先週に少し触れた書籍のご紹介です。
「ブランド・ポートフォリオ戦略」
ダイヤモンド社、デービッド・A・アーカーさんです。

同書は、経営戦略とのつながりを考慮しつつ、
複数のブランドをどうマネジメントするかを考察しています。
ブランド・ポートフォリオ戦略とは、
企業が持つ複数のブランドの構成と
それぞれのブランドの役割を全社的な視点で最適化する
戦略と考えることができます。
インテル、マイクロソフト、ソニーなどの例が出てきます。
他社のブランドとの提携も取り上げられ、
ブランドイメージの相乗効果を追求するモデルなどは
ブランド研究として新しいものでした。
ブランドの役割範囲をどこまでに設定すべきかや、
ブランドの統廃合をどうすべきかなど、
応用的なブランド論が展開されています。
学術書というより帰納的で実務的な内容だと思います。
翻訳も読みやすいです。
大企業の事例ばかりですが、
さまざまな状況からブランドを考えることで、
ブランドの本質が浮き彫りになっていく一冊です。
なお、エピローグ「ブランド・ポートフォリオ戦略20の要点」
から読むと、結論からわかるので
私は理解しやすいと思います。
同書に限らず、アーカー教授の本はボリュームがあるので、
訳者あとがきも含めて、最終のまとめから読むのがお薦めです。
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