今回も2022年版中小企業白書をもとにした記事です。
以下のデータは、株式会社東京商工リサーチが2021年11~12月に、
中小企業・小規模事業者20,000社を対象に実施した
「中小企業の経営理念・経営戦略に関するアンケート」の結果に基づきます。
アンケート回収は5,318社(回収率26.6%)です。
経営理念・ビジョンに対する従業員の受け止め方や反応の調査結果です。

「共感・共鳴しており、行動に結びついている」 47.0%
「共感・共鳴しているが、行動に結びついていない」25.4%
「理解はしているが、共感・共鳴はしていない」 12.9%
「認知はしているが、理解はしていない」 9.0%
「認知していない」 5.7%
2022年版中小企業白書p.Ⅱ-154
経営理念が浸透している(=従業員の行動に結びついている)中小企業は47.0%です。
この設問は、経営理念・ビジョンを
明文化している企業に尋ねています。
また、経営者の自己評価です。
経営理念のない会社などもあり、
中小企業全体で経営理念が浸透している企業は
実際はもっと少ないです。
私のご支援では、企業ブランドを経営理念をもとに構築しますので、
経営理念は重要です。
経営理念を社長が自ら考えて作ったとしても、
大事なことは社内に浸透させ、理念に基づく行動を
経営者や社員が実際にできるかどうかです。
経営理念が浸透している企業は、
浸透させるためにどのような取り組みを行ったでしょうか。
2022年版中小企業白書p.Ⅱ-158に掲載された調査結果を
もとに、抜粋したデータを下に示します。
(経営理念・ビジョンが)「全社的に浸透している」と回答した企業では、
「従業員との日々のコミュニケーションでの啓もう」52.4%
「経営者による年頭挨拶や社内会議での訓示」 51.6%
「自社ホームページでの掲載」 35.6%
「社内研修などを通じた教育」 35.5%
「経営理念・経営ビジョンに基づく規範・ルールの策定」32.4%
「経営者による率先垂範」 31.5%
「社内のパネルやポスターなどでの掲示」 26.3%
「社内報やパンフレット、メッセージカードの配布」16.8%
「その他」 2.6%
「特に取り組んでいない」 4.2%
となっています。
経営理念は地道に繰り返し伝えることで社内に浸透します。
社員の行動を変えるには、経営理念を作った後の
経営者の日々の情報発信や行動が重要であることが示唆されます。
取り上げた2022年版中小企業白書は下のリンクからご覧になれます。
https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/2022/chusho/b2_2_3.html