観光アート

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。

今日は書籍「観光アート」をご紹介します。
光文社新書、著者は山口裕美さんです。

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現代アートを目的に出かける旅行や
現代アートをまちおこしのきっかけとしている事例に
ついて書かれた本です。

著者のアートへの思い入れが感じられる内容ですが、
アート評論が主ではなく、アートによる地域活性化の
あり方が中心になっています。

香川県直島や、青森県の青森市と十和田市、
石川県金沢市が現在のように盛り上がるまでの経過が
わかります。

また、越後妻有アートトリエンナーレや
横浜アートトリエンナーレなどのプロジェクトについても
紹介されています。

著者の率直な意見も、芸術や地域、日本への愛から
来るもので、関係者には耳が痛いところもあるでしょうが、
傾聴に値するものです。

美術館、博物館の数は、かなり増えているようですが、
一方で財政面では苦しい運営をしているところも多いと
聞いています。

この分野では、自治体や公益法人などの運営が多いのですが、
携わる人の情熱と明確なコンセプト、戦略が
求められることを教えてくれます。

つまり、公平性よりも取捨選択がポイントになります。

本の後半には、日本全国「一度は訪ねてみたい美術館100」
のガイドも付いており、アート好きが喜ぶ内容です。

文化や創造性が、人や街、文明にとっては重要で、
生活が豊かになればなるほど、その重要性は増すでしょう。

美術の多様性や裾野の拡大によって、美術館が特定の
地域だけでなく、日本中の地域経済を活性化させる
可能性を感じました。

アートファンのみならず、地域活性化、地域資源の発掘に
関わる方にもお勧めします。

また、香川県直島の情報も多いので、
私は直島に行く道中にも読み直して、直島旅行を楽しみました。
直島に行く方にもお勧めです。

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