ブランド価値測定論

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。

2009年版コーポレートブランド価値ランキングが
6月10日付の日経産業新聞に掲載されました。

このコーポレートブランド価値ランキングは、
日本経済新聞社と一橋大学大学院の伊藤邦雄教授が
独自に開発したコーポレートブランド測定法により、
日本企業を対象に作成したものです。

1位 トヨタ自動車
2位 キヤノン
3位 任天堂
4位 ホンダ
5位 武田薬品工業

以下200位まで続きます。詳細は紙面でご覧ください。

コーポレートブランド価値は金額換算されており、
順位が付いています。

金額算出にあたっては、2007年度の財務データや
2008年9月の日経企業イメージ調査を基にしています。

ブランドの測定にあたって用いられている指標は、
次のようなものです。

ブランドプレミアム、ブランド認知、忠誠、売上高営業利益率、
日経企業イメージ調査の好感度、従業員の生産性、
大学生の就職意向、PBR、キャッシュフロー、ROA

3月9日の記事でインターブランドの発表した
グローバルブランドの測定法に比べれば、
これらの指標は測定しやすいと言えるでしょう。

3月9日の記事:ブランド価値と株価の関係を検証しました
http://brand-design.seesaa.net/article/115357365.html

今回はコーポレートブランドということで、
会社全体の数値ではありますが、
全体的にインターブランドが発表したグローバルブランドの
3倍くらいの金額になっています。

測定方法にも大きな違いがあります。

インターブランドは今後得られる収益をもとに算出していますが、
日経と伊藤教授の測定法は、顧客だけでなく、
従業員や株主の視点も大きく盛り込んでいます。

ブランド価値をより広く捉えているとも言えます。

また、企業全体のブランドですから、さまざまな
ステークホルダーを考慮しているとも言えるでしょう。

ただ、私は測定方法に違いはあるものの、
企業経営が目指すブランドのあり方には
変わりがないと考えています。

なぜなら、顧客、従業員、株主のスコアが偏りなく
高いことが、今後得られる収益の見積もりにも
好影響になると考えるからです。

このバランスが悪いと、高い収益を永続的に獲得
できなくなるリスクが高くなるでしょう。

例えば、顧客からは好かれているが、従業員や株主からは
好かれない企業が長期的に高収益であり続けられるでしょうか。
疑問です。

その逆で、従業員や株主が好きでも顧客が嫌い企業は・・、
やはり結論は同じでしょう。

そう考えると、インターブランドも
日経も伊藤教授もブランド価値として求めているものは、
もしかしたら似ているのかもしれません。

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