われたと思われます。

5月10日月曜日に中小企業庁総務課へ制度運用を見直したか、
尋ねましたが回答は得られませんでした。

以上の経過で、ブログを書いたその日の夜に私も登録されました。

一時支援金は5月末までですが、
顧問先や知人の他、事務所の近隣の中小企業を対象に
ボランティアで事前確認を行っております。

詳しい内容はブランドファインwebサイトをご覧ください。
http://www.brandfine.net

中小企業庁、一時支援金事務局からの事務手数料はもらいません。

もらう条件は世間に公表されている以上に実は厳しく、条件を満たせません。
事実上、中小企業庁から無償労働の協力を求められています。

ただ、中小企業庁がうんぬんではなく、地域貢献活動として行います。

一時支援金の登録確認機関にいまだ登録できません

2021年5月7日21時35分追記:今朝、執筆した下の記事ですが、その後事態が急展開し登録確認機関に登録されました。詳細は後日記事でお伝えします。まずは顧問先から事前確認を行います。

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
今日は残念なお知らせです。

緊急事態宣言の影響を受けて売上が50%以上減少した
中小企業に最大60万円の支援金が給付される
「一時支援金」に必要な事前確認について、
登録確認機関に中小企業診断士の私がまだ登録できません。

経済産業省と一時支援金事務局の不手際が原因です。
(登録できない状況の詳細は後述します。)

一時支援金の申請期限は5月末と迫っております。

無料で事前確認を行っている登録確認機関は混み合っていて
予約は1週間以上先になることが多いと聞いています。

待っていただいている中小企業の皆様には、
たいへん申し訳ありませんが、現時点で登録されている
他の登録確認機関にて事前確認の予約をお願い申し上げます。

5月末には予約が取りにくくなることも考えられますので、
お早めに登録確認機関への予約をお勧めいたします。
誠に申し訳ございません。

一時支援金の登録確認機関に登録できるよう
手を尽くしてまいりました。

以下のその経緯です。
中小企業の方に直接役に立つ情報ではありません。
関心がある方だけご覧ください。読み飛ばしていただいても構いません。

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3月12日経済産業省webサイト
「その他個別法に基づく士業関連機関・者専用 登録申込フォーム」から登録申込
(もしかしたら3月23日かもしれません。ここだけ記憶に自信がないです)

webサイトの登録フォームの最終画面では、
「事務局にて内容を確認の上、
問題がなければ数日後にアカウントを発行いたします。」
と案内されましたが、その後メールや電話が一切来ません。

TOROKUKAKUNIN01.jpg

3月26日に再度、同フォームから登録を再申込
(先日の申込に誤りがあったかと思い、再度申し込みました。)

さらに待てども一時支援金事務局から連絡はありませんでした。

4月9日一時支援金事務局へ電話
「何の連絡もないがどうなっているのですか?申込は届いていますか?」

コールセンターの人
「診断士の登録番号、メールアドレスを教えてください。
確認してメールアドレスに連絡します。
念のため電話するかもしれないので、電話番号も教えてください。」

これらの情報は同フォームで何度も送信済みですが、
あらためて電話で伝えました。
事務局からはその後、何の連絡もありませんでした。

4月12日ブラウザを変えて、同フォームから登録を再々申込

4月14日スマホから登録を再々々申込

4月15日一時支援金事務局へ電話
「先日、連絡すると言っていたが何の連絡もない。どうなっているのか」

コールセンターの人
「お調べします。えーっ、
4月9日に上に(本部?上の人?)照会したところ、
『お待ちください』との回答でした。」

コールセンターの人は先日とは別の人です。

コールセンターの人は経済産業省から委託を受けた
デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社ではなく、
同社から三次請けの企業の人のようです。
電話の応対は物腰柔らかく丁寧ですが、それほど権限や情報はなく、
あまり実のある話になりません。

もうしばらく待ってくださいという回答だけでした。

「私になにか問題があるのか。入力に不備があるなら連絡してほしい。
申し込んで約1か月。私だけの問題ですか?
他にもこうした問い合わせは来ていないのですか?」

コールセンターの人
「実は他の士業の方からも同じような問い合わせはあります」

同日(4月15日)私だけの問題ではないと判断して経済産業省に電話

「約1か月たっても登録確認機関に登録できない。
連絡も私が電話するだけで事務局から来たことはない。
4月21日で登録確認機関への申込受付は終了するので
残り1週間をきっているが、事務局は待ってくださいしか言わない。
私だけでなく他にも同じような人がいて
登録作業に目詰まりが起きているようなので、
21日までの受付期限を延長してほしい。」

