おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
今日は東京ビジネスデザインアワードの
公開プレゼンテーションについてです。
1月29日に東京ミッドタウンで行われました。
東京ビジネスデザインアワードについては、
昨年6月にも当ブログで記事にしております。
アワードの概要は以下のリンクをご覧ください。
http://brand-design.seesaa.net/article/276300271.html
提案最終審査会でもある公開プレゼンテーションでは
15社が出したテーマに、テーマ賞を受賞した
デザイナーの11の提案がプレゼンテーションされました。
結果は、最優秀賞(賞金100万円)が、大学院生の
鍵田真在哉さん、鈴木啓太さん、岡藤空さん、橋詰友維さんの
4名による「養殖中のマグロを保護するための“光る”網」
となりました。
優秀賞は
「磁力を利用し安全に着脱可能な、壁面接着型プランター」
「景観だけでなく必要な情報も守り、緊急時に役立つシート」
の2件です。
残りの8件の提案もテーマ賞をとられたものだけあって、
それぞれに興味深いものでした。
東京ビジネスデザインアワードは、
単に商品の姿かたちだけでなく、テーマの用途開発を軸とした
事業全体のデザインを募集したイベントですが、
事業計画書に出てくるような項目の発表はあまりありません。
全体を見た率直な感想として、
製品開発のアイデアコンテストという印象です。
アイデアをモックアップにした段階で、
プレゼンが行われていますので、実現性や顧客のニーズ、
製造原価や販売価格などは不明なものが多いです。
「この技術を使って、こんな商品が作れるかもしれませんよ」
という提案です。
東京都内の製造業で、自社の技術を
どうやってデザインと組み合わせようかと考えている
中小企業は、5月ごろから新年度のアワードの募集が
始まりますので、手を挙げてはいかがでしょうか。
おそらく自分たちでは考えもつかないような、
アイデアが出てくると思います。お薦めします。
一方、東京ビジネスデザインアワードは
初めての試みで課題も浮き彫りになりました。
審査は、かわさき産業デザインコンペのように
商品化の実現性に重きが強く置かれず、
事業のインパクトの大きさが重視されました。
そのため、提案のビジネス化にはかなりのハードルがあり、
これらを中小企業がすべて超えるのは容易ではありません。
商品化を目指す中小企業へのソフト面、資金面の支援が
求められるでしょう。
また、公開プレゼンテーションとはいうものの、
提案に関わる内容の撮影は認められませんでした。
一方で、多数来ていた報道関係者は
どんどん撮影していたので、
一般来場者は過度に規制された印象もあります。
提案を守るにも、一般公開イベントで見せていますし、
報道関係者の写真は、各種媒体に多く掲載される中で、
一般来場者の撮影を禁止した意図は不明です。
ただ、開催にあたっては事務局の細かな気配りも
感じられました。ありがとうございます。
イベントの時間配分もバランスがやや悪いように思われ、
終了予定時刻も大きく超過しました。次回に期待します。
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