今日はGOOD DESIGN EXHIBITION 2014
(グッドデザイン賞受賞展)のレポートです。
今年も10月31日から11月4日まで
東京ミッドタウンで開催されました。

素晴らしいデザインをご紹介します。
今年のグッドデザイン大賞は、デンソーウェーブの
「医療医薬用ロボットVS050 SⅡ」です。

クリーンルームなど滅菌環境下での作業を想定した
産業用垂直多関節ロボットです。
滅菌洗浄に耐性があり洗浄が行いやすいロボットです。
関節部断面を正円にして、段差や隙間を消し去っているそうです。
展示会場では、ロボットを実際に動かしており、
多くの人の目をひきつけていました。
デザイン・クリエイティブ情報「JDN」は、
デンソーウェーブの担当者がプレゼンで、
「(クリーンルームという特殊な場所で使うため)
皆さんがこの実物をご覧になるのはこれが最初で最後かもしれません」
と話した、と報じています。
意外と貴重な機会だったみたいで、
それならもっとじっくり見ればよかったと思いました。
このロボットとグッドデザイン大賞を僅差で争ったのが、
NPO法人東北開墾の「東北食べる通信」です。
「東北食べる通信」は、東北の熱心な農家や漁師を
取材した月刊の情報誌です。
タブロイド誌と一緒に、彼らが収穫した食べ物が会員宅に毎月届きます。
会費は月1,980円です。

写真の左上にはホタテ貝が写っています。
会員はFacebookページで、
届いた食べ物を使った料理を見せ合ったり、
生産者と直接コメントを交わしたり、
SNSを通じた交流も楽しめます。
また、追加で食べ物を注文することもできます。
生産者と消費者をつなぎ、交流する仕掛けが素晴らしいですし、
生産者を発掘し、取材する編集者の努力や、
落とし込まれた紙面も素晴らしいです。
東北から他の地方に広がっていくようです。
私は今年のグッドデザイン賞で一番嬉しくなったデザインです。
毎月、産地直送で届いて、
作り手の思いを知ることができるなんて素敵ですよね。
生産者も消費者に声を届けられる機会は望んでいると思います。
似たような仕組みはこれまでもあったかもしれませんが、
このタブロイド誌のデザイン、取材力が
大きな付加価値になっています。
次ももグッドデザイン金賞を受賞した
ヤマハ発動機の電動アシスト車いす 「JWスウィング」です。
電動アシスト自転車の実績があるヤマハが作った
単なるアシスト機能つきより進化した製品です。

付属の専用ソフトで使用者の身体状況や使用環境に合わせて
最適なアシスト力を設定できるほか、
2種類のパラメーターを記憶させてボタンひとつで切り替えられます。
異なる左右の腕力に合わせて設定ができることや、
上り坂やでこぼこ道にあわせて、
ボタンひとつでアシスト力を高められるのはよいですね。
アシスト駆動、バッテリー付きなのに、
折り畳むことができ、軽量化を図っていることも素晴らしいです。
他にもご紹介したいデザインがありました。次回に。
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