グッドデザイン賞受賞展のレポート続編です。
今日は三和交通の「タートルタクシー」に
焦点を当ててご紹介します。
グッドデザイン・未来づくりデザイン賞を受賞しました。
先週ご紹介した「東北食べる通信」と並んで、
私が強く感動したデザインでした。
タートルタクシーは、助手席裏にあるボタンを押すと
いつもよりゆっくり快適な運転を提供するサービスです。


お年寄りや妊婦など、ゆっくりでもいいから安全で
快適に移動したい方々から喜ばれているようです。
電話での予約本数が13%増加しています。
動画をご覧になると、とてもわかりやすいです。
前半の2分40秒の紹介動画だけでもよいです。
動画の質もとても高いです。
タクシー運転手は、乗客から
「急いで」と言われることが多く、
日頃は急いで運転しようと思いがちだそうです。
一方、利用者に調査をしたところ、76%の人が
「ゆっくり運転してほしいと思ったことがある」
と回答しました。
しかし今まで、乗客は「急いでいない」ことを
運転手に伝えることはありませんでした。
タートルタクシーの助手席裏にあるボタンを押す行為は、
今まで潜在的だった「急いでいない」思いを
伝えることを簡単にして、
顧客満足を上げることができるようになりました。
ボタンが押されるとフロントガラスに
「ゆっくり走行中」と表記されたパネルが掲示され、
車外からでもゆっくり走行中であることが伝えられます。
ゆっくり走ると燃費が良くなり、コスト削減になります。
環境にもやさしいです。
さらにタクシーは時間でも料金をもらえるので、
増収にもなりやすいです。
タートルタクシーは従来の視点から脱却し、
顧客の潜在ニーズをつかまえ、
新しい価値を提供しています。
アイデア、リサーチ、ビジョン、ネーミング、
ビジネスの実行、運用、収益改善、環境、
説明動画の質、いずれも素晴らしいです。
素晴らしいイノベーションに、芸術的な美しさを感じました。
世界に広がってほしいです。
次週もGOOD DESIGN EXHIBITION 2014のレポートは続きます。
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