おはようございます。中小企業診断士の山口達也です。
ヤマト運輸が、荷受量の抑制や、
一部の時間帯指定配達の取り止め、
宅急便の基本運賃の27年ぶりの値上げを
検討しているとマスコミ各社が報道しています。
宅配便の急増にサービス供給が
追いつかないようです。
会社から発表はありませんが、
検討はおそらく事実なのでしょう。
ヤマト運輸を利用していない人や、
通信販売を利用していない人には、
あまり影響のないニュースと思われたかもしれません。
しかし、宅急便の値上げが実施されれば、
日本中の物価に影響を与えるかもしれないと
私は考えています。
自分が宅配便を利用していなくても
自分が店に買いに行く商品は、
宅配便で企業に配達された材料や部品を
加工して製造された可能性があるのです。
ヤマト運輸は宅配便の最大手です。
競合他社もサービス供給体制に
余裕は少ないでしょうから、
追随して値上げする可能性は十分にあります。
小口の荷物配送が全般に値上がりすれば、
地産地消や大量生産品以外の物は
まわりまわって値上がりします。
宅配便市場は3兆円ぐらいと見ています。
日本のGDPの0.6%くらいです。
電気や原油ほどの大きさではありませんが、
宅配便もそれなりの市場規模になっているのです。
また、ネット通販企業は「送料無料」をやめると、
消費者の購買心理にかなり影響しますので、
「送料無料」はやめないと思いますが、
商品単価の引き上げや、送料無料の対象となる
お買い上げ金額を上げることも予想されます。
ヤマト運輸は、顧客へのサービス追求を
徹底してきた企業と感じていただけに、
荷受量抑制の検討は大きな転換とも感じたニュースです。
私はヤマト運輸を先進的で人間的で誠実だ
と感じることがあります。
値上げしても利用したいし、応援したい企業です。
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