中小企業の商標出願は10年で1.7倍に

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
中小企業でもブランドの活用、保護のために
商標権の登録出願は増えてきました。

特許庁の特許行政年次報告書をもとにお話しします。

2020年の商標登録出願件数は181,072件です。
10年前の2010年の113,519件から約1.6倍です。

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特許行政年次報告書 2021年版 p.29

そのうち中小企業による出願は
2010年の48,497件から、
2020年には83,007件と約1.7倍になっています。

中小企業にブランドの重要性が認識されるようになりました。

出願が増加したため審査に時間がかかっています。

出願してから、審査官からの最初の審査結果の通知
(ファーストアクション、FA)までの
平均FA期間は2020年度で10.0か月です。

2010年度は4.7か月でしたから10年で2倍以上です。

ちなみに新しいタイプの商標の2020年の登録件数をみると、
立体商標は155件、音の商標は28件、
動き20件、位置15件、色彩は0件、ホログラムは1件です。

位置と色彩は審査が厳しく、
出願してもなかなか登録されません。

色彩の商標登録に興味がある中小企業も
いらっしゃると思いますが、
色彩のみからなる商標の登録は現状かなり厳しいです。

2015年からの累計で登録が認められたのはまだ9件です。
登録は大企業のかなり有名なものだけに限られています。

新しいタイプの商標はともかく、
ブランド名、ロゴマークを文字や図形の商標で
登録していなければ早く出願しましょう。

商標出願は早いもの勝ちです。