ゴールデンウィークはいかがお過ごしですか?
晴天で行楽日和が多かったと思います。
そんな中、5月3日の日本経済新聞に
日本、中国、韓国の三カ国は共同で、
「アクセシブルデザイン」の国際規格取得に乗り出している
という記事がありました。
今日はこの話題です。
「アクセシブルデザイン」とは、耳慣れない言葉だと
思いますので、経済産業省の環境生活標準化推進室の資料を
もとに説明します。
http://www.jisc.go.jp/jisc/pdf/pdf14thShouseitoku/shiryou6-1.pdf
(日経の記事の情報源とも思われます。)
アクセシブルデザインとは、
高齢者・障害のある人々の利便性を配慮しつつ、
健常者の利便性も確保することを目的として、
従来の設計を高齢者や障害のある人々の
ニーズに合わせ拡張することによって、
製品、サービス、建物などがそのまま利用できる
潜在顧客数を最大限に増やすための設計です。
これにより、ビジネス拡大の効果を得ることが可能であるが、
ビジネスを最優先させるのではなく、
高齢者や障害のある人々の利便性を高めることが
主たるねらいです。
(アクセシブルデザインの説明はここまで)
このたび、ISO(国際化標準化機構)へ提案した
アクセシブルデザインの規格は、
家電製品の報知音の規格、
シャンプーや調味料などの容器の側面についた
凹凸や突起で中身を示す規格や、
電卓の「5」のボタンやパソコンのキーについた突起の規格
など、日本工業規格(JIS)で規定されている五分野です。
日経の記事では、
アクセシブルデザインが施された商品の国内市場は
2兆円ほどで、JISをもとにした国際規格が取得できれば、
関連する日本企業にとって、
海外企業への技術移転や販路拡大など
ビジネスチャンスが広がる可能性がある。
としています。
記事から日経がビジネスの側面を
大きく取り上げていることがうかがえます。
確かに、JIS規格が国際規格となれば、
日本企業としてはビジネス上有利ですよね。
しかし、私としては、ビジネスチャンス以上に
世界どこへ行っても、
誰もが扱いやすい製品が市場にあることが
すばらしいと思うのですが、いかがでしょうか?
これは、経済産業省が説明したアクセシブルデザインの
考え方にも通じるところがあります。
もともとアクセシブルデザインを作った人は、
使う人の利便性を考えて作ったはずですから、
仮に、電卓の突起が「4」や「6」につけている
国があったとしても、どちらかに統一してほしいですよね。
本当にその突起を頼りに電卓に数字を入力している
人がいるのですから。
もちろん国益もあるでしょうし、
ビジネスのことを考えることは大切です。
デザインをビジネスに活かすということを
話している経営コンサルタントという立場では、
難しい場面ですが、
やはり、使う人が喜んでくれるデザインを求めたいと思います。
私は、商売はお客様が喜んでこそ、だと考えています。
「きれいごとだけを言うな」と言われるかもしれませんが、
商売は、そうあって欲しいものです。
もちろん、ビジネスとしても、使う人にとっても
両方にメリットがあるというのが、実際には
大多数ですし、そうであれば一番良いわけです。
経済産業省(日本工業標準調査会、JISC)の取り組みが
うまく進むとよいですね。
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