経済産業省の人
「ご要望、ご意見はわかりました。お話は必ず部署内で共有しますが、
必ずしもご要望通りにはならないことはご理解ください」

電話の応対は丁寧ですが結局、善処されることはなく、
経済産業省の計画通り、4月21日をもって登録受付は終了しました。

4月20日21時42分 一時支援金事務局を名乗るメールが届きました。

内容は、各士業の全国組織・団体が公表している情報で本人確認が取れず、
登録ができないので、
資格証と身分証明書の写真をメール送信するよう案内するものでした。

>※期限までに提出のない場合は、
>申込みを取り下げたものとみなしますので、あらかじめご了承ください。

と記され、期限は4月23日15時です。
つまり3日以内に送らなければ取り下げとみなすという内容です。

「ichijishienkin.go.jp」のドメインでもないアドレスから、
いきなり送られてきたメールで、フィッシング詐欺かと思いましたが、
送付元をいろいろ調べ、翌日4月21日(つまり登録受付最終日)に
資格証とマイナンバーカードをメール添付で送りました。

そもそも私が中小企業診断協会に登録している内容と申込にズレはありません。
なぜ本人確認が取れないのかわかりません。

中小企業診断士は経済産業大臣登録の国家資格です。
経済産業省が調べればすぐにわかります。

その後は事務局からなんの連絡もありません。
重要な個人情報を送っているにもかかわらず、
受信したとの返信もありません。

5月2日一時支援金事務局へ電話
「4月20日のメールの指示通り、4月21日に送ったがどうなっているのか?
マイナンバーカードなど個人情報を送っているが返信もない。
あのメールは本当に事務局が送ったものなのか?」

コールセンターの人
「メールは事務局が送ったものです。
21日に山口様が送られたとするメールは確認します。
なんらかのご連絡をメールでこちらからします。」

しかし、その後もなんの連絡もありません。

一時支援金事務局に電話すればよいと思うかもしれませんが、
コールセンターは混んでいます。

昨日も約1時間おきに8回電話しましたが、
混み合っていますので後ほどおかけ直しくださいと、
見事につながりませんでした。

TOROKUKAKUNIN02.jpg

上は昨日の電話の履歴のスクリーンショットです。
昨日8回と日曜日(5月2日の朝一番)に事務局に電話をかけています。

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ここまでが登録できない状況です。

ネットでは私と同様、登録できないことを訴えている方もいらっしゃいます。

一時支援金の登録確認機関となっている士業は
4月30日時点で全国で約24,400件しかありません。

全国で税理士は8万人、中小企業診断士は27,000人、
行政書士は45,000人くらいいます。

他にも公認会計士や認定支援機関となっているコンサルティング会社
なども登録確認機関になれます。

顧問先を持っている士業なら、
登録確認機関になって顧問先を支援しようと思うのが自然です。

登録確認機関になるのは無料ですし、
登録フォームから連絡先や資格番号などを送信するだけです。
本来なら手続きは難しくないはずです。

登録確認機関が24,400件にとどまっているのは信じられないです。
なにか問題があるように思えます。

私はがんばる中小企業を支援しようと
中小企業診断士の資格を取得し、
中小企業診断士業務に励んできました。

今回の一時支援金でも、私の顧問先企業や、以前支援した企業、
横浜市鶴見区内の近所の中小企業には、
無料で事前確認を行うつもりでしたが、支援できず本当に悔しいです。

なんのための中小企業診断士資格なのか、
経済産業省は考えてほしいです。

委託先の問題と考える方もいるかもしれませんが、
役所の世界では委託事業は自身がやったことと考えます。
つまり、一時支援金をやっているのはデロイトではなく経済産業省です。

経済産業省から中小企業診断士へ、
協力依頼や要請はよく届きますが、協力したくてもできない状況です。

6月には一時支援金の仕組みを使って「月次支援金」を
支援策を始めるようですが、
登録確認機関への登録体制は見直すべきです。

中小企業の皆様におかれましては、
事前確認、一時支援金の申請を早めに進めることをお勧めします。
事務局は上記の通りですので、円滑に進まないケースも考えられます。