反対を押し切って新市場を創り上げる

「ん?変わった味だな。おいしくない。」

初めて飲んだ時の記憶は鮮烈に覚えています。

一口飲んだ私は母に話すと、
母からも「薄い味ね」との答えが。

しかし、この飲料は大ヒット。今なお売れ続けています。

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。

私が飲んだのは大塚製薬のポカリスエット

初めて飲んだのは小学生の時に
家族で行った横浜博覧会の会場でした。1989年です。

粉末サンプルを配布され、
その場でいただいた水に溶かして飲んだ感想が冒頭です。

テレビ東京の番組「ルビコンの決断」を観て、
昔の記憶が蘇りました。

ポカリスエットの発売開始は1980年です。

ポカリスエット.jpg

1980年の日本では、味の濃い飲料ばかり売られていました。

私が飲んでいたのは、250ml缶に入ったコーラなどの
ジュースや果実ジュースでした。

大人も同じで、私と違ったのは缶コーヒーを
飲んでいたことくらいでしょう。

ちなみに缶入り烏龍茶の販売開始は1981年、
六甲のおいしい水は1983年です。

味の薄いポカリスエットは、今までのジュースしか
知らない私にとっては大きな衝撃でした。

しかし、中学生になって部活をすると、
ポカリスエットを飲むのが楽しみになりました。

当時は「運動中に水を飲むな」「飲みすぎるとバテる」
などと先輩から言われたので、
練習後の水分補給をまさに渇望していました。

ルビコンの決断では、ポカリスエットの開発から
販売までの努力が紹介されていました。

独創的な着眼点でスポーツドリンクを開発したのは、
もちろん素晴らしいのですが、
その後の販売促進には驚かされました。

多額の経費をかけてサンプルを配り続け、
製品を浸透させた決断は見事としか言いようがありません。

ポカリスエットの販売開始を決めた役員会でも
社長の役員は反対ばかりだったそうです。

最初は「おいしくない」と思った消費者が多い中で、
サンプル配布を続けた決断にも勇気がいったと思います。

将来の予測への自信や、消費者の観察、
長期間にわたる丁寧な商品開発が決断を支えたのでしょう。

独自の新市場を切り開いたポカリスエットは、
強いブランドとなり、今もそのブランド力を維持しています。

新市場を切り開くブランドを作るには、
消費者や役員の意見を押し切る強さと、
それを裏付ける努力が必要なことを番組から学びました。

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