桂離宮には四季に合わせてつくられた茶室があります。

松琴亭(しょうきんてい)は冬に主に使われた茶室です。


茅葺造りで最も格の高い造りの茶室です。
鮮やかな市松模様のふすまや、
写真右には、かまどがあります。

建物は西向きで、最も寒くなさそうです。
縁側に台所があり、親王様が
簡単な料理をすることもあったらしいです。


茶屋からの眺めも豊かで飽きません。


春から夏に主に使われた茶室である
賞花亭(しょうかてい)は小高い丘の上にあります。
風が通り抜けやすい簡素な造りになっています。
写真がなくて申し訳ありません。
とても簡素で小さい茶室で、
見学者で室内が一杯になったので撮りませんでした。
茶室からの景色は下の写真です。

夏に主に使われた茶室である
笑意軒(しょういけん)は、修復工事中で、
あいにく見ることができませんでした。

北向きの茶室で船着場から行けます。
茶室の裏は見えませんでしたが、
離宮外の水田から風が抜けるように造られています。
涼やかですね。
月波楼(げっぱろう)は秋向けの茶室です。

屋形船に乗っているような気持ちに
なれるように造られたそうです。

そのため、柱をわざと残すように設計したそうです。
秋の夜長に南東の空の満月を楽しんだのでしょう。
日本庭園は、見る人に山や海を想像させる設計に
なっていることが多いです。
桂離宮は、兼六園や偕楽園のような
広大な庭園ではありませんが、
四季を豊かに楽しめるように造られています。
わざと歩きにくくして足下に意識をもたせたり、
松やソテツを植えて、遠くの景色を見えにくくしたりして、
目の前にパッと開ける景色を堪能してもらうなど、
限られた敷地の中で豊かな変化があって飽きません。
住吉の松は池を隠すように植えてあります。

桂離宮が作られたのは、
華やかな安土桃山文化の後です。
質素な中に洗練された宮廷文化を感じさせ
日本ならではの美しい庭園です。
自然や建物、調度品、文化のいたるところに
美しさを見出した日本の心が感じられます。
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