このブランドに、いくらまで払うのか

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
今日は本の紹介です。

このブランドに、いくらまで払うのか
白井 美由里
日本経済新聞社

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この本はブランドに対する
消費者の価値の認める度合いを分析しています。

主に次の4つの商品群で研究が行われています。

自動車
ファッション商品
テレビ
香水

また、プレミアムブランド(高級ブランド)として、
メルセデスベンツ、トヨタクラウンなどが登場し、

ノンプレミアムブランドとして、
ユニクロ、GAPなどが題材に挙げられています。

欧米のブランド本より題材が親しみやすいです。

この本では、消費者が買うことによって得られる
便益(ベネフィット)を次の5つにまとめて分析しています。

品質保証
自己表現
自己満足
社会的満足
差別化

この5つのベネフィットとも、
高いお金を出してでも得たい価値(便益)であることが、
実験結果を示して説明されています。

そして、私が注目したのは、
5つのベネフィットの相対関係として、消費者が
お金をを支払う価値があるとして最も回答している
ベネフィットは「品質保証」
だったということです。

これは、自動車、ファッション商品、テレビ、香水の
4つの商品群とも、すべて同じ結果でした。

ファッション商品で挙げられている、いわゆる海外の
ブランド品のバッグも含めて、一番支払う価値があると
認められているのは「品質保証」なのです。

2006年11月に出版されましたが、耐震偽装や
食品の安全の問題が話題に上る今は、品質保証が
もっと重要視されているになっていると私は考えます。

したがって、ブランド構築には、まずこの本で示されている
「品質保証」の以下の構成要素を大事にすることが王道です。

品質・性能がよい
頑丈である、壊れない
有名である
多くの人が持っているので安心、信頼できる

日本の中小企業は品質・性能がよい、頑丈である、壊れない
という分野は得意ですよね。
良いものづくり、サービスづくりから、スタートです。

そして、その商品の良さをうまく伝えればよいのです。

しかし、良い商品づくりなら自信があるが、
営業や販売促進は苦手という方も多いと思います。

そういう方は、コミュニケーション戦略は専門家を活用して、
自身はよりよい商品づくりに注力する方が
ブランド構築の近道になるでしょう。

この本は研究論文のような形で書かれています。
その分、少しとっつきにくいですが、
実験データにはやはり説得力があります。

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