スターバックスダブルショット(2)

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
スターバックスのブランド拡張について前回の続きです。

ブランド拡張は、
すでにあるブランドを新しい市場に投入すること
です。

ブランドには、顧客から持たれているイメージがありますが、
それを利用して、新市場に投入する製品・サービスの知名度や
イメージの浸透の早期化をねらうわけです。

投入する新製品や新サービスにとっては、
今まで別の市場で培われたブランドを活かすことができるので、
よいことなのですが、

ブランドのコンセプトやイメージから離れた
新製品・サービスですと、ブランドに傷がつく
ことになります。

また、既存のブランド商品と共食いになってしまうなどの
リスクもあります。

そのためブランド拡張は、さまざまな項目を
慎重に検討して行う
のが一般的です。

スターバックスも慎重に検討しているはずです。

今回のスターバックスダブルショットも、
スターバックスのコーヒーと当然共通する点があります。

Webサイトを見たところ、以下の説明がありました。
http://www.starbucks.co.jp/doubleshot/index.html

世界中のスターバックス店舗の手作りのエスプレッソ飲料と
同じ高品質のコーヒー豆「エスプレッソ ロースト」を使用。
濃厚でカラメルのような甘みとコーヒーの香りが特長の
「エスプレッソ ロースト」を使用することで、
力強いコーヒー感に加え、より華やかなコーヒーの味わいが
お楽しみいただけます。


同じ種類のコーヒー豆を使い、
味も店で飲むものから離れないようにしているわけです。

では、ブランドが傷つくリスクを冒してでも、
今回、ブランド拡張を行ったのは、
どのような狙いがあるからでしょうか。

スターバックスダブルショットの容量は140gと
通常の缶コーヒーが190gなのに対して少なめで、
1缶170円と高価格です。

高利益率の事業だと思います。

サントリーには、缶コーヒー「BOSS」ブランドもありますが、
高級なコーヒーを製造しても、スターバックスダブルショットと
同じ内容量で同価格での販売は難しいのではないでしょうか。

この価格もポイントだと思います。
容量と価格を見ると、通常の缶コーヒーの1.5倍の価格です。

この価格設定によって、スターバックスコーヒーが
高級なコーヒーであることをコンビニの棚でも消費者は
再認識するわけです。

今回の販売でスターバックスは高級でおいしいコーヒーである
というブランドイメージが強化される可能性もあります。

スターバックスにはブランド力があるので、サントリーの
製造ラインや販売ルートを使った事業を可能にしました。

ブランド力がつけば、高収益も実現できますし、
他社と提携して、製造ラインや
販売ルートを使ったビジネスもできるようになるのです。

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