社名とブランド

今日は石川島播磨重工業(株)が(株)IHIに社名変更する
という話です。

同社のプレスリリースの一部です。
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当社はこのたび、グループ全体でより先進的な
グローバルブランドへの成長を目指すために、
商号を当社の略称として広く認知されている
「IHI」に変更し、これを契機にしてグループ全体で
ブランド戦略を強化することといたしました。

・・(中略)・・今後、「IHI」を社名の一部に付けるなど、
グループ内の関係会社にも展開し、「IHI」ブランドを
国内外に共通するグループブランドとして価値を高めるとともに、
グループ従業員の求心力とアイデンティティの高揚を図り、
グループ経営を強化していく方針です。

 「IHI」への商号変更には、従来のハードメーカーのイメージが
強い社名から、よりエンジニアリング志向を想起する社名に
変更することにより、事業構造改革に向けた強い意思も
織り込んでいます。

・・・・・・・・・(引用終わり)

社名を変更することで、同社では、

グローバルブランドを目指すこと
グループ経営を強化すること
グループ従業員の求心力とアイデンティティを高めること
従来ののイメージを変えること
事業構造改革への強い意思を盛り込む

をねらっていることがわかります。

3月27日の日本経済新聞朝刊によると、
グループ70社も1年以内に「IHI」が付く名称に変更し、
本体の社名変更費用は10億円弱を見込んでいる、そうです。

同社の18年3月期の単体売上は6,127億円、
経常利益は125億円です。
(連結売上高は1兆4,617億円です。)

10億円弱の費用は同社でも決して小さい額ではないと思います。しかし、先に挙げた効果を期待して社名を変更するのです。

逆の言い方をすると、先に挙げた効果がでるなら、10億円弱は
投資として妥当だと同社では判断しているとも言えます。

名前はブランド戦略のなかで極めて重要です。
社名もブランド戦略として投資の対象となることを認識しましょう。

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