商標登録の審査を早くする方法

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。

先週ご紹介した通り、
商標出願してから、審査官からの最初の審査結果の通知
(ファーストアクション、FA)までの
平均FA期間は2020年度で10.0か月です。

2020年2月時点で通常案件の審査は平均約12か月となっています。

商標出願して、その結果が出るまで1年かかるとなると、
事業を行う企業は不安でやりにくいと思います。

審査を早くしてもらう方法が実はあります。
商標早期審査ファストトラック審査です。

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特許庁「早く審査結果を得るための『2つの方法』」!
https://www.jpo.go.jp/system/basic/trademark/shohyo_fast-howto.html

商標早期審査からご紹介します。
商標早期審査では審査待ち期間が平均2か月と大幅に短縮されます。

商標早期審査では、出願した商標をすでに使用している
(または使用の準備を相当程度進めている)
ことが条件です。

その条件に加えて、
次の1~3のいずれかに当てはまる必要があります。

1.権利化について緊急性を要すること
(第三者が無断で使用している場合や国際出願する場合など)

2.指定する商品・役務が、すでに使用している
(または使用の準備を相当程度進めている)
商品・役務のみであること

3.「類似商品・役務審査基準」等に
掲載されている商品・役務のみを指定していること

これらの条件を満たしていれば、
「早期審査に関する事情説明書」と
「商標の使用に関する証拠書類」などを出して、
手数料無料で早期審査の対象としてもらうことが可能です。

詳しくは下のURLをご覧ください。
商標早期審査の概要
https://www.jpo.go.jp/system/trademark/shinsa/soki/shkouhou.html

もうひとつの方法、ファストトラック審査は
出願から約6か月で審査結果がでますので、
商標早期審査より時間がかかります。

しかし、使用していない商標も対象となります。
また、手続きは簡単です。

「類似商品・役務審査基準」や
「商品・サービス国際分類表(ニース分類)」などに
掲載されている通りに
商標登録願に指定商品・指定役務を書いて出願するだけです。

ファストトラック審査によって手数料が増えることもありませんし、
「早期審査に関する事情説明書」も出さなくてよいです。
お勧めです。

自社が提供したい商品や役務が
「類似商品・役務審査基準」等の記述に当てはまらない場合は、
ファストトラック審査を使わずに、
自社のビジネスに合わせて書いた方が良いですが、
多くの中小企業では当てはまります。

商標登録願の作成に便利な
「ファストトラック審査サポートツール」
も特許庁から提供されています。

一文字でも違うと対象にならないので使った方が良いです。
ファストトラック審査の詳細は下のURLをご覧ください。

ファストトラック審査の概要(初心者向け)
https://www.jpo.go.jp/system/basic/trademark/shohyo_fast-overview.html
ファストトラック審査
https://www.jpo.go.jp/system/trademark/shinsa/fast/shohyo_fast.html
ファストトラック審査サポートツール
https://tmfast.jpo.go.jp/fasttrack/top.html

中小企業の商標出願は10年で1.7倍に

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
中小企業でもブランドの活用、保護のために
商標権の登録出願は増えてきました。

特許庁の特許行政年次報告書をもとにお話しします。

2020年の商標登録出願件数は181,072件です。
10年前の2010年の113,519件から約1.6倍です。

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特許行政年次報告書 2021年版 p.29

そのうち中小企業による出願は
2010年の48,497件から、
2020年には83,007件と約1.7倍になっています。

中小企業にブランドの重要性が認識されるようになりました。

出願が増加したため審査に時間がかかっています。

出願してから、審査官からの最初の審査結果の通知
(ファーストアクション、FA)までの
平均FA期間は2020年度で10.0か月です。

2010年度は4.7か月でしたから10年で2倍以上です。

ちなみに新しいタイプの商標の2020年の登録件数をみると、
立体商標は155件、音の商標は28件、
動き20件、位置15件、色彩は0件、ホログラムは1件です。

位置と色彩は審査が厳しく、
出願してもなかなか登録されません。

色彩の商標登録に興味がある中小企業も
いらっしゃると思いますが、
色彩のみからなる商標の登録は現状かなり厳しいです。

2015年からの累計で登録が認められたのはまだ9件です。
登録は大企業のかなり有名なものだけに限られています。

新しいタイプの商標はともかく、
ブランド名、ロゴマークを文字や図形の商標で
登録していなければ早く出願しましょう。

商標出願は早いもの勝ちです。

必ず取れる商標権! 中小企業・個人事業主の商標登録ガイド

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
商標権に関する書籍のご紹介です。

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「必ず取れる商標権! 中小企業・個人事業主の商標登録ガイド」
原田 貴史、セルバ出版

書籍の題名通り、中小企業、個人事業主が
自分で商標権の登録出願手続きができるように
解説してくれている本です。

ブランド経営において商標権は必須と言ってよいものです。
弁理士に依頼する中小企業も多いですが、
自分で出願したいとおっしゃる方も結構いらっしゃいます。

そうした方にぜひ読んで欲しい一冊です。
とても分かりやすいです。

著者は弁理士です。
弁理士は出願手続きの代理業務をしています。

中小企業が自社で手続きをすると、
弁理士の仕事が減ってしまう側面もあって、
弁理士が「中小企業が自ら出願」することを
解説する本は少ないです。

文字や図形の商標調査の方法、
指定商品・役務の選び方、
商標登録願の書き方などを解説しています。

Amazonブランド登録にも少し触れていて、
中小企業の目線で書かれています。
商標法の解説は必要最低限にとどめています。

2019年に出版された本ですから、
2022年4月から値上がりした商標登録料などは
当たり前ですが反映されていません。その点だけはご注意を。

Foodieで美味しそうな食べ物の写真を簡単撮影

こんにちは。中小企業診断士の山口達也です。

今日はスマホアプリ「Foodie」のご紹介です。
食べ物を美味しそうに写真撮影できます。

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「Foodie」には81のフィルターがあり、
このフィルターを使って撮影すれば、
簡単に魅力的な写真が撮れます。

81のうち、フード向けのフィルターは22あります。

普通のカメラアプリで撮影した写真(上)と
YU3(デリシャス)のフィルターで撮影した写真(下)を比べてみました。

foodie02.jpg
foodie03YU03.jpg

下の方が美味しそうに見えませんか。

撮影してSNSにアップする前に
SnapseedやPhotoshopで画像編集していた手間が省けます。

加工のやりすぎは良くありませんが、
食品の魅力がきちんと伝わる適度な調整はした方がよいです。

画像編集、調整は面倒ですから、
フィルターを選ぶだけで済むのは便利です。

81のフィルターのうちフード以外は、
人物向けが4、室内向けが24、風景が31です。
食品以外のフィルターも多いです。

食品以外でも雑貨やインテリア、不動産などの撮影でも使えます。

最後に注意を。

韓国のネイバー系の企業が提供するアプリです。
カメラに関するアプリでもあり、
セキュリティを重視される方にはお勧めしません。

使う方はリスクを知ったうえで割り切ってご利用ください。