おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
3週にわたり書いてきた消費税率アップの対応策の最終回です。
先々週、先週の記事です。
2月26日:消費税増税前の駆け込み需要を取り込もう
3月5日:消費税率アップによる節約意識と消費減はどの程度か?
先週は消費税増税後の需要減を考えました。
企業はこの需要減に対し、
短期と中期に分けた対策が求められます。
駆け込み需要の反動減や、
あらゆる物の値上がりに対する嫌悪感、消費意欲の減退は
4月~5月が中心で短期的なものです。
いずれ収まっていくでしょう。
しかし、多くの消費者の収入が伸びない中で、
物価高、消費税増税は購買力の低下となります。
この要因による購買量の減少は、
消費者の収入が増加するまでずっと続きます。
それぞれの対策を考えた方がよいです。
短期的な消費意欲の減退への対応として、4月、5月は
価格据え置きや値下げ戦略をとる企業以外を除いて、
あまり販売促進をしない方が良いように私は考えます。
節約意識が高いところに、
通常の販売促進キャンペーンをやっても費用対効果は悪いです。
むしろ4月は時間管理の徹底で、
売上高人件費率の悪化を抑制した方が良いでしょう。
しかし、節約したい気持ちに応える
マーケティング戦略は有効です。
量を減らして価格を据え置く、下げる戦術が代表的です。
節約につながることを訴える戦術を徹底しましょう。
他にも例えば、
外食→中食→自宅調理の流れに誘導して自社の販売を増やす、
外食なら「俺のイタリアン」のような低価格・高回転メニューの販促強化、
水道光熱費の削減グッズを取り扱う、
近場のレジャー関連需要を取り込む、など考えられます。
知恵の絞りどころです。
自社の商品・サービスが
他の商品・サービスの代わりになる、節約になる点を
探してみましょう。
価格据え置きをする企業は、
「消費税還元セール」の文言は使えませんので注意しましょう。
(参考)消費者庁:消費税の転嫁を阻害する表示に関する考え方
http://www.caa.go.jp/representation/pdf/130910_2_2_1.pdf
また、他社のよい販売促進事例を参考に、
自社に素早く導入することもやりたいです。
次は中期的な対策です。
購買力の減退の影響を大きく受けるお客様を対象に
ビジネスを展開するのであれば、
低価格で販売できる商品の開発、原価低減の継続が求められます。
具体策は、前述の短期的な対策と重なるところもありますが、
一時的な販売促進ではなく、
次の10%への税率改定を見据えた商品開発が必要です。
商品開発のヒントとして、
思い切った機能やサービスの割り切りも有効です。
例えば、流行性や柄物を扱わない→ユニクロ
フルサービスの理容店→1000円カット店、
というような発想ができれば、コストカットの追求が
縮小均衡、じり貧にならなくなりますね。
新たなビジネスモデルの検討が理想です。
春から厳しい局面に入るのはみんな同じです。
知恵比べで生き残りましょう!
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