小さな会社を強くするブランド作りの教科書

おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
書籍のご紹介です。

小さな会社を強くするブランド作りの教科書
岩崎邦彦、日本経済新聞社

ブランドづくりの教科書.jpg

著者は、静岡県立大学の教授ですが、
静岡県でつくられる高糖度トマト「アメーラ」
を生産するサンファーマーズとともに、
社外ブレーンとしてアメーラのブランドづくりに
取り組んできました。

本書の特徴はブランド論で語られる内容について、
全国の消費者1000人、東京都の消費者1000人、
全国の中小企業経営者1000人を対象に調査し、
統計的に検証した点です。

さまざまな分析から、強いブランドをつくるために
決定的に重要な次の二つの要因を導き出しています。

・明確なコンセプトがあり、消費者の心の中に明快なイメージが形成されている
・売り手のセンスやデザイン力などによって、消費者の感性に訴えている

単に機能や品質が優れているだけでは、
強いブランドにならないとも主張しています。

また、強いブランドに見られる特徴も抽出しています。
あまりブログに書くと良くないので、
その特徴が気になる方は同書をご覧ください。

ブランド論ではおなじみのブランド・アイデンティティの
設定に求められる条件や、
プロモーション、訴求方法について著者の主張もあります。

著者は、実際にブランドづくりを手掛けたうえで、
さまざまな人の意見、考えを統計的にまとめています。

実践や個人の感覚だけに偏らず、
理論としてまとめている点は同書の一番の良さです。

ところどころの説明は、わかりやすさ優先で、
全ての説明が論理的・実証的ではないのですが、

語りかける文体で、経営者をやる気にさせる
本の構成は著者らしいですね。

同書は一般の経営者に向けて書かれたものですが、
ブランド論の実証に関心のある方にもお薦めします。

この記事へのコメント


この記事へのトラックバック