世界を変えるデザイン展でBOP向けビジネスを考える

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。

今日は「世界を変えるデザイン展」の訪問レポートです。

世界を変えるデザイン展1.jpg

BOP(Bottom of the PyramidもしくはBase of the Pyramid)と
呼ばれる発展途上国にいる低所得者層を対象としたデザイン展示です。

東京ミッドタウンのデザインハブでは5月13日から6月13日まで、
六本木のアクシスギャラリーでは5月28日から6月13日まで
開催されています。

世界を変えるデザイン展axis.jpg

今までデザインや“ものづくり”は
高所得者を対象の中心に行ってきたきらいがあります。

しかし、高所得者の数よりもはるかに多い人々へ
価値を届けていくことも考えていく時代でしょう。

デザインハブへの来場者もいつもよりかなり多いです。
貧困問題や社会貢献などに関心が高い方の来場が多いようです。

私が一番感心した展示が度が変えられる眼鏡です。

Adspecs.jpg

眼鏡のテンプルについているピストンを調整することで、
レンズ部分の水分の量を調整して視力を矯正します。

眼鏡は人によってレンズ度数が異なるものですし、
同じ人でも度数がきつくなっていくこともあります。

度数が簡単に変えられるのはいいですよね。
私も実際にかけて試しましたが、きれいに見えました。

次は大量の水を簡単に運ぶ容器です。
手前にあるペットボトル分の水が運べます。

QDrum.jpg

単純なデザインだと思われるかもしれませんが、
相手に合わせた素晴らしいデザインです。

現場に適しているのはリアカーでも自動車でもないのです。

相手に合わせた良いデザインは人を幸せにしますね。

展示では、先進国で作って輸出するのではなく、
現地で入手しやすい材料を使い、製造もしやすい製品が
多く見られました。良いことです。

しかし、日本の中小企業がビジネスとして取り組むには
容易ではなさそうです。

入手しやすい、製造しやすいということは、模倣されるリスクが
高くなりますし、低価格競争にも陥りやすくなります。

慈善事業と割り切れば別ですが、ビジネスとして
継続させるためには、優れた価値を適切な価格で提供し続けられる
工夫が必要になるでしょう。

この記事へのコメント

  • ぐるぐる

    時々、ホームページを拝見させいていただいています。ネット上では「ぐるぐる」と名乗っています。フリーの編集者・ライターで、主に中小企業経営をテーマに取材、執筆活動をしています。

    さて、教えていただきたいことがあります。公園などにある、上に噴出する水飲み。大きめのビー玉のような丸い蛇口です。あの蛇口は、誰のデザインによるものでしょうか?

    あの丸い形状は、吹き上げ、落ちてくる水で蛇口が自働浄化されるため、と何かで読んだことがあります。キッコーマンの醤油注しと並び、昭和の2大インダストリアルデザインだと、私は思っているのです。

    ぜひお教えくださいませ。
    2010年06月11日 12:06
  • 山口達也

    ぐるぐるさん、コメントありがとうございます。
    ご質問の水飲みの蛇口のデザイン、誰のデザインか私も知りません。申し訳ありません。
    ブログご覧いただきありがとうございます。これからもよろしくお願いします。
    2010年06月11日 18:51
  • 山口達也

    主催者発表によると、開催期間中の来場客数は、東京ミッドタウン・デザインハブでは14,614人、AXISギャラリーでは5,300人だったそうです。
    2010年06月19日 13:19
  • ぐるぐる

    そうですか。残念です。
    個人デザイナーでなく、INAXとかTOTOとか企業が権利を持っているのでしょうか? いずれにせよ、興味をそそられます。
    2010年08月27日 12:21
  • 山口達也

    ぐるぐるさん、コメントのアップが遅くなり、申し訳ありませんでした。
    お恥ずかしい話、日々、当ブログに関係のないスパムコメントが大量に送られており、それらの中にぐるぐるさんのコメントがあったのを見落としておりました。
    大変失礼いたしました。
    蛇口の件、もし私が知ったらお伝えします!
    2010年09月16日 17:27

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