サントリー「歌のリレー」が見せた広告の形

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。

今日の話題は、東京アートディレクターズクラブ
優れた広告・デザインを表彰するADC賞です。

今年の受賞作品がADC展として28日まで
ギンザ・グラフィック・ギャラリーと
クリエイションギャラリーG8で展示されています。

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今年のADCグランプリはサントリーの「歌のリレー」でした。

サントリーの広告に登場している総勢71名が
「上を向いて歩こう」「見上げてごらん夜の星を」を
歌っているCF(コマーシャルフィルム)です。

私もテレビで見ましたが、そのパワーに胸を打たれました。

今年は広告に携わる人も大震災を受けて、
何を届け、伝えるべきか悩んだでしょう。

本作品は、企業が何をできるか考え、企業の姿勢や気持ちを
伝えるCFとして、素晴らしいものでした。

出演者の気持ちも伝わるものでした。

このCFを評価しない方もいらっしゃいますし、
ブランドや広告論とからめて、
サントリーのマーケティングをうまさを指摘する人もいます。

しかし、私は混乱や自粛ムードの中で行動を起こしたことは
称賛しますし、ブランドやマーケティング面のプラスを
第一義的に考えたCFではないと考えます。

結果として、サントリーの好感度が増したかもしれませんが、
それは副産物でしょう。

あのCFは純粋にメッセージを届けようと思わなければ、
できないと思います。見る人も気づくでしょう。

経済は重要ですから、私も経営コンサルタントをしていますが、
人への純粋な気持ちと経営上の利益をはじめから結びつけて
考えるべきではないと思っています。

コーポレートシチズン(企業市民)という言葉もありますが、
ブランドにおいても、あくまでも「思い」を大切にしましょう。

サントリーの他にも優れた広告・デザインが展示されています。
楽しむ気持ちでご覧になってはいかがでしょうか。

「上を向いて歩こう」は月曜日のNHKでも特集番組がありました。
多くの方が強い思いで作って広めた歌なんですね。
私も大好きな歌です。

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